「ひつじ工芸舎」の木工作品&手作り体験が、オンリーワンの沖縄土産に。
八重瀬町|【更新日】2025年2月9日

旅先で、その土地ならではの工芸品との出会いを楽しみにしている方も少なくないのでは?
そんなクラフト好きの方に知っておいてほしいのが、茶目っ気たっぷりな木工作品を生み出す「ひつじ工芸舎」。
「用途不明…だけど無性に欲しくなる⁉」という、なんとも不思議な魅力に満ちた木工雑貨を、ちょっとのぞいてみませんか?
手作りのお土産も製作することができますよ。
目次
作業場と店舗が併設されたシェア工房へ
宝探し気分で、ゆっくり楽しみたいクラフトショップ
ノスタルジックな雰囲気に引き寄せられる外観
今回の目的地は、沖縄本島の南に位置し、緑豊かな景観が広がる八重瀬町世名城(やえせちょう・よなぐすく)。
「ひつじ工芸舎」の作品は、複数の作家たちが在籍する「WOOD CRAFT Sunny(サニー)」内でお待ちかねです。
ほのかな木の香りに包まれたギャラリー
一歩足を踏み入れれば、沖縄県産木を使ってつくられた家具やオブジェ、おもちゃ、アクセサリーなど、個性豊かな作品がずらり。
きっと、時間を忘れて見入ってしまうはずですよ。
「ひつじ工芸舎」の楽しげな顔ぶれをご紹介
店内の一角に、ひときわユルい作品を発見!
こじんまりと漂うメルヘンな世界観に釘付け♡
「ひつじ工芸舎」の木製サインを囲むように、かじられた林檎や、のほほん顔の羊さんなどが並んでおり、誕生背景が気になるものばかりです!
看板娘のハナちゃんとともに迎えてくれた永尾さん
これらの生みの親が、木工作家の永尾陽祐(ながお ようすけ)さん。
沖縄県産の木や石塑粘土(せきそねんど)を使って、クスッと笑みがこぼれるような楽しい作品を創り出しています。
手に取ると、木と手仕事のぬくもりが伝わります
よくお土産に選ばれているのは、そこにあるとちょっと心が跳ねるような、可愛らしい小物たち。
そっと触れてみたり、じぃっと見つめたりしているだけで、日常に癒しをもたらしてくれることでしょう。
こんがり焼き上がった?オカシなお菓子たち♡
ウチナーンチュに親しまれるお菓子が小物に♪
…とここで、誰かが忘れていったのか、美味しそうなおやつを見つけました。
こっそり「いただきま〜す♪」と手に取ってみると……あれれ?食べられない!?
そう。実はこちら、樹種によって異なる色味や木目を活かしてお菓子に擬態したシリーズなのです。
沖縄風ドーナツとして県外でも知名度の高い「サーターアンダギー」には、県産のウラジロエノキ(常緑高木)を使用。
ダジャレネーミングもお見事な「バウムクェヘン」は、琉球松(沖縄県の県木)の不均一な木目により手作り感がうまく表現されていますよ。
裏にマグネットが付いたタイプは、普段の生活でも活躍してくれる優れモノです。
キーホルダーやブローチになった「ちんすこう」は、センダン(落葉高木)の素朴な色味が驚くほど本物そっくり!
永尾さんは実際に、空の包み紙に木製菓子をそっと紛れ込ませて、工房仲間へのお茶請けに出して驚かせたこともあったそうですよ。
いたずらっ子ですね〜♪
童心にかえって遊びたい!躍動感いっぱいの玩具
沖縄伝統芸能を舞う人形は、つぶらな瞳がキュート!
「エイサー人形」は、キイを叩くたびにぴょんぴょん跳ね踊る姿がたまらなく可愛いかったです。
お孫さんや子育て中の友人へのお土産に選んでみては?
我が家のアイドルをモデルにしたグッズもオーダー可能
撮影中にモデルのハナちゃん登場♪
愛しのペットをモデルにした「ごはん皿」をはじめ、壁掛けプレートやフォトフレーム、時計などのオリジナルグッズの注文も受け付けています。
これは、愛犬家にはたまらないですね。
「木の枝ボールペン作り」体験にチャレンジ!
木が持つ魅力にじっくり触れてみよう
天気がいい日にはお庭が体験スペースになることも
せっかくなら、当日持ち帰りOKのオリジナルのボールペン作りの体験もいかがでしょう?
製作にかかる所要時間は約20分、6歳〜年齢上限なしで体験可能です。
手先が器用なシニア世代の先輩方は、ここぞとばかりに幼少時代に培った手腕を発揮するのだとか!
