横須賀に現存する最古の鋼鉄戦艦!大迫力の「記念艦三笠」で歴史を感じよう
横須賀市|【更新日】2023年4月5日
三笠公園に設置されている「記念艦三笠」は、横須賀が誇る日本遺産構成文化財の1つです。
今回はそんな貴重な戦艦「記念艦三笠」を訪れ、今の日本に通じる歴史のワンシーンを覗いてきました。
日本を守るために戦った、先人たちの想いに触れてみましょう!
目次
迫力満点!重厚な戦艦の姿に圧倒される
日露戦争で日本を勝利に導いた最新鋭の軍艦
穏やかな公園で異彩を放つ記念艦三笠。その堂々たる姿は、思わずたじろいでしまうほどの圧倒的な存在感があります。
所々から大砲が飛び出す様子に、本当に戦争で使われていたんだと改めて感じました。
軍艦三笠は、日本の軍事力強化の一環でイギリスで造られた当時最新鋭の鋼鉄軍艦です。
日露戦争で大活躍した軍艦三笠が、今では記念艦として横須賀の地に保存されています。
船内はどうなっているのでしょうか。早速中に入ってみましょう。
知識がなくても問題なし!無料ガイドを活用しよう
海が一望できる甲板は、物々しい外観からは想像できないほど開放的な雰囲気です。
記念艦三笠では、土日祝日限定で無料の艦内ガイドツアーを実施しています。
10時10分から15時までの間、毎正時に行われ、所要時間は30分ほど。
今回も無料ガイドを利用し、艦内を案内していただきました。
先人たちのドラマを感じる資材や無線機に感動
東郷平八郎も歩いたかも?甲板は建造当時のまま
まずは無線機が設置されている甲板に案内していただきました。
こちらの甲板は、建造当時のまま残された貴重な甲板です。滑らず熱を持たない、硬くて丈夫なチーク材が使用されています。
三笠に乗船し、日露戦争の指揮をとった東郷平八郎も、この甲板の上を歩いたかもしれません。
当時のまま残る甲板の姿に、激戦を乗り越えた歴史の跡を感じました。
通信距離は150キロ。日本の勝利に貢献した無線機
こちらは三六式無線電信機です。当時のものが忠実に復元されています。
通信距離は150kmで、当時はかなり高性能なものでした。
この無線機がバルチック艦隊の発見の第一報を受け、来るロシアとの日本海海戦に備えることができたそう。
無線機の隣にはモールス信号の解説も記載されています。
解説を見ながら、つい信号音を真似したくなってしまいました。
階段を降りて中甲板へ。船内を探検しよう!
記念艦三笠は世界的にも有名な「世界三大記念艦」
階段を降りて中甲板へと進むと、船内は展示スペースになっていました。まず目に入ったのが世界三大記念艦の模型です。
左から日本の「三笠」、イギリスの「ヴィクトリー」、アメリカの「コンスティチューション」と並んでいます。
どれも自国を守るために勇敢に海戦に挑み、歴史的な勝利を収めた軍艦です。
世界的にみても、記念艦三笠はとても価値のある軍艦であることがわかります。
天井を見上げるとイギリスのテクニックが
ここで天井を見上げてみましょう。天井の至るところが丸くくり抜かれています。
これは、船の重量を軽くして燃費を向上させるイギリスのテクニックです。
記念艦三笠は鋼鉄の軍艦のためかなりの重量があります。1つ1つは小さな円盤でも、集まればかなりの重さになるのです。
1人で回ると、このように天井を見上げることもないでしょう。
細かい部分もしっかり解説していただけるのは、ガイドツアーに参加するメリットといえます。
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日露戦争は彼なしでは語れない。東郷平八郎専用エリア
船の中なのに広いバスルーム
船内とは思えない広々としたこちらのバスルームは、日露戦争の指揮をとった司令長官、東郷平八郎専用のバスルームです。
バスタブにトイレ、洗面ボウルが備え付けられており、船の中でも快適に過ごせそう。
タイル張りの床や船特有の丸窓が、モダンでオシャレな印象です。
足を伸ばせる大きめのバスタブで、疲れを癒したのかもしれません。
