豊かな自然に抱かれて。札幌の歴史を刻む円山公園に行ってみよう
札幌市|【更新日】2025年3月17日

札幌都心からアクセスしやすく、緑豊かで広々とした敷地を有する「円山公園」。
開拓時代からの歴史があり、園内にはその面影を残すモニュメントなど見どころがたくさんあります。
時の移ろいを感じながら、木々の間を深呼吸しながら歩いてみませんか。
目次
大通駅から地下鉄約15分。自然と文化が融合した公園
北海道神宮や円山動物園も。全部楽しむなら1日がかり
いろいろな施設が点在する円山公園
円山公園の敷地は約70ヘクタールと広大で、動物園、総合グラウンド、野球場などさまざまな楽しみどころがあります。北海道神宮とも隣接しており、すべてを楽しもうとするとまさに1日がかり。
今回ご紹介するのは、入園料のかからない公園エリアです。地下鉄大通駅から地下鉄円山公園駅まで約5分、さらに最寄りの公園入り口まで徒歩約7分で行くことができます。
開拓時代からの歴史あり。札幌の街の始まりの場所
公園の景色に溶け込むように点在する開拓の証
1869年(明治2年)、北海道開拓の命を受けた蝦夷開拓使判官・島義勇は円山近くの小高い丘に登り、札幌を昔の平安の都になぞらえた碁盤の目状にする街づくりを計画。
同時に円山地区を札幌神社(北海道神宮)の社地と定めて、札幌開拓が始まりました。
円山公園は試験林のための養樹園を経て1903年(明治36年)より公園予定地となり、徐々に現在のような総合レクリエーション施設となったのです。
円山公園と北海道神宮は隣接しており、境内には島義勇像もあるので歴史に思いを馳せに訪ねてみるのもまた一興ではないでしょうか。
子どもの遊具や大人も活発に過ごせる自由広場も
大人から子どもまで、のびのびと過ごせる円山公園
公園の中はどこも背の高い木々が生い茂り、春は桜があちこちに咲いて公園自体が花見の名所となります。 ただ歩くだけでも気持ちのいい公園ですが、園内の施設も充実。
カラフルな遊具や多目的にスポーツやイベントを楽しめる自由広場(有料)をはじめ、令和5年にリニューアルされた遊水路は、子どもたちの水遊び場として人気です。
上の池・下の池では水鳥が遊び、池の前のベンチで読書する人もよく見かけます。
知的好奇心を満たしてくれるパークセンター
円山公園駅から近い公園入り口からすぐ
地下鉄3番出口から徒歩約7分の公園入り口を入ってすぐ左手に、パークセンターがあります。
館内には売店、休憩スペース、自動販売機、コインロッカーが備えられ、さまざまな用途で利用することができます。
売店には雨具や日用品の他に、札幌のアーティストのクラフト作品や絵葉書がずらり。
また、休憩スペースには公園の自然や歴史に関する書籍が並ぶ本棚があり、散歩途中に見かけた花や鳥のことを知りたくなったら、ぜひパークセンターを訪れてみてください。
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札幌の歴史が見えてくる!モニュメント巡り
ワグナー・ナンドール「母子像・ふるさと」がお出迎え
母子像の前でみんな思い思いの時間を過ごす
円山公園内には、実は石碑やモニュメントなどが数多く設置されています。
見つけやすいのは、ワグナー・ナンドール作「母子像・ふるさと」。北一条通りにあるスターバックスコーヒー 札幌円山店の向かい側の公園入口にあります。
晩年に日本に帰化したハンガリー出身の彫刻家の作品で、平和を願う思いが込められているそう。曲線の美が風景に溶け込んでいる作品です。
岩村通俊像から見えてくる北海道開拓の歴史
岩村通俊とは?なぜこの場所?と紐解くと面白い歴史が
北海道開拓といえば島義勇の名がよく挙げられますが、岩村通俊は島の後任で島の構想よりも未来を見通した雄大な街割りを構想し、開拓に尽力。初代北海道庁長官として奮闘した人物です。
しかし、時の宰相・黒田清隆と衝突した岩村は閑職に追いやられ、歴史からも存在感が失われてしまいます。 元々、岩村像は大通公園にありましたが再建される際、自ら命名した円山公園に設置が決まりました。
北一条通を北海道神宮に向かう際、後ろ姿を見せている銅像が岩村通俊像です。 岩村の辿った運命のようにひっそりと佇むその像には、北海道の歴史がしっかりと刻まれています。
円山公園には他にも北海道の歴史や文化、開拓に尽力した人々のモニュメントがあるので、碑文を読みながら北の歴史に思いを馳せてみてください。
木道を歩いて森林浴。札幌では珍しい樹木に注目!
まっすぐ進めば円山動物園へ。山の麓で深呼吸
直立した杉が続き、歩くほどに清々しい林道
パークセンターから南に進むと道路が現れ、その向こう側が円山原生林エリアです。 坂下野球場を横目に坂を登っていくと、円山動物園に続く木道入口にたどり着きます。
木道の両脇には見事な杉並木!
かつて円山公園は、試験的に様々な木が植えられた木の試験場でした。北海道とは思えないほどのこの杉並木は1890年(明治23年)に植えられた名残りで、130年以上経っているそう。
円山動物園までは20分もかからないくらいの道のりですが、深い森の中にいるような気分になれますよ。
円山への登山口はこちら。札幌を見下ろす景色は最高!
登山道には観音像が並び迫力たっぷり!
木道の手前には円山登山道の入り口があります。円山は標高225メートルと子どもでも登ることができる山で、頂上までは40分〜1時間ほど。
頂上からは札幌市街が見下せ、手軽な登山としておすすめです。
札幌に歴史あり。公園を散歩しながら文化を知ろう
春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と札幌都心と隣接しながらも自然の豊かさを教えてくれる円山公園。
そこは、北海道開拓の歴史を感じられる場所でもありました。 パークセンターでは季節ごとのイベントも企画されているので、訪れる前にぜひチェックしてみてください。
円山公園へのアクセス
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【住所】北海道札幌市中央区宮ヶ丘3
【アクセス】地下鉄東西線 『円山公園駅』下車 3番出口徒歩5分
【電話】 011-621-0453/円山公園パークセンター
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】年中無休 *パークセンターは年末年始休館
【駐車場】なし(近隣に有料駐車場有り)
【公式サイト】https://maruyamapark.jp/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。