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「ヤマハ掛川工場」でグランドピアノ製造を見学!日本が誇る技術を見に行こう

掛川市|【更新日】2024年2月27日

「ヤマハ掛川工場」でグランドピアノ製造を見学!日本が誇る技術を見に行こう

世界中で愛され続けているヤマハのピアノ。ヤマハはピアノづくりを手がけて一世紀余り、今もその本質を追求しつづけています。

静岡県掛川市にある「ヤマハ掛川工場」では、グランドピアノの製造工程を見学できます。

ピアノ経験者はもちろん、あまり詳しくない方でも驚きと発見の連続となる工場見学!実際に参加して見どころをご紹介します。

目次

世界中で愛されているヤマハのピアノ

ヤマハの歴史はオルガン修理から始まった

ヤマハオルガン

1887年、浜松市の小学校にあった輸入オルガンが壊れてしまったことがヤマハの創業のきっかけとなりました。

当時、医療機器の技師であり、手先が器用だった山葉寅楠氏がその修理を担当しました。

オルガンの修理を成功させ、ビジネスとしての可能性を確信した寅楠氏は、1897年に現在の「ヤマハ(株)」の前身である「日本楽器製造(株)」を創立しました。

現在は総合楽器メーカーとして高品質な製品を製造

ヤマハ2

その後、寅楠氏はピアノ国産化の可能性探求のため渡米し、1900年にアップライトピアノ、1902年にグランドピアノをつくり始めました。

現在では総合楽器メーカーとして、高品質な製品をつくり続けています。

繊細な感性と高い技術力から生まれるピアノ

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ピアノを取り巻く環境は常に変化しています。ヤマハでは、先進性、高い感性と匠による世界最高峰の楽器づくりを目指しています。

これまで、場所と時間を気にせずヘッドフォンで音が聴けるサイレントピアノ、アコースティックの響きを感じながら音量調節ができるトランスアコースティックピアノ、自動演奏・録音・再生ができるディスクラビアなどを開発してきました。

アコースティックピアノそのものも、理想を追い求めた開発により、進化を続けています。

ヤマハピアノが生まれる「ヤマハ掛川工場」

グランドピアノがつくられる工場を見学しよう!

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「ヤマハ掛川工場」では、グランドピアノの製造工程(最終組立工程)を見学できます。

スタッフによる説明を受けながらピアノができるまでを学ぶことができ、とても貴重な経験となります。

大人気!「ヤマハ掛川工場」見学の概要

ヤマハ5

見学は無料、所要時間は90分(午前の部(10:00〜11:30)、または午後の部(13:30〜15:00))です。

土日祝日など、工場が稼働していない日は見学を受け付けておりませんので、公式サイトもしくはX(旧Twitter)にて、見学可能日および予約状況をご確認ください。

見学には事前に電話での予約が必要で、希望日の2ヶ月前同日、9:30より受け付けています。

年齢制限はありませんが、工場内での安全確保のため、大人1名につき未就学児は1名までです。

夏休み時期などは予約が殺到するそうなので、ご希望の方はお早めのご予約をおすすめします。

実際に潜入!工場見学の必見ポイント3選をご紹介

グランドピアノの最終組立工程を行う工場内に潜入!

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ヤマハのグランドピアノは、1台あたり約8000点もの部品から作られています。

部品の80%以上は木材などの天然素材であり、気温や湿度の変化に対する調整も必要です。

それぞれの工程にいる職人の熟練の技と感性で、ヤマハピアノはつくられています。

初めて見る光景に全て食い入るように見てしまったのですが、その中でも特に印象的だった工程を3つご紹介します。

弦の張力は約20トンにも及ぶ「張弦」

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約230本の弦を一本ずつフレームに張っていく作業です。ミュージックワイヤーと言われるピアノ弦には、質が高く、非常に厳格な精度でつくられた鋼鉄線が使われています。

ピアノ1台に掛かる弦の張力の合計は約20トンにもなるそうです。

「整調」・「調律」・「整音」

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(整調の様子)

20トンもの力がかかるミュージックワイヤーの張力のバランスを整えながら音階をつくる作業が「調律」です。

組立工程の中では合計4回調律を行います。1回目と2回目の調律は熟練技術者のノウハウをプログラムしたヤマハ独自の自動調律機で、3回目と4回目は人の耳でハーモニーを聞きながら、調律を行います。

整調(弦を打つ仕組みが正しく動くようにする作業)・調律・整音(弦を打って音を出す「ハンマー」表面の羊毛の形や硬さを調整し、豊かな音色を作ること)。全体のバランスが大切なのがよくわかりました。

鍵盤が一斉に音を奏でる「自動打弦機」

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鍵盤を自動で押す機械を使ってアクションやハンマーと弦を馴染ませる作業です。全行程の中で3回行い、うち1回は鍵盤アクション単体で、2回はこちらの写真のように実際に弦を打つそうです。

組み立てたパーツが合わさり、音が出る瞬間。鍵盤が一斉に音を奏でる圧巻の光景でした。

ベテラン技術者の耳と手を頼りに最上級のピアノが完成

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(音色を整える「整音」の様子)

ピアノづくりでは、高性能のロボットも用いながら、熟練の技術者の繊細な感性をいかしたものづくりが行われていることが印象的でした。

一台のピアノが完成するまでは、たくさんの方の手と時間がかかっているんですね。ピアノってすごい!

見学後も楽しみがいっぱい!美しい音と触れられる

見学参加者限定のお土産をゲットしよう

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見学参加者は、ピアノ部品「ハンマー」をキーホルダーにしたものをお土産でもらえます。

ピアノ工場を見てきたからこそわかる部品の重み。記念の品となるはずです。

貴重な一台も!楽器に触れて音を奏でてみよう

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工場見学の玄関口となるショールーム「ハーモニープラザ」では、ファンにはたまらない小室哲哉スペシャル「EXPO PIANO」なども展示されていました。

ピアノ以外の楽器(ギター、電子ドラム、サイレントバイオリンなど)を試奏することもできますよ。

また、ハーモニープラザでは予約制の「プレミアム試弾サービス」もあり、掛川工場で作られたグランドピアノ複数台を、実際に弾き比べることもできるそうです(1組20分、ピアノ経験者限定)。

一台のピアノがつくられるまでの工程をたどってみよう

心に響く音楽を届けるために、一様ではないピアノの表情を引き出す職人たちの技術と、最新のテクノロジーの融合する場所に立ち会える貴重な経験となりました。

ピアノ経験者でなくても十分楽しめる内容です。世界に誇る日本の技術を見学しに行ってみてくださいね。

ヤマハ掛川工場へのアクセス

  • 【住所】静岡県掛川市領家1480

    【見学時間】午前の部 10:00~11:30/午後の部 13:30~15:00

    【定休日】土、日、祝日(基本)

    【駐車場】あり

    【公式サイト】https://www.yamaha.com/ja/about/locations/piano_factory_tour/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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ライタープロフィール

新井夏海

新井夏海

神奈川県横浜市出身。静岡県の大学に進学し海洋学を学ぶ。卒業後は地元で海系旅行誌を発刊する出版社の編集ライターを経験。“自然のそばで暮らしたい”という思いから静岡に戻りフリーライターへ。現地の魅力を取材・執筆しながら、趣味の旅行、マリンスポーツ、キャンプ、車中泊旅を楽しむ。