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明日が楽しくなる!静岡の一風変わったテーマパーク「まぼろし博覧会」

伊東市|【更新日】2023年6月14日

明日が楽しくなる!静岡の一風変わったテーマパーク「まぼろし博覧会」

数多くの美術館や博物館が存在する伊豆ですが、その中で日本最高峰のカオスに出会える場所が、伊東にあるまぼろし博覧会です。

昭和レトロなものから巨大な聖徳太子、不気味なマネキンなどキモ可愛い展示物が数え切れないほど並び圧倒されます。

今回は、ドキュメンタリーやメディアにも度々登場する名物テーマパークをじっくりと探訪します。

目次

入館前から見所満載の無秩序テーマパーク

元熱帯植物園に詰め込まれたカオス空間

まぼろし_外観

こちらがまぼろし博覧会の正面入り口です。

もともと熱帯植物園だった場所を買い取って、その中に面白いものや、館長の興味が湧いたものをとにかく詰め込んだ無秩序テーマパーク。

普通の博物館と違い、砦のような雰囲気で入館前からすでにワクワクします!

ラブラブ安全ベンチでひと休み?

まぼろし_安全ベンチ

入り口の手前にあるのはラブラブ安全ベンチ。カップルで座っても健全なお付き合いができる、という目的で作られたようです。

隣には傾斜が逆になったアベックラブラブベンチがあります。入園前ですが、園外にもパンチの効いた展示がいくつもあり期待が高まります。

迫力満点!巨大なティラノサウルスがお出迎え

まぼろし_受付

先ほどのベンチを過ぎたところ、階段の途中にチケット受付があります。

手すりには鯉のぼり、左手にはティラノサウルス、そして右手のメルヘンな受付ボックスでチケットを買っていざ入園!

受付の隣には売店があり、まぼろし博覧会のグッズなどが販売されています。そして階段の奥が最初のパビリオン、大仏殿です。

巨大聖徳太子が出迎える大仏殿

大仏を聖徳太子にリフォーム!?

まぼろし_聖徳太子

最初の展示エリアは大仏殿、ドーンと目に飛び込んでくるのは巨大な聖徳太子像です。

その高さ12メートル、映画の撮影で使った奈良の大仏を聖徳太子にリフォームして展示しているのだとか。大仏を聖徳太子にするとは洒落が効いています。

密林にそびえる聖徳太子、この光景は世界でもここだけでしか見られません。

あらゆる人に化けるマネキン像

まぼろし_マネキン修行僧

こちらは清酒に囲まれるマネキン修行僧です。

館内にはこうしたマネキンが多くあり、マネキンにコスプレや何かのテーマを載せて展示しています。そこには洒落とカオスが混在した面白さがあります。

また、修行僧の周りには短冊が吊り下げられていますが、これは来館者が思いや願いを書いたもの。

大仏殿にはこうした短冊が所狭しと吊り下げられていて、中にはクスッと笑ってしまう短冊もあり、思わず読み込んでしまいます。

東京藝大生の力作、馬頭と牛頭の展示

まぼろし_馬頭と牛頭

大仏殿のもう一つの目玉がこちらの馬頭と牛頭の巨大像です。

東京藝大の学園祭で製作され、祭りのあとの置き場に困っていたところ、SNSで打診がありこちらで引き取ったもの。

高さ4メートル、幅3.5メートルの巨大像は学生16人がかりで運び込んで、この場で組み立てたそうです。

こうした人との繋がりを大切にしているのも、このパークの特徴です。

写真映えするポイントが盛りだくさん

まぼろし_映えるマネキン

大正ファッションに身を包んだマネキンが五月人形に囲まれている、という展示。そこに意味を見出すことは難しそうですが…とてもアートな雰囲気を感じます。

まぼろし博覧会はこうした前衛的(?)でフォトジェニック、いわゆるSNS映えする展示が多く、若い方の間で人気が高まっているそうです。

気になりすぎて素通りできない通路

まぼろし_昭和の思い出通り

大仏殿から次の展示に向かう通路、「昭和思い出の階段通り」です。両側の壁には懐かしの昭和グッズが所狭しと陳列されています。

写真奥のドア部分には、昭和の喫茶店にあったマッチ箱アートが飾られていています。昔の喫茶店は、それぞれ個性があっておしゃれだったと思い出させてくれます。

おばあちゃんからストリップまでカオスなメルヘンランド

ぬいぐるみと人形が溢れる部屋

まぼろし_メルヘンハウス

次なるパビリオンはメルヘンランドです。昭和の時代に人気だった目が閉じる人形や特大サイズのクマのぬいぐるみ、雛人形などが展示。

昭和に少女時代を過ごした方なら「懐かしい!」と、思わず声が出てしまう要素が詰め込まれていて、こちらも細かいところまでじっくりと見てしまいます。

昔どこにでもあったおばあちゃんの部屋

まぼろし_おばあちゃんの部屋

メルヘンハウスの隣には「おばあちゃんの部屋」があります。その名のごとく、おばあちゃんの部屋にあったような、平凡だけど温かい品々が並んでいます。

こちら実際に、愛知県のおばあちゃんがお小遣いでコツコツ集めたものを、そのままそっくり引き取ったものだそうです。

絶滅しつつあるストリップ文化を体験

まぼろし_ストリップ記念館

メルヘンランドの別棟にはストリップ記念館があります。

昭和のストリップ劇場がそのまま移転してきたように、券売機からポスター、踊り子さんの控室、そしてステージまであります。こちらも閉鎖した劇場から一式持ち込んできたものだそうです。

ちなみにこの記念館エリアは写真撮影で人気のスポットとなっています。

夢か幻か、幻想の島を渡る

ちょびヒゲが御神体のおっさん神宮

まぼろし_おっさん神宮

メルヘンランドを出ると屋外の展示、まぼろし島エリアです。このエリアには写真のおっさんが数多く展示されていて、島の奥にはおっさん神宮があります。

こちらのおっさんの顔は閉園した秘宝館から入手したものです。近年、全国で次々と秘宝館が閉館となり、そういったところから寄贈される展示も多いそう。

鳥居を上がると金の御神体が!

