旅先のちょっとした移動に最適な「レンタサイクル」。その名の通り自転車をレンタルすることですが、移動手段としてだけではなく、風光明媚なスポットの多い沖縄では観光地・景観地巡りにも手軽に利用できるアクティビティ体験としても人気です。

沖縄らしい情緒ある集落の散策や、人気の観光スポットを巡る手段として活躍をしているレンタサイクル。沖縄の大自然や情緒ある建造物を眺めながらのサイクリングは、普段の生活では感ずることのできない新しい魅力を感じる事ができるでしょう。また、レンタサイクルはレンタカーやレンタルバイクと比べても料金が非常にリーズナブルな点も大きな特徴として挙げられるので、宿泊先などを起点とした場合は、最寄りの目的地までのちょっとした移動に利用しやすいというのも大きな魅力のひとつです。

レンタサイクルを利用できる場所は主に観光地やホテルが密集するリゾートエリア、離島などが主流となります。
那覇市街地での利用も可能ですが、ゆいレール(沖縄都市モノレール)や路線バスなどの公共交通機関が充実している、また景観自体も沖縄の自然を感じられるロケーションが少ないため、沖縄本島ではリゾートホテルが密集する読谷村・恩納村エリアや豊かな自然が色濃く残る北部・やんばるエリアでの利用をおすすめします。エリア関係なく宿泊先のホテル・民宿などでもレンタサイクルを行っている場合もありますので、事前にチェックをしておくことをおすすめします。

たびらいアクティビティが最もレンタサイクルの利用をおすすめするのが「離島」です。大小多くの離島がある沖縄ですが、レンタカーを借りるにも島が小さすぎる、または滞在先でゆっくりすることを前提とする場合はレンタカーを持て余してしまうこともしばしば。旅先の移動をコンパクトに必要な分だけ利用ができるレンタサイクルは、沖縄離島で活躍をしてくれることでしょう。

慶良間(けらま)諸島は、沖縄本島の那覇市から西に40kmの海上に点在する、大小20あまりの島々で構成されています。世界屈指の透明度を誇るその海は、”ケラマブルー”と称されるほど美しく2014年3月5日に31番目の"国立公園"に指定された話題のエリアです。美しい慶良間の海は透明度だけでなく生態系の豊かさも高く評価されており、多種多様なサンゴや熱帯魚の姿を見ることができます。
慶良間諸島へは那覇市の泊港(とまりん)よりフェリーや高速船でアクセスすることができるほか、マリンツアーなどでも特定の島への上陸が付帯されているものがあるので、訪れる離島や目的によって選んでみるのも良いでしょう。

沖縄観光の玄関口ともいえる那覇・本島南部は、国際通りをはじめ、首里城や平和記念公園など重要な観光スポットが密集するエリアです。その他にも、太平洋を一望できるオーシャンビューが人気のニライカナイ橋や、奧武島(おうじま)、瀬長島(せながじま)など車でいける離島もあり、ドライブのみならずサイクリングコースとしても人気があります。

本島南部周辺離島には、琉球開闢（かいびゃく）の祖アマミキヨが天から舞い降りたといわれる聖地・久高島(くだかじま)や、映画『ナビィの恋』の舞台となった粟国島(あぐにじま)、琉球諸島の中で最も美しい島を意味する"球美（くみ）の島"と呼ばれた久米島(くめじま)などがあります。

主要な人気リゾートホテルが集まる恩納村・西海岸エリアと、交通起点の那覇・南部の中間に位置している本島中部エリアは、様々な観光スポットへのアクセスも良く旅の滞在地として人気が高いエリアです。
また、豊かな自然が残るフィールドも数多くあり、豊富なアクティビティが楽しめるのが特徴でもあります。東海岸は主要な幹線道路から外れるので少々距離はあるものの、特にローカル色が色濃く残る自然豊かなエリアなので、混雑なくゆったりと過ごすには最適と言えます。

本島中部・うるま市の離島には、約5キロにもわたって海の上を走る"海中道路"を利用してアクセスすることができる平安座島(へんざじま)、浜比嘉島(はまひがじま)、宮城島(みやぎじま)、伊計島(いけいじま)などがあり、風光明媚な景観を楽しむことのできるサイクリングコースとして人気です。

