住宅街にある不思議な風景。静岡「登呂遺跡」で弥生時代の暮らしに触れる
静岡市|【更新日】2023年3月22日

JR静岡駅からバスで約10分の場所に位置する「登呂遺跡」は、弥生時代後期の稲作農耕集落を復元した歴史公園。
豊かな自然に囲まれながら私達のルーツとなる歴史に触れることができます。日々の忙しない時間を忘れて、弥生時代にタイムスリップしてみましょう!
目次
歴史ロマン感じる特別史跡「登呂遺跡」とは?
発見は突然に!偶然見つかった2000年前の遺跡
登呂遺跡は第二次世界大戦中の昭和18年(1943年)、戦闘機のプロペラを作るための軍需工場を建設しようとした場所で偶然発見されました。
弥生時代の水田跡が日本で初めて確認されたことで歴史的価値が高く、国の特別史跡に指定されています。
住宅街に突如現れる弥生時代の集落
まず驚かされるのは、住宅街の真ん中に突如現れる登呂遺跡という風景のギャップ。
遺跡の周辺は遊歩道が整備されているので、近隣の方がゆっくりと散歩を楽しむ姿も見られました。
竪穴住居や高床倉庫といった当時の集落や水田が復元されており、夏には青々とした緑の景色が広がります。
教科書で目にする高床倉庫が目の前に!
高床倉庫は、歴史に馴染みのない方でも「見たことある!」とピンとくる方が多いはず。
収穫した稲などを保管しておくために建てられたもので、湿気を防ぐために床を上げ、床と柱の間には「ネズミ返し」が挟み込まれています。
ここで居住域と水田域が一体となって確認されたことで、「弥生時代といえば水田稲作」というイメージが定着。10月~11月の稲の収穫シーズンには復元水田で稲刈り体験も行われています。
祭殿は登呂遺跡一の大きさ
倉庫と同じ高床の祭殿は、7.2m×4mに及ぶ登呂遺跡最大の建物。占いなどの祭祀が行われていたとされ、毎年10月に開催される「登呂まつり」などで内部が公開されます。
遺跡内では様々な弥生体験プログラムも実施。定期的に開催される火起こし体験は、大人から子供まで楽しめる人気イベントです。
気になる住居内は見学可能!
登呂遺跡は地面を掘るとすぐに水が染みだしてくる土地のため、外周に排水溝を掘りめぐらせて水の侵入を防ぐ「平地式住居」が作られました。
実際にあった19棟以上のうち数棟が復元されており、内部は誰でも見学することができます。
中は思ったより広々!当時の生活を感じる
中に入ってみると天井は思ったよりも高く、屈まなくても十分ゆとりを感じられる快適な空間。
天井から吊るされた棚に食材を置き、かまどに火を焚べて燻製にすることで保存食を蓄えていたそう。
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弥生時代を体で感じる「静岡県立登呂博物館」
見て、触れて、感じる!体験型ミュージアム
登呂遺跡についてもっと知りたくなったら、ぜひ隣接する静岡市立登呂博物館へ!
登呂遺跡の出土品展示はもちろん、“参加体験型展示”にこだわった博物館で、遺跡と合わせて1時間~1時間半ほど楽しむことができます。
国の重要文化財!数々の貴重な展示品
2階の常設展示室では、登呂遺跡から出土した当時の道具、土器、装飾品など貴重な400点余りの資料を展示。
登呂遺跡の出土品の実に775点が国の重要文化財に指定されており、そのうち約200点を実際に目の当たりにすることができます。
当時の道具を再現
1階の弥生体験展示室では、再現された道具を使って登呂ムラの暮らしを疑似体験できます。石製と鉄製、2種類の道具で木を削って比べてみると、石製ではなかなか削ることができず苦戦。
弥生時代に鉄が伝わったことで作業効率が大幅アップした、という文化発展の歩みを体感することができました!
館内では他にも貫頭衣体験、田植え体験などのプログラムが豊富に用意されていますよ。
登呂遺跡は日本の歴史を感じる特別な場所だった
遺跡と聞くと、とっつきにくさを感じるかもしれませんが、登呂遺跡は併設する博物館や体験プログラムと合わせて楽しく学ぶことができるスポット。
住宅街というロケーションも相まって、日本の歴史をより身近なものに感じることができるでしょう。
登呂遺跡へのアクセス
- 【住所】
静岡県静岡市駿河区登呂5丁目10−5
【料金】無料(博物館は有料)
【駐車場】あり
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、体験の情報は公式サイトをご確認ください。