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パリに愛された日本人画家。藤田嗣治の美術館「軽井沢安東美術館」へ

長野県|【更新日】2023年6月13日

パリに愛された日本人画家。藤田嗣治の美術館「軽井沢安東美術館」へ

旅行の行先の一つになるのが、ゆっくりした時を過ごせる美術館。特に暑い日には涼しい館内がぴったりです。

そこで今回は、軽井沢に来たらぜひ行きたい美術館「軽井沢安東美術館」の見どころを紹介します。

目次

日本ではここだけ!藤田嗣治の美術館

軽井沢安東美術館

2022年10月に開館した軽井沢安東美術館。

世界的に有名な日本人画家、藤田嗣治(ふじたつぐはる)の作品のみを所蔵した、日本初の美術館として話題になりました。

藤田が好んで描いてきた、少女や猫、聖母子を中心に、貴重な初期の風景画や彼を一躍有名にした「乳白色の裸婦」、手仕事に至るまで様々な作品が見られます。

実は個人コレクション!オーナー夫妻と藤田の出会い

オーナーの安東夫妻とはどんな方?

安東夫妻

多くの日本企業の再生に関わってきた安東泰志さんと恵さん夫妻。長年にわたって藤田嗣治の作品を収集し、自宅に大切に飾ってきました。総数はなんと約200点!

多くの人に作品を愛してほしいとの想いから、夫妻が藤田嗣治の作品に出会った軽井沢の地に、個人美術館を開きました。

まずはサロンで雰囲気に浸る

軽井沢安東美術館_サロン

美術館へ入ると、まずはサロンへ通されます。

クラッシックコンサートも行われるこちらの部屋では、飲み物を一杯いただきながら、美術館の概要の動画を鑑賞。

どんな作品たちが待っているのか、藤田の作品を見る前に気分が高まります。

藤田嗣治の人生を巡る美術館

夢を抱き26歳で単身フランスへ

軽井沢安東美術館_作品

左:《二人の女友達》(1926 油彩・キャンバス)
中央:《腕を上げた裸婦》(1924 油彩・キャンバス)
右:《横たわる女性》(1923 油彩・キャンバス)

はじめに出迎えてくれた作品は、藤田嗣治が渡仏して描き始めた裸婦たち。

東京美術大学を卒業し、画家として大成することを目指した藤田嗣治は、1913年26歳の時に単身フランスへ渡ります。

多くの芸術家との交流の中で、様々なスタイルを模索しました。そして完成させたのが、当時のヨーロッパ中を風靡した「素晴らしき乳白色の下地」。

白でも肌色でもない、まさに”乳白色”の絵画たちに目を奪われます。

恋人と共に中南米を旅する

軽井沢安東美術館_作品2

続いて、藤田嗣治は恋人のマドレーヌを連れて、パリを離れて中南米へと旅立ちます。ヨーロッパや日本と違った風土や文化に魅せられ、2年に渡って作品を描き続けました。

こちらの部屋は、中南米の暖かい雰囲気が醸し出されています。これまでの繊細なタッチや色合いは残しつつ、異国情緒のある絵が並んでいました。

なんだか中南米の独特な香りがしてくるようです。

日本からのバッシング。そしてフランス国籍を取得へ

軽井沢安東美術館_作品3

戦争を描いたことにより、日本からバッシングを受けた藤田は、ニューヨークに数ヶ月滞在後フランスに旅立ちます。そして1955年、藤田はフランス国籍を取得しました。

哀愁漂う暗めの展示は、藤田の心境を表しているように感じます。描くモチーフも、聖母子像が多くなり、クライマックスに向かうようです。

安東夫妻を虜にした少女と猫の絵画

軽井沢安東美術館_作品4

クライマックスはこちらのお部屋。

この展示室にあるのは、安東夫妻を虜にした少女と猫がモチーフの作品のみ。上品さと可愛さが詰まった圧巻の部屋です。

シャンデリアの暖かい明かりの下で、リビングにいるかのようにくつろぎながら作品を楽しめます。

好きな絵画を見つけたら、その前のソファーで癒しのひとときを過ごしてみて!

惹き込まれる!圧倒的空間デザイン

2022年設立、邸宅のような美術館

軽井沢安東美術館2

軽井沢安東美術館の見どころは、藤田の作品だけではありません!空間全体のデザインも一見の価値ありです。

途中、ウォーターサーバー付きの休憩スペースがあったり、各展示部屋ごとに全く雰囲気が変わります。

安東夫妻の邸宅に招かれたような居心地のよさ

軽井沢安東美術館3

軽井沢安東美術館は「安東邸の再現」というなんとも素敵なコンセプトのもと作られています。

座り心地の良いソファーで作品をゆっくり楽しんだり、コーヒーを飲みながらテレビを見るかのように、大きなスクリーンを鑑賞したり、他の美術館にはない寛げる空間があります。

軽井沢の美術館で優雅な休日を!

芸術を愛する町軽井沢にある「軽井沢安東美術館」。美術館としては珍しい、アットホームな雰囲気で、居心地よく作品を楽しめます。

老舗の耐熱ガラスメーカー「HARIO」直営のカフェも併設されており、休日を過ごすにはぴったりです!

ぜひ軽井沢安東美術館で、フランスから最も愛された日本人画家「藤田嗣治」の世界に浸ってみては?

「軽井沢安東美術館」へのアクセス

  • 【営業時間】

    10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)

    【休館日】水曜日(祝日の場合は翌平日)

    【住所】 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43-10

    【料金】一般2300円/高校生以下1100円/未就学児無料(オンライン予約:100円引き)

    【駐車場】なし(徒歩1分の町営駐車場を利用)/お身体の不自由な方のためのスペース:2台分有り

    【公式サイト】https://www.musee-ando.com/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

    ※館内は写真撮影可能な部屋もありますが、3枚以上の作品を入れ、風景画として撮影する必要があります。美術館の指示に従い、撮影してください。