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菊川の老舗が営むカフェ「san grams」で、お茶の楽しみ方に出会う

菊川市|【更新日】2024年1月26日

菊川の老舗が営むカフェ「san grams」で、お茶の楽しみ方に出会う

静岡県は言わずと知れたお茶どころ。その中でも県西部にある菊川市は有数の茶産地です。今回は120年以上の歴史を持つ老舗、丸松製茶場が営むガーデンカフェ「san grams」をご紹介します。

目次

菊川駅から徒歩3分、おいしいお茶を楽しむ空間

菊川の老舗「丸松製茶場」が営むカフェ

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菊川市は日照時間が長く、日光をさんさんと浴びた茶葉は厚くしっかりと成長します。厚みのある茶葉でおいしいお茶を淹れるために生まれた技術が、深蒸し茶。

通常の製茶より長く蒸すことで、旨味、カテキンやテアニンがたくさん含まれたお茶を淹れることができます。菊川市の丸松製茶場が2015年にオープンしたカフェ「san grams」。菊川駅南口から徒歩3分の好立地にあります。

「san grams」とは?

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カフェの名前の「san grams」とは「3g」、一煎分のお茶に必要な茶葉の量です。

これは茶葉の良し悪しを見極める時に使う量でもあり、白い拝見茶碗に茶葉を入れ、熱湯を注いで品質を比べるそうです。

良いお茶は少し低めの温度で淹れますが、この時は熱湯を使うことで欠点が分かりやすくなる、と教えていただきました。

丸松製茶場の120年の歴史

「茶農家さんを楽にして、広くお茶を楽しんでほしい」

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丸松製茶場が創業した1899年、茶農家の作業は全て人の手で行われていました。

茶摘みの時期は限られていますので、作業の負担はとても大きく、なかなか生産量を増やすことができません。そのため、お茶は高級な嗜好品で、一般の人が気軽に飲めるものではありませんでした。

丸松製茶場は「茶農家の作業を楽にして、良い品質のお茶をたくさん作り、一般の人にも広く楽しんでほしい」との思いから、製茶機械の販売を開始します。

お茶を楽しむ日常を取り戻す

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製茶機械が普及することで茶農家の負担は軽減され、良質なお茶が安定して生産できるようになると、一般の人も家庭でお茶を楽しめるようになり、人々の暮らしに欠かせないものとなりました。

さらに時が過ぎ、急須がない家庭が増えている現在。もしかしたらお茶はペットボトルで飲むものと思っている方も多いのかもしれません。

お茶を楽しむ日常を取り戻すため、丸松製茶場は「san grams」をオープンしました。

菊川の深蒸し茶とスイーツセットを堪能

「これぞ菊川の深蒸し茶」生産者がわかるシングルの茶葉

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今回いただいたメニューは、菊川の深蒸し茶とスイーツのセット。「シングル」とは単一の生産家の茶葉。「ブレンド」とは複数の茶葉をブレンドしたものです。

シングルで菊川産のうち、「これぞ菊川の深蒸し茶」のフレーズに惹かれて八木克典さんが育てた茶葉にしました。

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淹れていただいた一煎目のお茶は、お茶の甘味と旨味をガツンと感じるコク深い味わいと豊かな香り。二煎目どころか、四煎目まで変化していく味を堪能することができました。

名前も見た目も可愛い「KYUsweets」

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スイーツは名前も見た目も可愛い「KYUsweets」を。左利き用の急須を容器として活かし、クリームチーズと抹茶がなめらかに口の中で混ざり合います。

カフェスペースは大きな窓に面していて、スクリーン越しの日差しを暖かく感じることができ、まるで縁側で日向ぼっこしているような心地良さでしたよ。

茶葉、茶器やスイーツが並ぶショップコーナー

丸松製茶場の茶葉、日本のお茶から世界のお茶まで

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店舗内にはショップコーナーがあり、丸松製茶場の茶葉はもちろんのこと、プロ目線で選ばれた茶器やオリジナルスイーツなどが並びます。

写真右側に見えているのはブレンド茶。ご家庭でごくごく飲みたい茎茶や焙じ茶から、ご進物にぴったりな高級煎茶まで、シーンに合わせて選ぶことができます。

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お茶の個性を味わってみたい方にはシングルの茶葉を。お茶の種類、生産家の屋号と名前、生産地域、味と地域の特徴が書かれていますので、お好みのものを選ぶことができます。

この他、和紅茶やフルーツティー、フレーバーティーなど、世界のお茶もありますよ。

本格的な茶器、珍しい「紙の急須」

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ご自宅に急須がない方は、この機会に茶葉と併せてお迎えしてはいかがでしょうか。お茶のプロが選ぶ急須なら安心です。おいしいお茶を淹れるためには欠かせない湯冷まし、砂時計もありますよ。

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珍しいのは「紙の急須と茶の葉」セット、手軽にお茶を淹れる体験ができるギフト商品です。

折り紙のように急須を折り、一煎分3gの茶葉でお茶を淹れることができます。パッケージにメッセージを書き込んでポストに投函できるのも嬉しい心遣い。

最近忙しそうなあの人に、ゆっくりとお茶を楽しむ時間をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

お茶に合わせておいしいオリジナルスイーツ

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お茶と一緒に楽しめるスイーツもありました。シャリシャリとした食感が楽しい琥珀羹「薄はり氷」や羊羹、チョコレートケーキや抹茶チョコレートケーキなど、お茶とセットでお土産にするのもおすすめですよ。

2024年秋、生まれ変わる「san grams」

「茶目ごと」と「茶ごと」、2つの楽しみ方

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実は2024年の秋頃にリニューアルする「san grams」。

お茶を手軽にテイクアウトして楽しむ「茶目ごと」と、お茶を通してゆったり自分と向き合う「茶ごと」。異なる2つの楽しみ方ができるように店舗を改装予定。

未来へつづく「新日常茶飯事」

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これからの時代やお茶を楽しみたい人のニーズに合わせ、お茶を日常の中で楽しむことを「新日常茶飯事」と呼ぶ。老舗の丸松製茶場は未来に向け、次々と新しいチャレンジを続けていきます。

古くて新しいお茶、変わらないものと変わっていくもの

「san grams」は2024年6月初旬から改装のため、秋頃までお休みします。

今の「san grams」でお茶の楽しみ方に触れ、生まれ変わった「san grams」で新たな楽しみ方を知って、その違いを感じてみるのはいかがでしょうか。

san gramsへのアクセス

  • 【住所】静岡県菊川市堀之内1-1

    【営業時間】10:00~17:00(ラストオーダー16:30)

    【定休日】火曜・水曜

    【駐車場】あり、無料

    【公式サイト】https://www.san-grams.jp

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。

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ライタープロフィール

芦馬 実

芦馬 実

静岡県浜松市出身。現在はフリーランスのライターとして静岡県の魅力を発信中。牛乳やヨーグルト、チーズが大好きで、旅先では地元産の乳製品を必ずチェックする。直売所と道の駅にはついつい寄ってしまう。