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知床羅臼の庶民の味「ガサエビ」が新種と判明。その味は甘くてほくほく!
【投稿日】2017年03月25日(土)| 北海道発

知床羅臼の庶民の味「ガサエビ」。このエビが、福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」スタッフらによる論文で発表され、実は新種だったことが判明しました。「ダイオウキジンエビ」という正式な種名が与えられ、炭火焼きなどでこのエビに親しんできた地元住民を驚かせています。
アクアマリンふくしまによると、新種のダイオウキジンエビは体長25センチに達し、約220種あるエビシャコ科の中でも世界最大。頭部にトゲを持つのが、他種にはない特徴とのことです。論文は2016年9月にニュージーランドの動物分類学の学術誌「Zootaxa」に掲載され、新種として公表されました。
このエビは羅臼沖の深海に生息。高級魚のメンメを獲る深海刺し網漁で混獲された場合、地元鮮魚店などで販売されます。このエビをメインに獲る漁はないので水揚げ量は少なく、市場に出回らず地元で消費されることがほとんどです。
羅臼で約40年営業している「郷土料理ひろ瀬」では季節を問わず、地元漁師のツテで仕入れることが多く、塩焼きや鍋物の具として宴会メニューに取り入れてきました。店を切り盛りする広瀬幸子さんは、「甘くてほくほくした食感。いい出汁も出ますよ」と教えてくれました。
通常メニューにはありませんが、仕入れが可能なら、ガサエビメニューを出すことも可能(事前予約必要)。地元では「ゴジラエビ」や「カブトエビ」と呼ばれることもあるそうです。
羅臼産のエビは、他にも幻のエビと呼ばれるほど希少な「ブドウエビ」や「ボタンエビ」が有名。7~9月が漁期で、地元寿司店などでは濃厚な味が特徴のブドウエビの寿司や刺身を楽しめます。ぜひ現地で、ガサエビもとい、ダイオウキジンエビをはじめ、羅臼の海が育む、さまざまなエビを味わってみてはいかがでしょうか?
文・構成/知床のミニコミ誌「シリエトクノート」編集部