1. オンネトー湯の滝|ライトトレッキングで訪れる世界で唯一の「生きている鉱床」

オンネトー湯の滝|ライトトレッキングで訪れる世界で唯一の「生きている鉱床」

【投稿日】2018年11月05日(月)| 北海道発

オンネトー湯の滝

時間や天候の変化で湖面の色が変化することから、「五色沼」「神秘の湖」と呼ばれるオンネトーは、十勝地方・足寄町(あしょろちょう)屈指の人気観光スポットです。

このオンネトーから約1.5キロメートル離れたところにあるのが、オンネトー湯の滝。活火山である雌阿寒岳と阿寒富士の西麓に広がっているアカエゾマツの原生林内にあり、高さ20メートルほどの安山岩溶岩の岩肌を流れています。

十勝オンネトー湯の滝1

湯の滝までは、オンネトー南側の駐車場奥にある「湯の滝入口」ゲートから林道を1.5キロメートルほど。平坦な林道なので、ビギナーでも安心です。

十勝オンネトー湯の滝2

林道の途中で周りを見渡せば、まるで「苔の森」に入ったかのようです。アカエゾマツの原始林が繁り、樹木の根元は苔類に覆われています。

十勝オンネトー湯の滝3

オンネトー湯の滝には片道20分から30分ほどで到着します。手前は芝生広場のような開けた場所になっており、ログ造りの休憩施設やトイレもあります。

十勝オンネトー湯の滝4

▲滝から流れ落ちてくるのはお湯。上流で温泉が湧いているためで、上流は35℃ほど。下流に向かうほどぬるくなるほか、天候や気温によっても温度は変わります。

かつては滝上の池が天然の露天風呂として利用さてた湯の滝。しかし、微生物によって酸化マンガンを生成する現象が発見されたため、現在は入浴禁止となっています。

十勝オンネトー湯の滝5

滝を流れる温泉の影響で、岩につく苔もさまざまな色合いに。岩肌は黒く、世界でも貴重なマンガン酸化物生成現象を地上で見られる場所。景勝地でもあり、2000年に国の天然記念物に指定され、日本の地質百選に選ばれています。

周辺のマンガン鉱山では、1945年代にはおよそ3500トンのマンガン鉱石が採掘されていました。北海道大学が形成中の鉱床であることを発見。1989年に学術調査が行われ、微生物がマンガン鉱物を生成する世界で唯一の「生きている鉱床」であることが判明したのです。オンネトー湯の滝は陸上で観察できる最大のマンガン鉱物生成場所であり、「天然の実験室」として、現在進行形で世界的にも注目される場所となっています。

湯の滝まではアカエゾマツの原始林の中ですが、平坦で整備された散策路ですので、ビギナーでも気軽にトレッキングできます。ただ、ヒグマの生息地ですので、鈴をつけるなど十分注意して下さい。

■オンネトー湯の滝
【住所】北海道足寄町 茂足寄国有林内
【交通アクセス】車:札幌中心部から約3時間50分(道東自動車道 足寄IC利用)、阿寒湖温泉街より約30分
【駐車場】あり(無料)
【問い合わせ(TEL)】0156-25-2141 /足寄町経済課林業商工観光室

【投稿日】2018年11月05日(月)【投稿者】たびらい編集部

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