1. 開山1000年以上の成田山新勝寺に詣でる

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

開山1000年以上の成田山新勝寺に詣でる

  初詣で人気な成田山新勝寺はいつ訪れてもにぎわいを見せる。広々とした境内には由緒ある堂宇が並び、活気に満ちた参道には風情が漂う

本堂

  年間1000万人以上の参詣客が訪れる成田山新勝寺。さすが、我が国の不動尊信仰の総府だけのことはある。千葉県北部、成田空港の北西約4キロに寺域を広げ、境内と成田山公園を合わせ22万平方メートルの面積をもつ真言宗智山(ちさん)派の大本山だ。開山は、平安時代中期の天慶(てんぎょう)3年(940)に宇多天皇の孫にあたる寛朝(かんちょう)大僧正。境内には国の重要文化財に指定された多くの由緒ある堂宇が点在し、眺めていると名刹の威厳が伝わってくる。
年間行事も多彩。立春前日の節分会では、力士や俳優たちが豆をまく。7月の成田祇園祭は300年の歴史を誇る初夏の風物詩。梅まつりや菊花大会、紅葉まつりなど花木の祭典も開催。活気にあふれた表参道は、約800メートル続く風情ある通り。木造の古い商家が軒を並べ、街の顔つきに懐かしさと親しみが込み上げてくる。

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ウナギの香りが漂う中、木造の商家が並ぶ表参道を行き成田山詣で

表参道

  成田山詣でのアプローチは表参道からはじまる。JR線と京成線の成田駅前から総門までは800メートル余。最初に迎えてくれるのが、JR成田駅東口に枝を伸ばす樹齢700年の不動の椎(しい)。かつて参道の旅館が栄えていた頃、地方から来た仲居たちが椎の葉一枚を懐にしのばせ、懐郷(かいきょう)の念を抑えていたという言い伝えが残る。その先には、台座の上で幽玄の世界を表現して舞う歌舞伎役者の像が立つ。高さ約6メートルと壮大だ。
参道で目を引かれるのは、ウナギの看板や幟(のぼり)。江戸時代、成田詣でが盛んになった頃、江戸から片道2日の旅の疲れを癒やしてもらおうと、門前の旅館では栄養効果の高いウナギで客をもてなしたという。今も、その伝統が引き継がれ江戸時代創業の老舗を交え約60店がウナギ料理を提供している。どこからともなく漂う蒲焼の香りに、食指が動かされてしまう。成田空港に近いせいか、多国籍料理の店も多く国際色豊か。
総門に近づくにつれ、木造の商店が増す。特に仲町(なかのちょう)界隈は江戸時代の町並みを彷彿とさせ、往時の参詣客を迎え入れる宿が多かったところ。木造3階建ても残る。手焼きせんべい、瓜の鉄砲漬、羊羹、地酒、和菓子など表参道に軒を連ねる商店は170軒ほど。どこも庶民的で、ついつい硬い財布の紐がゆるんでしまう。

山内に国指定重要文化財の堂宇が点在。平和の大塔は塔内も見学可

平和の大塔

  参道の正面には成田山新勝寺の入り口、総門が見えてくる。建立は平成19年と新しいが、荘厳な雰囲気で、高さ15メートルの総欅造りだ。大きな赤い提灯が下がる仁王門は、文政13年(1830)築の国指定重要文化財。門の左右に密迹金剛(みっしゃくこんごう)と那羅延金剛(ならえんこんごう)が安置され、昔から成田山を守り続けている。深山の趣が漂う樹木を抜けると、正面に堂々とした大本堂が姿を現わす。畳269枚分の堂内は護摩祈祷を行う中心道場。時間になると本尊の不動明王に祈願する参詣者でいっぱいになる。まさに成田山の一大セレモニーだ。周辺には鮮やかな色彩の三重塔、江戸時代後期の特色を保つ総欅造りの釈迦堂が見える。ともにあちこちに彫刻を施す国指定重要文化財だ。
参拝はここで終わらず、先の平和の大塔(だいとう)まで足を延ばして欲しい。途中に建つ額堂と光明堂(こうみょうどう)は、いずれも江戸時代創建の国指定重要文化財。金色に輝く九輪がシンボルの平和の大塔は圧倒的な迫力に満ち、総高は58メートル。塔内に入ると、壁や天井に極彩色で曼荼羅が描かれるなど、艶やかな色使いに驚かされてしまう。ライトアップに浮かぶ夜の大塔は「美しい」のひと言に尽きる。堂宇ひとつ一つをじっくりと眺めると、彫刻や造りなど、思わぬ発見と遭遇できるのだ。

御輿と豪華絢爛な山車が勢いよく参道を巡行する成田祇園祭

成田祇園祭

  成田山では、年間を通じ多くの行事を開催している。世界平和や万民豊楽などを祈念して行われるのが2月の節分会。横綱や大関などの力士、NHK大河ドラマの出演者らが参加し盛大に豆を撒く。この日に撒かれるのは剣守(開運招福の守り札)1095枚、大豆860キロ、殻付き落花生400キロ。下旬には約500本の梅が植わる成田山公園で梅まつりを実施。11月中旬、成田山公園が錦絵のような日本庭園に変貌すると紅葉まつりが開かれる。
多彩な行事の中で、ぜひ見学して欲しいのが歴史の長い成田祇園祭だ。祭りの主役は彫刻や装飾で彩られた10台の山車、屋台と御輿1台。山車は神武天皇や素戔嗚尊(すさのおのみこと)、八幡太郎義家など、せり上がる大きな人形を載せ、お囃子や威勢のいい掛け声とともに参道を中心に巡行。その迫力と立派な山車に視線が奪われ、思わず見入ってしまうほど。参道の坂道を一気に駆け上がる様は必見。祭りの締めくくりは、大本堂前で繰り広げられる参加者たちの勇壮な総踊り。夜はライトアップの中、ゆっくりと参道を練り歩く。開催は7月7日~9日に直近の金・土・日曜の3日間。毎年約45万人の見物客が訪れる成田山の一大イベントだ。

成田山新勝寺の施設情報・交通アクセス

車で

  東関東道成田ICから国道295・408号経由4.5キロ、10分

電車で

  東京駅から総武線快速エアポート成田で1時間10分、成田駅下車徒歩15分

施設情報

  住所:千葉県成田市成田1
電話番号:0476-22-2111
拝観時間:なし
定休日:なし
料金:拝観自由

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