豪華な寝室でつかの間の休息を
こちらは東郷平八郎の寝室です。限られたスペースを有効に活用するためか、ベッドの下には収納がたくさんあります。
ベッドといっても、見た目は大きな箱のよう。これは急に船が揺れても、ベッドから落ちない工夫なのかもしれません。
常に緊迫した戦時下で、東郷平八郎がつかの間の休息がとれた場所がこの寝室なのでしょう。
重要な議論が行われたこの場所で、歴史は動いた
長官公室は日露戦争の終着地
日露戦争でのロシアからの降伏申し入れを受けた場所が、この長官公室です。まさに日露戦争の終着地といえるでしょう。
長官公室は、戦争における作戦会議や来賓の応接にも使われていました。重厚な家具が置かれ、華やかな雰囲気です。
ここには東郷平八郎の遺髪も置かれており、今もなお記念艦三笠を見守っているような印象を受けました。
長官室では東郷平八郎の当時の様子が伺える
こちらは船尾にある、東郷平八郎が執務をしていた長官室です。
奥には東郷平八郎の等身大自画像があります。東郷平八郎の身長は153.3cmとかなり小柄でした。
しかし、歴史的な海戦で大勝利への指揮をとった威厳のあるその姿は、実際よりも大きく存在感もあります。
長官室から外に出ると、そこには東郷平八郎専用のスタンウォークが。
ここから三笠の後に続く軍艦を眺め、戦意を高めていたのかもしれません。
影で支えていた人々の様子がわかる展示も
船の中のキッチンは限られたスペースを有効に活用
キッチンは、シンプルながらも使いやすそうな造り。
限られたスペースを有効に活用できるように、天井にはワイングラスがかけられるようになっています。
軍艦三笠には、日露戦争時には総勢850名が乗船していました。
全員分の食事をこのキッチンで作るのはさぞ大変だったのではないでしょうか。
その慌ただしさが目に浮かぶようです。
楽器を演奏するだけが楽団ではない?意外な役割とは
軍艦三笠には楽団も乗船していました。こちらは楽団の方々が実際に使用していた楽器や楽譜、着用していた制服などが展示されています。
楽団の仕事は、楽器を演奏するだけではありません。その肺活量を買われ、伝令係としても活躍していたそうです。
ガイドツアーに参加すれば、このようにパンフレットにも書かれていない小話も聞けます。
まだまだある!記念艦三笠の見どころ
重要な資料満載の中央展示室は何時間でも過ごせそう
中央展示室には、重要な資料が多く展示されています。その充実ぶりは、ここだけで1つの博物館が完成してしまいそうなほどです。
軍艦三笠の当時の船首飾りや東郷平八郎が着用していた軍服、ロシアの駆逐艦ベドウィ号が掲げた白旗なども展示されています。
日露戦争の始まりから終わりまでの足跡をたどることができ、非常に勉強になる展示スペースです。
記念艦三笠ならではのお土産も購入できる
船を出ると、外には売店があります。
記念艦三笠のマグカップや三笠砲弾豆なるお菓子、日露戦争に関する書籍なども購入可能です。もちろん、定番の海軍カレーもあります。
小さな売店ながらも品揃えは充実しており、何を買おうか悩んでしまいますね。
記念艦三笠で歴史を学び、先人たちへ思いを馳せよう
横須賀に現存する最古の鋼鉄戦艦、記念艦三笠をご紹介しました。
先人たちが歴史的な勝利を収めた結果、今の平和な世の中が成り立っているのかもしれません。
無料のガイドツアーを利用すれば、更に歴史への理解も深まります。
日露戦争の足跡をたどることができる記念艦三笠に、足を運んでみてはいかがでしょうか。
記念艦三笠へのアクセス
- 【住所】
横須賀市稲岡町82-19
【駐車場】あり
【入館料】
一般 600円
シニア(満65歳以上) 500円
高校生 300円
小・中学生 無料
障がい者 200円(介護者2名までも200円)※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。