三世代で体験するとおしゃべりも一層弾みそうですね♪
材料の中には、工房敷地内に実際に生えている木も
まずは、素材選びからスタート!
へんてこな形に曲がったものや、凛とまっすぐのびた枝…。
それぞれに個性があって、どれにしようか迷っちゃいます。
丁寧なレクチャーがあるので、初心者や子どもにも安心
枝には予め専用ドリルで芯を差し込む穴が開けられているので、その先端を細くしていきます。
作業自体はシンプルなので、誰でも気軽に参加できますよ。
子ども用のカッターを使い、夢中で削っていきます
この日私がチョイスしたのは、黄色の花を咲かせる「ユウナ(オオハマボウ)」と、県内各地で見かける「ギンネム」。
「ユウナ」は柔らかくて削りやすく、小さい子にもおすすめ。
生命力の強い「ギンネム」は、見かけ通りに頑丈で削りがいがあります!
自分だけの作品の出来栄えに、思わず自画自賛!
最後に、名前やメッセージなどを焼き入れて完成!
芯は自分で交換可能なので、長く大切に使い続けていくことができます。
ひと味違った旅の思い出ができて、大満足間違いなしですよ。
ちょっぴりシャイなつくり手もチャーミング♪
特に木工旋盤と糸ノコが得意
特別に工房内での作業を少しだけ再現してもらいました
沖縄に移住して15年以上の永尾さん。
2010年に入校した沖縄県工芸技術支援センター(現・沖縄県工芸振興センター)での木工研修を修了した翌年に、県内で開催された木の創作おもちゃコンペでいきなりグランプリを受賞!
さらに続けて、長い歴史を持つ「丹波の森ウッドクラフト展」でも、グランプリを獲得したという、驚きの経歴の持ち主です。
工房の原点ともいえる2つの作品
海の動物が元気よく飛び出す「Hopping Popping(ホッピンポッピン)」(写真中央、2011年出品)、左右のキイを叩くタイミングによって2人の天使がキスをしたり、真ん中のキイを使っておじゃま虫を出現させて遊べる「空(くう)チュウ」(写真左、2012年出品)の両作品は、店内でも見ることができますよ。
取材を受ける永尾さんのポッケには、熊さんがちらり
インタビュー中には、鮭をくわえたクマさんを手にしながら、「よく民家の玄関先に飾ってある木彫りの熊も、こうやってカバンやポケットに入るサイズにすれば、どこへでも連れていけるし可愛いじゃないですか?」と、にっこり。
「たまにお客さまに『これって何に使うの?』って聞かれて困っちゃうこともあるんですけど(笑)。僕としては『役に立たない変なもの』や『くだらないもの』を作りたいんですよねぇ」と、穏やかな表情で話してくれました。
おまけに、隠れんぼゲームまで満喫!
実はすでに出会っているかも⁉︎リアルな虫の模型
石塑粘土のほか、犬の毛や針金などを使って精巧に製作
さて、みなさんは那覇空港内の「検疫カウンター」に、巨大な害虫模型があるのをご存知でしょうか?
実は、この模型も永尾さんが手がけた作品のひとつなんですよ。
こうした展示があるからこそ、植物病害虫侵入防止の周知につながるのですね。
ここに来れば、忘れていた遊び心が呼び覚まされるはず
取材の最後には、虫さんたちを使って永尾さんと一緒にひと遊び♪
写真の中に3匹(ミカンコミバエ、アリモドキゾウムシ、アフリカマイマイ)が隠れているので、探してみてくださいね。
見て・触れて・遊んで・癒される。沖縄の木の魅力を味わおう
現在は注文製作のほかに、玩具や小物をメインとした作品づくりに邁進している「ひつじ工芸舎」。
永尾さんの少年のような想像力と大らかな人柄に、私もどんどん親近感が湧いてしまいましたよ♪
「ひつじ工芸舎」のアイテムは、豊見城市(とみぐすくし)にある「おきなわ工芸の杜」、「イーアス沖縄豊崎 2階 クラフトフェア沖縄」「豊見城市観光プラザ てぃぐま館」にも並んでいるそうなので、こちらもチェックしてみてくださいね♪
「ひつじ工芸舎」の基本情報
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【住所】沖縄県島尻郡八重瀬町世名城1569-2 「WOOD CRAFT Sunny」内
【問い合わせ(電話番号)】090-4299-9367
【営業時間】土・日・祝の10時~18時(月〜金は不定休)
※作家が不在の場合がありますので、ご来店の前にお電話・DMにてご確認ください。【駐車場】約8台
【備考】カード利用可
【工房公式SNS】https://www.instagram.com/studio_sheep.okinawa/
【ショップ公式SNS】https://www.instagram.com/sunny_woodcraft.okinawa/
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