沖縄の人気観光施設の代名詞"沖縄美ら海水族館"や絶景ポイント"古宇利大橋(こうりおおはし)"など、必ず一度は立ち寄っておきたいスポットを有する沖縄本島北部。
天然のビーチも多数点在し、その海の美しさは沖縄県民もうなるほど。人気のダイビング・シュノーケリングスポットも多数あり、本部町・今帰仁村のビーチや、高速船でアクセスする"水納島(みんなじま)"は多くのレジャー客で賑わいます。

また、"やんばる"と呼ばれる沖縄本島3村(国頭村(くにがみそん)、大宜味村(おおぎみそん)、東村(ひがしそん))エリアでは、東洋のガラパゴスとも呼ばれるその豊かな自然と独自の生態系が認められ、2021年に世界自然遺産へと登録。沖縄本島でもっとも自然が色濃く残るエリアですので、アクティビティも海・山・川をディープに楽しめるツアーが多く、より沖縄の自然を全身で体感したい方にはおすすめのエリアです。

宮古諸島は、宮古島のほか、池間島(いけまじま)、来間島(くりまじま)、大神島(おおがみじま)、伊良部島(いらぶじま)、下地島(しもじじま)、多良間島(たらまじま)、水納島(みんなじま)の大小8つの島々で構成されています。海の透明度や美しさは、慶良間諸島と並び日本国内でトップクラス。南国リゾートを絵に描いた様な美しい風景をあちらこちらで目にすることができます。

宮古諸島の中核をなす宮古島には美しい景勝地・観光地がたくさんあり、東洋一と賞賛される"与那覇前浜ビーチ(よなはまえはまビーチ)"、2015年1月に建設された無料で渡れる橋としては日本最長の"伊良部大橋(いらぶおおはし)"、白い砂山とそこから見下ろすキラキラ輝く海が美しい"砂山ビーチ"など、アクティビティ以外にも楽しめる観光地が多数あり、旅行者を飽きさせないところが宮古島の魅力の1つです。

八重山諸島は、石垣島、竹富島(たけとみじま)、小浜島(こはまじま)、黒島(くろしま)、新城島(あらぐすくじま)、西表島(いりおもてじま)、鳩間島(はとまじま)、由布島(ゆふじま)、波照間島(はてるまじま)、与那国島(よなぐにじま)などの有人島と無人島、計23の島々で構成されています。中心の石垣島をはじめ、赤瓦の民家が立ち並ぶ竹富島や、南十字星が見えることで有名な波照間島（はてるまじま）、日本最西端の与那国島や、島全体がジャングルのような西表島など、個性豊かで魅力的な島がたくさんあります。

八重山諸島の玄関口である石垣島には、美しい景勝地・観光地がたくさんあり、ミシュラン観光ガイドブック3つ星の"川平湾(かびら湾)"、潮が引いているときにだけ姿を現す"幻の島(浜島)"、多種多様な動植物が生息している石垣島最大のマングローブ"吹通川(ふきどう川)のヒルギ群落"などは一度は訪れておきたいおすすめのスポットです。

レンタサイクルでは、ほとんどの場合において屋外での利用が前提となるので、日焼け防止のための帽子、サングラス、長袖・長ズボンの着用などを、状況によって検討することをおすすめします。利用時期やレンタサイクルを使って訪れるなら場所によっては虫が多い場所もありますので、虫よけなども併せて準備しておくとよいでしょう。

また、温暖気候の沖縄といえど冬から春先(11月中旬～3月上旬)にかけて吹く強い風の影響で体感温度が下がりかなり寒く感じることも珍しくありません。時期によっては長袖の上着や、ウィンドブレーカーのような簡単に羽織れるものなども用意しておくとよいかもしれません。

レンタサイクルの利用自体は、基本的に日常生活で自転車を利用する場合と大きく違いはありません。異なる点としては「沖縄という場所」であることと、「レンタルをしているもの」であるということです。

レンタサイクルの大きな魅力に、借りた自転車でフィールドを自由に移動ができるという点が挙げられますが、景観地であれ観光スポットであれ、周辺に居住地や店舗がある場合も決して珍らしくありません。それどころか、地域住民が生活する集落そのものが観光スポットとして認知されている場合もあります。そのような「日常生活の場」にお邪魔することを忘れず、配慮に欠くような行動は決してしないよう心がけておきましょう。

また、利用する自転車は当然「借りている」ものですので、取り扱いには十分に注意をし、故意に破損をさせる行為などをしないように気を付けましょう。