参加体験ミュージアム「静岡市立登呂博物館」見て・触れて・感じる豊かな体験
静岡市|【更新日】2023年3月22日

行ったことのない場所を訪れる時、現地の博物館などで歴史に触れると観光がより充実したものに。
JR静岡駅からバスで約10分の「静岡市立登呂博物館」で、静岡市を代表する文化的シンボルかつ国家的文化遺産である「登呂遺跡」について楽しく学びましょう。
目次
工夫を凝らした展示が楽しい「登呂博物館」
住居跡・倉庫跡などの居住域と水田域が一体となって確認されたことで、「弥生時代といえば水田稲作」というイメージが定着するきっかけとなった登呂遺跡。
登呂博物館はそんな登呂遺跡の歴史を、大人から子どもまで楽しめる展示方法でわかりやすく伝えています。
弥生人の暮らしを体験できる「弥生体験展示室」
意外と広い!竪穴住居の中も見学可能
登呂博物館の魅力は、見るだけでなく実際に体験することで弥生時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえる点。
弥生時代を代表する竪穴住居の復元模型は実際に中に入ることができ、小さな入口をくぐると意外にも広く、居心地の良さそうな空間が。
細部まで再現された高床倉庫
教科書で一度は目にする高床倉庫もリアルに再現。
収穫した稲などを保管しておくために建てられたもので、ネズミの侵入を防ぐ「ネズミ返し」には、ネズミの人形を設置する細かい演出が。
中央の急な階段を登って倉庫の中を覗くこともできます。
昼から夜へ。館内の演出にもこだわりが
展示室を回っていると突然部屋が暗くなり、壁にはぽっかりと明るい満月が。昼と夜が数分間で切り替わる空間演出で、子供も飽きずに楽しむことができそう。
思ったより切れる!?当時の方法で穂積体験
弥生時代、稲の収穫は稲穂の部分だけを収穫する「穂首刈り」と呼ばれる方法であったと考えられています。
実際に石包丁を使って稲を刈ってみると、意外と切りやすいものの、鎌と比べてはるかに地道な作業で、当時の苦労を体感。
“参加体験ミュージアム”というコンセプト通り、火起こしや田下駄、貫頭衣など、弥生人になりきれる様々な体験が用意されています。
道具から歴史の流れを学べる
加工具の歴史を学ぶコーナーでは、石製と鉄製、2種類の道具を比較して体験することができます。まず石の道具で木材を削ってみますが、全くと言っていいほど削れず…。
続いて鉄の道具を試してみると、石とは比べ物にならないくらいスムーズに削ることができました。鉄の伝来で作業効率が格段に上がったという歴史もうなずけます。
大人も子供も楽しめる土器作り体験
土器を作る体験も行われており、来館者の作品のクオリティの高さに目を奪われます。所々に埴輪が混ざっているのも和みポイント。
簡素で実用性の高い弥生土器の特徴を学びながら、自由な発想で作り上げていく時間は素敵な思い出になりそうです。
現地発信!おすすめホテル・旅館は こちら
「常設展示室」で2000年前の貴重な出土品を見学
見応え抜群。大人が楽しめる展示
2階の常設展示室は「登呂ムラと稲作」と「登呂遺跡の記憶(登呂遺跡の歴史)」をテーマに、登呂遺跡から発掘された出土品を展示。
国の重要文化財に指定された出土品775点のうちの約200点をはじめ、全400点もの資料を展示し、遺跡の概要や調査の歴史を伝えます。
稲作の道具や食器、装飾品、それにまつわる資料や発掘者のインタビュー映像まで見応え十分。さらに詳しく知りたければ音声ガイドの無料貸出もありますよ。(要事前相談)
登呂ムラを再現!ジオラマで見る当時の景色
展示室に足を踏み入れると、まずは登呂ムラのジオラマがお出迎え。
住居や高床倉庫、水田の景色が細部にわたり再現され、解説映像やクイズを楽しみながら、当時の生活情景を一目で把握することができます。
重要文化財に指定された貴重品の数々
展示品のほとんどは弥生時代の人々が実際に使っていたもの。長期にわたって保全修理を加えることで、劣化しやすい木製の道具や土器も当時の形のまま展示することができています。
模様に注目!見た目にもこだわった食器
ずらりと並ぶ調理器具や食器をよく見ると、一部には模様が刻まれており、当時も見た目にこだわっていたことがわかります。
台がついた道具は煮炊きに使用。器も調理・保存・運搬用と用途に合わせて使い分けられていました。
バラバラのかけらから土器を復元
出土された当時、バラバラのかけらだったものをパズルのように組み合わせて復元するという、途方もない作業を経て展示されている貴重な土器。
そのつなぎ目もじっくり観察してから、土器づくり体験をするとより楽しむことができそうです。
今でも使えそう…組み立て式の腰掛
組み立て式の腰掛は、同館のスタッフも特に貴重だと感じる出土品の一つだそう。
角度をつけた足でデザイン性が高く、今でもインテリアとして馴染みそうな精巧な作りに驚かされます!
弥生時代にも楽器があった!?
赤い塗装で神聖な雰囲気を醸し出す「琴」も特に貴重な出土品。
弥生人も楽器を演奏していたという事実、そして何のために、どのように使用されていたのか、見る者の想像力をかきたてます。
静岡県のドライブは レンタカーがおすすめ
思い出にミュージアムショップでお買い物
博物館のマスコット「トロベー」グッズが人気
金・土・日・祝日のみ営業のミュージアムショップでは、登呂遺跡や考古学に関連する様々なグッズを販売。
土偶・土器のガチャポンや、竪穴住居などの作成キット、博物館のマスコット「トロベー」グッズなどが人気ですよ。
一番人気の古代米アイス
ショップでは古代米アイスなるものも販売されており、シャーベットのような舌触りで程よい甘さが特徴。どこか懐かしさを感じる味わいです。
中に入っている古代米のプチっとした食感がクセになります。一番人気のようなので、ぜひ一度食べてみてくださいね。
富士山が一望できる屋上テラス
館内を満喫したら、同館スタッフの一押しスポットでもある屋上テラスへ!
登呂遺跡の全景を一望できるのはもちろん、晴れた日には富士山もよく見え、絶好の映えスポットとなっています。
弥生時代の風景を想像しながら登呂遺跡を散歩
集落・水田を復元した非日常な風景
同じ敷地内の登呂遺跡を実際に歩いてみると、博物館で学んだ歴史をよりリアルに感じることができます。
当時の集落や水田を復元した、現代の私達にとっては非日常な風景の中で、弥生時代に思いを馳せてみましょう。
住居内は誰でも見学可能
博物館と同じく、住居内は実際に入って見学することが可能。
思ったよりも高い天井や、食材を燻製にして保存するための棚、かまどなど、快適に過ごせるよう工夫された空間をじっくりと見てみてくださいね。
現地発信!おすすめホテル・旅館は こちら
現在も研究・進化を続ける登呂博物館
「登呂遺跡の保存と後世への継承」を使命とし、現在も様々な研究を続けている登呂博物館。
復元水田では同館の学芸員が大学の研究室と協力し、弥生時代の米作りを再現する実験を進めているそうで、今後の新たな発表にも注目です!
静岡県立登呂博物館へのアクセス
- 【住所】
静岡県静岡市駿河区登呂5丁目10−5
【料金】一般:300円 高校生・大学生:200円 小学生・中学生:50円
【開館時間】9:00〜16:30
【休館日】月曜日、祝日の翌日、年末年始
【駐車場】あり
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、体験の情報は公式サイトをご確認ください。