西伊豆のガラスの歴史と文化の発信基地「黄金崎クリスタルパーク」
西伊豆町|【更新日】2023年8月17日

黄金崎クリスタルパークは、ギャラリー・美術館・体験工房などからなるガラスのテーマパーク。
西伊豆のガラスの歴史や文化を知り、現代ガラス芸術を楽しみ、ガラス工芸作りを体験することができます。
黄金崎クリスタルパークで、さまざまな表情を見せるガラスの魅力に触れてみませんか?
目次
黄金崎の入り口にそびえるドーム
黄金色に輝く馬ロック
西伊豆町の人気観光スポット、黄金崎(こがねざき)。温泉水や地熱により黄褐色に染まった岩肌は、夕陽に照らされると黄金色に輝きます。
左を向いた馬の頭に見える「馬ロック」と駿河湾、右手奥に富士山まで見渡せる絶景スポット。黄金崎クリスタルパークは、この岬の入り口に立地します。
中央のドームがシンボルの建物
黄金崎クリスタルパークの広い駐車場に到着。真っ先に、中央の巨大な円筒形のドームが目に留まります。
中には一体何があるのでしょうか。とても気になります。
建築家の毛綱毅曠(もづなきこう)氏が設計した建物
こちらの印象的なドームを含め、黄金崎クリスタルパークは毛綱毅曠氏が設計しました。
毛綱氏は日本建築学会賞など国内外で数々の賞を受賞、特に出身地である釧路のシンボル的な建物を数多く手掛けた建築家。
早く建物の中に入ってみたくなります。
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西伊豆のガラスの歴史を知る
ガラスの原料ケイ石が採掘された日本唯一の場所
ギャラリーでは、西伊豆のガラスの歴史や文化について知ることができます。
ケイ石はガラスの主原料になる鉱石。
太古の昔、伊豆の火山は活発に噴火を繰り返していました。岩石が高温の熱水の作用を受けて、西伊豆に大規模なケイ石の鉱床が誕生。
日本国内に砂状のケイ砂を採掘できる場所はいくつかありますが、「石」として採掘できるのは西伊豆だけなんです。
ケイ石採掘の歴史
1933年、西伊豆町宇久須(当時は宇久須村)でケイ石の採掘場所が発見されました。
ケイ石から生産された板ガラス原料は宇久須港を拠点として全国に運ばれ、日本の戦後復興から高度成長期を支えました。
板ガラス原料の供給は1989年に終了し、ケイ石の採掘自体は2008年に終了しましたが、ケイ石を利用した建材などの原料生産は現在も続いています。
ガラス文化の里づくりは続く
ガラス原料の採掘は終わりましたが、町(旧賀茂村)は、ケイ石採掘会社の創立50周年を契機に、ガラス文化の里づくり事業をスタートさせました。
1996年にガラス作家が町内に移住し、工房を構えてガラス作品作りを開始します。
そして1997年に黄金崎クリスタルパークが誕生。西伊豆のガラス文化の情報発信を開始しました。
クリスタルパーク、西伊豆の3つのガラス工房は「西伊豆硝子舎」として活動。2022年からは宇久須神社に風鈴を展示する「風鈴神社」に取り組んでいます。
現代ガラスミュージアムでガラス芸術を楽しむ
ドームの中心に「クリスタル・ゴールド・フラワー」
気になっていたドーム内部には、現代ガラス芸術の常設展示がありました。
その中心でライトを浴びて輝くのは、チェコのガラス芸術家パヴェル・フラヴァの「クリスタル・ゴールド・フラワー」。
彼が日本の海で見た黄金色の光にインスピレーションを受け、制作した大きな作品です。
チェコのクリスタルガラスと日本の金箔が使われ、チェコ人と日本人の友情をあらわしているとのこと。3方の壁に映るシルエットも印象的です。
企画展示「ガラスの板が織り成す表現さまざま」展
こちらは企画展示室。取材当日は「ガラスの板が織り成す表現さまざま」展が開催されていました。
板状のガラスを重ねたり、形を変えたり、様々な手法の作品が並びます。
寒天やゼリーのように見える作品もあり、「ちょっと口に入れたくなる」との学芸員さんのコメントにとても共感。
なお、こちらの企画展の会期は2023年12月5日まで。別の展示室では、ラリックやドーム兄弟のガラス作品を見ることもできました。
見てさわって万華鏡の世界を楽しもう
展示室のガラス芸術作品には手を触れることはできませんが、こちらの万華鏡ルームでは万華鏡にさわりながら見ることができます。
各国の万華鏡作家の作品や、クリスタルパークの工房スタッフが作ったおもしろ万華鏡、鏡の不思議を体験できる「ミラクル・クリスタルワールド」、電気の不思議を体験できる装置なども楽しめます。
当日来館していた子供たちも、万華鏡を覗いて美しく変化する色や形に夢中になっていました。
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誰でも参加できるガラス文化の里づくり
かも風鈴やキャンドルホルダーをデザインしてみよう
西伊豆のガラス文化のシンボル「かも風鈴」。
ギャラリーには「かも風鈴&キャンドルホルダーデザインコンテスト」の昨年度入賞作品が展示されていました。
デザイン画を描いて応募、入賞すると町内の3つのガラス工房がガラス作品にしてくれます。作品はコンテスト翌年の展示終了後、デザインした方に贈られるとのこと。
応募用紙をダウンロードして郵送で応募することも可能。オンリーワンの風鈴が欲しい方、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
体験工房でガラス工芸にチャレンジ
体験工房ではサンドブラスト、ステンドグラスなどのガラス工芸作りを気軽に楽しめます。
初めての方も工房スタッフが教えてくれるので大丈夫!小さな子供たちも体験できるものもありますよ。
写真はジェルキャンドル。ガラスの器に好きなカラーサンドとガラス小物を入れて、ジェルを注ぐと涼しげなキャンドルに。
受付終了時間や対象年齢は作るものによって違いますので、公式HPなどでご確認くださいね。
カラフルなガラス製品のショッピングも楽しめる
広いショッピングゾーンにはカラフルなガラス製品が並びます。
西伊豆で活動するガラス作家の作品や、海の生き物をモチーフにした小物、アクセサリー、食器など。
お土産としても喜こばれそうです。
カフェで一休みしながらガラス芸術に親しむ
カフェではジェラートや牛乳プリンなどのスイーツ、カレーパンなどの軽食、ドリンクに夏季限定のかき氷を楽しめます。
一休みしながら、ガラス芸術に関する本を読むこともできますよ。
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黄金崎クリスタルパークでガラスの魅力を発見
黄金崎クリスタルパークでは、西伊豆にガラス文化が息づく背景を学び、芸術を楽しみ、工芸作りにチャレンジすることができます。
ここを訪れて、ガラスの魅力を発見してみませんか?
黄金崎クリスタルパークへのアクセス
- 【営業時間】
9:00〜17:00(ミュージアム入館〜16:30)
【住所】静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須2204-3
【ミュージアム料金】大人(高校生以上):800円
小人(小・中学生):400円
シニア(65歳以上):700円
幼児:無料
※ミュージアム以外は無料
【駐車場】無料(普通車160台、バス10台)
【公式サイト】https://ikoyo-nishiizu.jp/crystal/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。