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鎌倉五山「浄妙寺」和と洋の文化が息づく名刹で心満ちるひとときを

神奈川県|【更新日】2024年12月28日

鎌倉五山「浄妙寺」和と洋の文化が息づく名刹で心満ちるひとときを

名刹の多い鎌倉のなかでも、鎌倉五山の第五位に数えられる浄妙寺は個性的なお寺です。

境内では臨済宗のお寺として丁寧に清められた枯山水の庭園を眺められるだけでなく、抹茶をいただける広い茶室や、なんと紅茶とスコーンが味わえる洋館も。

和だけでなく、洋の詫び寂びも感じられる浄妙寺をぜひ訪れてみませんか。

目次

ゆるやかに流れるような本堂の屋根が風格ある名刹・浄妙寺

鎌倉五山・第五位のお寺ならではの心落ち着く風景

浄妙寺 山門

石段をあがる重厚感のある山門が迎えてくれる

浄妙寺は鎌倉駅から見て東側、竹林で有名な報国寺に近いエリアにあるお寺です。

1188年に足利義兼が密教系のお寺「極楽寺」として創建し、のちに臨済宗建長寺派のお寺となりました。中興開基は足利尊氏の父・貞氏で、境内にはお墓があります。

現在は総門、本堂、客殿、庫裡などがあり、国指定史跡に指定される境内は心が静まる風景が広がっています。

境内のなかには茶室や洋館のレストラン、イングリッシュガーデンがあり、和と洋の文化を一度に楽しめる珍しいお寺です。

必見!思わず見とれてしまう優美な本堂の屋根

浄妙寺 本堂

迫力のある大きな起り屋根は、日本伝統の形状なのだそう

山門で拝観料を収め道を進むと、正面に見えてくるのが浄妙寺の本堂です。どっしりと大きな屋根は下からわずかに膨らむような勾配がついています。

これは起り(むくり)屋根と呼ばれる建築技法で、銅板のくすんだ緑色と相まって風格のある堂宇の雰囲気に圧倒されます。

素朴さを感じる曲線でありながら、同時に優美さも感じられ、見応えがあります。

参道の左右には枯山水の庭が広がる静かな空間

浄妙寺 参道

味わいのある枝ぶりの梅。春が待ち遠しい!

参道の左右には枯山水様式の庭園が続いています。白い砂利を敷かれた庭には梅が多く植えられています。

早春の頃には梅の花が多くの人の目を楽しませる梅の名所です。編集部が訪れた11月には葉も花もない裸木。

寒風に枝を伸ばし春を待つ姿に自然の力強さと侘びた美しさを楽しめました。

敷地内の「喜泉庵」はお抹茶をいただける広い茶室

喜泉庵 茶室

本堂に向かって左側には喜泉庵という茶室があります。かつては、僧が一堂に集まりお茶を飲む同名の茶室があり、それを平成3年に復興したのだそう。

広いお座敷の縁側からは枯山水庭園が一望できます。

薄くさらっとしたお抹茶は誰でも飲みやすい

浄妙寺 お抹茶

テーブル席もある広い茶室はとても開放的

茶室でお抹茶を飲むというと、正座で少し硬いイメージを持つ人も多いかもしれませんが、喜泉庵はテーブル席もあり、気軽にお抹茶を楽しむことができます。

お抹茶は薄茶で、さらっとしており苦みも強くありません。干菓子のセットと生菓子のセットが選べます。

坂の上にあるカフェ&レストラン「石窯ガーデンテラス」

境内に建つ洋館の目の前に広がるイングリッシュガーデン

浄妙寺 イングリッシュガーデン

テラス席は日向でぽかぽか。鎌倉の山から吹く風が心地いい

本堂の左手、木立の間の道を通り抜け、坂道を登りきると白壁に煉瓦屋根の洋館が現れます。驚いたことに、ここも浄妙寺境内の一部。

明治時代、神仏分離令で廃寺になった跡地に、貴族院議員の犬塚勝太郎氏の自宅として建てられた洋館だそうです。

現在は、石窯ガーデンテラスというカフェ&レストランになっており、ランチやカフェメニューが楽しめます。レストランの前に広がるのはイングリッシュガーデン。草花をより自然な状態で楽しむスタイルが特徴です。

禅宗の枯山水の精神と少し似ているかもしれませんね。

眺望のよいテラスで焼きたてのスコーンを楽しめる

浄妙寺 スコーン

鎌倉の景色を眺めながらゆったりとティータイムを楽しめる

石窯ガーデンテラスの名物のひとつ、英国式のアフタヌーンティー。気軽に楽しめるスコーンと紅茶のセットもあります。

テラス席では、イングリッシュガーデンとその向こうに広がる鎌倉の山々を楽しみながら、ゆっくりティータイムを味わうことができますよ。

侘び寂びの趣を感じられる浄妙寺に出かけよう

広い境内のなかで、四季の草花を楽しんだり、自然と共にお抹茶や紅茶を楽しめる浄妙寺。

禅の教えのなかには「喫茶去」という「お茶でも飲んできなさい」という教えがあります。誰にでも分け隔てなく、お茶を振舞うという禅の精神を説いたものだそう。

鎌倉に来たら、ぜひお参りしてみたいお寺ですね。

浄妙寺へのアクセス

  • 【住所】 神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-50

    【営業時間】
    ・浄妙寺 開門9:00~閉門16:30
    ・喜泉庵 夏 10時~16時半 閉庵/冬 10時~16時 閉庵
    ・石窯ガーデンテラス 10:00~17:00(食事 LO 15:00、喫茶 LO 16:00)※季節により変更あり

    【定休日】
    ・浄妙寺・喜泉庵/定休日なし
    ・石窯ガーデンテラス/月曜日(祝祭日の場合は翌日に振替)年末年始休業あり

    【料金】浄妙寺拝観料 100円

    【アクセス】JR鎌倉駅 東口下車 京急バス4番線口乗車 「浄明寺」下車 徒歩2分

    【駐車場】あり

    【公式サイト】
    https://www.trip-kamakura.com/place/japanheritage/183.html

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

ライタープロフィール

餅田佑子

餅田佑子

大学卒業後はモンゴルで1年暮らした経歴あり。現在はフリーライター。たびらいでは三浦半島を中心とした記事を執筆しています。青ヶ島、礼文島など島旅が好き。ご当地ようかん図鑑を作るのが夢。