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自分だけの特別な作品作り!静岡の「人宿藍染工房」で藍染体験をしよう

静岡市|【更新日】2023年8月2日

自分だけの特別な作品作り!静岡の「人宿藍染工房」で藍染体験をしよう

JR静岡駅から徒歩20分の人宿町(ひとやどちょう)という街にある「人宿藍染工房」。

古くから日本の伝統的な産業として親しまれてきた藍染の体験ができます。

今回は実際に藍染体験をしてきたのですが、“藍色”とひとえにいってもその自然の色合いは、日々の状態や染め重ねで変わっていく奥深い色であることがわかりました。

目次

静岡駅周辺の「人宿藍染工房」で藍染体験ができる!

日本で昔から親しまれてきた藍染とは?

人宿藍染工房1改

藍染とは植物染料「藍」を用いた染色技法です。

藍の色は「ジャパンブルー」とも呼ばれます。

明治初頭、来日した英国人のアトキンソンが、江戸の町で着られている着物などが藍色に彩られている様子を「ジャパン・ブルー」と表現したのが由来ともいわれています。

「人宿藍染工房」の藍染は自然由来の天然灰汁発酵建て

人宿藍染工房2

「人宿藍染体験工房」の藍染は、天然灰汁発酵建てという昔から伝わる製法で染液を作っています。

染液はまるで生き物のようで、同じ状態のものには二度と出会えません。季節によりますが、染液の完成には1週間から10日ほどかかるそう。

発酵を維持するために、匂いや液面の様子を毎日チェックします。その日の状態により、出せる藍色の濃度も変化するそうです。

こだわりの天然灰汁発酵建ては、いいことたくさん!

人宿藍染体験3

天然灰汁発酵建ての特徴は大きく分けて3つあります。

①発酵の力を借りて作る染液なので、薬品を使う方法に比べて手荒れしにくいです。

②藍の色持ちがよく、自然な退色も味があり、経年変化が楽しめます。

③色が染まらなくなった染液の藍は、畑で堆肥にするなど地球に還すことができます。

完成するまでわからないからおもしろい!藍染を体験

「人宿藍染工房」で体験できるメニュー

人宿藍染工房4

「人宿藍染工房」の藍染体験は手ぶらで参加可能。空きがあれば当日の受付もでき、一度で最大で8名ほどが体験できます。

藍染できるものは、ハンカチ、てぬぐい、トートバッグ、ストールなど。今回はハンカチを藍染しました!

染液に触れたところにだけ青い色が付く!

人宿藍染工房5

藍染は、染液が布に触れた部分にのみ色が入ります。

その特徴を利用すると、使用する道具によってグラデーションや、絞り、ドット、丸、四角といった模様をつけることができます。

今回は2つの染め方を組み合わせて挑戦!

人宿藍染工房6

まずは完成形をイメージしながらつける模様を考えます。今回はグラデーションと絞りの技法で模様をつけてみることにしました!

グラデーションは布の白い色を残したい箇所をビニール袋で覆い、だんだんと色が変化していく箇所には結び目を作ります。

絞りは布をくしゃっとしながら輪ゴムでくくります。割り箸の周りに布を巻きつけ、輪ゴムで2箇所くくりました。

布を染液に入れたらゆっくり引き出す

人宿藍染工房7

布の準備ができたら全体を濡らしてから染液に浸していきます。今回はグラデーションのため、布の先端にかけて藍色が濃くなるようにします。

染液に布を全て浸したら、1分かけてゆっくりと引き出していきます。

布を空気に触れさせると色が現れる

人宿藍染工房8

引き上げたら、1分かけて布の重なっている箇所を手で広げ、空気に触れさせていきます。

この染液に浸し、空気に触れさせる工程を繰り返すと、藍の色素が酸化してしっかりと色が定着するそう。

濃い藍色に染めるまでに、何回もこの工程を繰り返します。

水で洗い流すと青色に変化!

人宿藍染工房9

しっかりと染まったら水で洗い流します。

茶色がかった色は洗い流され、綺麗な藍色に変化しました。この藍色に変わる瞬間が本当に美しく、忘れられない光景となりました。

より深い青色を付けるために、より濃い染液に入れる

人宿藍染工房10

最後に、先程より濃い染液に布の先端だけ浸します。染液によって濃度に変化があるため、その時のコンディションを確認しながらの作業になります。

この最後の一手間でグラデーションがより綺麗に仕上がるそうです。再度水で洗い流したら、染める工程は終了。

最後にアイロンでしっかりシワを伸ばす

人宿藍染工房11

洗濯機で軽く脱水をしたらアイロンをかけてシワを伸ばします。

「人宿藍染工房」で作ったものは全て当日に持ち帰ることが可能。その日の思い出をそのまま持ち帰ることができるのは嬉しいですね。

世界に一つだけ!自分の藍染作品が完成

人宿藍染工房12

完成!

全体的にグラデーションがかかり、左下には絞りの模様が綺麗に出ました。左下隅の濃い藍色が特に綺麗です。

イメージはあったものの、完成するまでどうなるかわからないので、とてもおもしろかったです!

ここまでの作業時間は約60分ほどでした。

店内で販売される藍染製品はお土産にも最適

人宿藍染工房13

店内にはヘアゴムやワンピース、トートバッグなど藍染製品の物販コーナーも設置されていました。どれひとつとして同じ藍色はなく見惚れてしまいました。

藍より抽出した天然成分配合のボディーソープや、消臭スプレー、歯みがき粉なども販売されていましたよ。

藍染は学べば学ぶほどおもしろい!

元々、物作りが好きで、大学を卒業した時に藍染と出会ったというスタッフの尼崎さん。この春から「人宿藍染工房」で働き始めたそうです。

「藍染について日々勉強中ですが、学ぶほどおもしろく、歴史も技術も奥深いです。静岡の人宿町に藍染の文化を根付かせることができるよう精進していきたいと思います」とお話ししてくれました。

静岡の街中で日本の古き良き文化に触れる体験をしてみませんか?

「人宿藍染工房」へのアクセス

  • 【営業時間】

    10:00〜18:00(定休日:火曜)

    【住所】静岡県静岡市葵区人宿町2丁目6-5

    【駐車場】なし

    【電話】090-9901-4687

    【公式サイト】https://shizuoka-i.com

    【公式Instagram】https://www.instagram.com/shizuoka_i/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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ライタープロフィール

新井夏海

新井夏海

神奈川県横浜市出身。静岡県の大学に進学し海洋学を学ぶ。卒業後は地元で海系旅行誌を発刊する出版社の編集ライターを経験。“自然のそばで暮らしたい”という思いから静岡に戻りフリーライターへ。現地の魅力を取材・執筆しながら、趣味の旅行、マリンスポーツ、キャンプ、車中泊旅を楽しむ。