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「モルエラニの霧の中」西胆振に暮らす人々が、西胆振でつくる純正ご当地映画
【投稿日】2016年11月02日(水)| 北海道発

平成28年(2016)10月、室蘭市(むろらんし)をはじめとする西胆振地方(にしいぶりちほう)を舞台とした映画「モルエラニの霧の中」第一部の試写会が開催されました。
「モルエラニ」とは、室蘭市の語源のひとつとされるアイヌ語であり、「小さな下り坂」という意味があります。
監督は世界各国の映画祭で多くの受賞歴をもつ、室蘭市生まれの坪川拓史(つぼかわたくし)氏。平成23年(2011)に東京から室蘭へ戻り、まちで暮らすなかで、「古きよき町の魅力は、気がついた時には消えてしまっていることが多い」と感じたと言います。
それらを映像として残したい、知ってほしいという思いからメガホンをとった坪川監督。自ら手がけた脚本には、実際に会った人々や見聞きしたエピソードが盛り込まれており、実話の要素を含んだストーリーを実際の地で撮影するという特徴的な作品となりました。
製作は、この映画のために室蘭市民が平成26年(2014)に発足させた「室蘭映画製作応援団」。企画から制作費集め、撮影時のスタッフワーク、試写会までといった映画づくりの多くの過程を、未経験の市民が中心となり、2年半の歳月をかけて行ってきました。
作品は、全七話のオムニバス形式。この度完成した第一部では、七話中の四話が公開されました。キャストには香川京子さん、大杉漣さん、坂本長利さん、大塚寧々さん、河合龍之介さん、久保田紗友さんといった豪華な俳優陣が出演。また、作品には市民キャストも出演しており、プロに負けない存在感で演技を披露しています。

▲JR室蘭本線の母恋駅(ぼこいえき)も、映画のワンシーンとして美しく切り取られている
撮影場所にも注目を。【春の章】で登場する写真館には、100年以上の歴史を持つ建造物「旧三菱合資会社室蘭出張所」が使用されました。普段は、キャンドルショップ「HOQSEI CANDLE MUSEUM」の店舗が入っており、一般客も買い物を楽しめる場所。駅や病院等、地元の生活に密着したスポットのほか、「青少年科学館」などのシーンもノスタルジックに描かれています。
また、北海道で初めて鳴砂海岸であることが実証された「イタンキ浜」や、広い牧草地に佇む一本桜など自然の風景も、ため息が出る美しさ。カラーと白黒の映像を織り交ぜて伝えられる西胆振地方の四季を感じてみて。
第二部は、平成30年(2018)夏に完成予定。公式サイトにて製作サポーターの募集も行っています。