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コンパクトに魅力が詰まった「茅ヶ崎市美術館」海への道中にふらっとアート鑑賞

茅ヶ崎市|【更新日】2023年7月4日

コンパクトに魅力が詰まった「茅ヶ崎市美術館」海への道中にふらっとアート鑑賞

休日にリフレッシュしようと美術館を訪れたものの、広い館内で歩き疲れてしまったり、人が多すぎて鑑賞に集中できなかったりした経験はないでしょうか。

そんな心配をすることなく、お散歩途中にふらっと立ち寄れるアートスポットが「茅ヶ崎市美術館」。

コンパクトだからこそ快適で癒される美術館をご紹介します。

目次

開館25周年を迎える「茅ヶ崎市美術館」

茅ヶ崎駅から海に向かってゆっくりお散歩

茅ヶ崎市美術館1

茅ヶ崎駅南口を出て「高砂通り」を海へ向かって歩くこと約8分。

茅ヶ崎市の古くからの景観を残す緑地公園「高砂緑地」の一角に茅ヶ崎市美術館はあります。

緑地内には美術館のほか、平塚らいてうの碑、前庭つき茶室・書院「松籟庵」があり、早春には松籟庵の庭園に約50本の梅が咲き誇ります。

森の中に迷い込んだかのようなスロープ

茅ヶ崎市美術館2

美術館へと誘う緩やかなスロープは、豊かに生い茂る緑のアーチに囲まれ、まるで森の中に迷い込んだかのよう。

都会の喧騒を忘れさせるこの瞬間から、茅ヶ崎市美術館のアート体験は始まっているのかもしれません。

かもめの翼のような大屋根がシンボル

茅ヶ崎市美術館3

スロープを登り切ったその先に、大きな屋根が印象的な茅ヶ崎市美術館が現れます。

こちらの屋根は、潮風や飛び立つ鳥の翼、海の波を造形化したもの。

また、展示室内は海や砂の色を連想させる青みがかったグレーを基調色とするなど、湘南・茅ヶ崎のイメージが建物の設計に反映されています。

湘南の今昔をシームレスに伝えるコレクション

茅ヶ崎ゆかりの美術家の人生に触れる

茅ヶ崎市美術館4

明治期から別荘地や住宅地として発展し、数多くの芸術家も生活した茅ヶ崎。

茅ヶ崎市美術館は彼らが残した優れた作品を中心に、約2000点の美術品を収蔵しています。

例えば井上有一「丁子の花咲く頃」は、井上有一が勤務していた茅ヶ崎第一国民学校(現・茅ヶ崎市立茅ヶ崎小学校)の教え子たちを描いた作品。

個性豊かな表情や立ち姿からは、生徒一人一人と丁寧に向き合っていた教師としての生き様を読み取ることができます。

現代アーティストの多様な試みを紹介する企画展

茅ヶ崎市美術館5

さらに近年では、同時代を生きるアーティストとの展覧会を開催。取材時には「渉るあいだに佇む−美術館があるということ」という企画展が開催されていました。

こちらは同館のために制作された作品と、美術史に残る収蔵作品を一堂に展示することで、作品と作家、時代と社会、他者と自分、過去と未来といった、さまざまな物事の「あいだ」を表現しました。

茅ヶ崎の海を眺めた絵画作品

茅ヶ崎市美術館6

やんツーの「Untitled Drawing by a Device for “Graffiti” #13 (seen the sea)」(※写真右奥)は、自作のドローイングマシンが描いた絵を砂浜に持ち込み、自身の故郷である茅ヶ崎の海を見せた作品。

茅ヶ崎サザンビーチでしばし佇んでいた絵が、展示室に運ばれ、今は鑑賞者を眺めている…という設定で、美術館において鑑賞する主体は一体誰なのか、考えさせられる作品です。

天候や時間によって変化し続ける作品

茅ヶ崎市美術館7

鵜飼美紀の大型作品「About an area where share with 〈1〉」は、光が随所に取り込まれるように設計された美術館の特徴を活かし、実際に建物の中で創作活動が行われたもの。

ラテックスという伸縮性のある素材で作られた薄い皮膜が吹き抜けから差し込む光を受け、天候や時間によって鑑賞者に異なる印象を与える作品です。

来館者や地元の人々の声を集めた展示

茅ヶ崎市美術館8

神奈川県生まれ、在住の編集者・森若奈は、美術館を訪れる人々や周辺に暮らす人たちの声を、その人の話し言葉で書き起こす「聞き書き」という手法で集め、展示空間を創り上げました。

同館やアート鑑賞に対する印象が飾らない言葉で書き綴られ、それぞれに共感しながらこれまでの体験を振り返ったり、自分とアートの距離感を改めて捉えることのできる作品です。

富士山を臨む美術館カフェやグッズ販売も

展示とのコラボメニューを楽しめるカフェ

茅ヶ崎市美術館9

B1、1Fで展示を堪能したら、2Fの美術館カフェ「Le chemin ルシュマン」へ。天気のいい日は富士山も眺めることができる、開放感のある空間で一休み。

展示とのコラボレーションメニューも展開しているので、ぜひアート鑑賞とセットで楽しみたいですね。

収蔵作品のポストカードを茅ヶ崎みやげに

茅ヶ崎市美術館10

エントランスホールでは来館の記念になるミュージアムグッズを販売。

茅ヶ崎ゆかりの芸術家たちによる収蔵作品のポストカードを、他にはない茅ヶ崎みやげとして一枚いかがでしょうか。

敷居の高さを感じさせない、開かれた美術館

25周年を迎えた2023年は、「イギリス風景画と国木田独歩」(~8月27日)、「生誕120年 没後60年 小津安二郎の美術考撰-OZU ART-」(9月3日~11月9日)などの企画展を開催予定。

美術館と聞くと時に敷居の高さを感じますが、茅ヶ崎市美術館は展示内容はもちろん、迎えてくださるスタッフの温かさも、アートをさらに身近に感じることのできるきっかけに。

“海へ向かう途中に、ちょっと寄り道”という気軽さで訪れても、きっと楽しんでいただけるはず。

「茅ヶ崎市美術館」へのアクセス

  • 【住所】

    神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1丁目4−45

    【料金】展覧会ごとに異なる

    【駐車場】 あり

    【開館時間】10:00~17:00(入館は16:30まで)

    【休館日】月曜(月曜が祝日の場合は開館。翌平日が休館)

    【公式サイト】https://www.chigasaki-museum.jp/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

茅ヶ崎市周辺の観光エリア

ライタープロフィール

山本茉莉子

山本茉莉子

神奈川県藤沢市出身。10年間エンタメ&ライフスタイルニュースサイトのエディターを担当。現在は本業のWebディレクターと並行して、地元・湘南エリアのご当地ライターをつとめる。趣味は朝活、韓国トレンド収集、カフェ巡り。