まぼろし_鳥居

まぼろし島の奥にあるおっさん神宮の鳥居です。この鳥居を抜けた先に、ありがたい(?)おっさんの金の御神体があります。

周辺には巨大キノコが生えていたりと、本当にこれどこから持ってくるんだろう、という謎なアイテムが散在しています。

退廃美を感じる中空テラス

まぼろし_中空テラス

まぼろし島を抜け、小径を行ったところの中空テラスです。

マネキンたちが退廃的な雰囲気で陳列されています。展示に説明などはないのですが、カッコいいと思ってしまいます。

こうしたよく分からないけど何かカッコいい!という展示が多いので、まぼろし博覧会でPVを撮影するミュージシャンも多いそうです。

文学とアートとハロウィンのほろ酔い横町

危険な香りしかしない村崎百郎記念館

まぼろし_村崎百郎

先ほどの中空テラスを抜けると、ほろ酔い横町に入ります。横町の入り口は、日本のアンダーグラウンドシーンで活躍したライター・村崎百郎氏の記念館です。

実はこのテーマパークの運営はデータハウスという出版社の社長・通称セーラちゃんが行っています。

データハウスから多くの書籍を出した村崎氏ですから、そのご縁で記念館が設けられたのでしょうか。

スプーンアートと阪神優勝が混在するエリア

まぼろし_スプーンアート

その隣は「アートでパラダイス」エリアです。写真は造形作家・松原弘己さん製作のスプーンアート・ウルトラマンです。

他にもウナギイヌの置物や阪神タイガース優勝記念グッズ、たれパンダなどが雑多に展示されています。

ペンギンと一緒に年がら年中ハロウィン

まぼろし_ハロウィン

ほろ酔い横町の奥はハロウィン天国エリアで、ペンギンたちが鯉のぼりと共に展示されています。本当に雑多な展示なのですが、なぜかアートに見えてしまいます。

館長の信条は「上手じゃつまらない、よくわからないけど明日が楽しくなればいい」だそうで、こうした展示からもそのスピリッツが伝わってきます。

古き良き(?)昭和を一気に駆け抜ける

昭和40年男のハートをくすぐる部屋

まぼろし_昭和40年男

再び屋内に戻りまして、「昭和の時代を通り抜け」エリアに入ります。その名の通り、昭和を初期から後期まで年代ごとに再現したエリアです。

写真は昭和40年代の男子学生の部屋。壁のタペストリーや野球ゲーム、ラジオ、ブロマイドなど、あの時代に流行ったものが詰め込まれています。

ドーナツ盤でめぐる。昭和へタイムスリップ

まぼろし_シングル盤

マネキンの背後の壁には昭和のシングルレコードがびっしりと貼り付けられています。

演歌、民謡、フォーク、ニューミュージック、ロック、そしてアイドルとあの頃のヒット曲、レア曲のレコード満載です。思わず懐かしくなって、まじまじと壁を眺めてしまいます。

ちなみにまぼろし博覧会は全館通じて冷房がありません。館長曰く「あの頃は冷房もなく夏は暑いものだった」、その精神でノー冷房を貫いています。

こんな理髪店は怖い「虎刈理髪店」

まぼろし_虎刈

昭和の理髪店を再現した、その名も「虎刈理髪店」。よくこんなレトロな椅子や洗髪台が残っていたと感心してしまうほど。

他にも双子のマリリン・モンローや、小学校の教室、昭和初期の食卓、ダイハツミゼットの実物展示など、奥へ向かうほどに昭和を遡っていきます。

昭和の始まりは戦争だった

まぼろし_キャラメル

昭和の時代、最後の展示エリアには戦前、戦中のポスターがびっしりと貼られています。

この時代はお菓子や薬品、日用品に至るまでありとあらゆる広告が戦争に絡んだものとなっていて、当時の世相の凄まじさを感じます。

こうした当時のポスターを見せられると、やっぱり平和が一番だとしみじみ思えます。

スマホでは決して手に入らない生の情報がある

こちらの展示物は懐かしいものもあれば過激なものもあるのですが、極端なものでも排除しないというポリシーの元に集められたものばかりです。

今、ネットで何でも情報が手に入る時代ですが、現物でしか伝えられない情報もあります。そうした生でレアで過激な情報で溢れているのが、まぼろし博覧会です。

懐かしさに触れたくて行くもよし、怖いもの見たさで行くもよし、行けばきっと新たな刺激に出会えますよ。

まぼろし博覧会へのアクセス

  • 【営業時間】

    9:30〜17:30(※入場は閉館30分前まで、※季節により変動あり)

    【住所】静岡県伊東市富戸梅木平1310-1

    【駐車場】あり(無料)

    【料金】大人1400円、小中学生600円

    【公式サイト】https://maboroshi.pandora.nu/index.html

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式ホームページにてご確認ください。

ライタープロフィール

石井省

石井省

茨城のだっぺ地区出身です。東京から伊豆へ移住。週に3回は温泉に入る温泉好きで、伊豆のマイナー温泉を丁寧に探索中。旅は行き当たりばったり、そこで起こる偶然と奇跡の瞬間を愛しています。