1. 湯川黒松林/函館

湯川黒松林/函館

【投稿日】2013年11月22日(金)| 北海道発

金森倉庫の創業者が私財を投じ造林したクロマツが900本余り残る公園

湯川黒松林

湯の川温泉のそばには湯川黒松林と呼ばれる公園がある。温泉街の中にあり、漁火通りに面して約1.4ヘクタールもの広大な緑地に900本余のクロマツが広がっている公園だ。

湯の川地区は明治10年(1877)代末に温泉浴場が開かれ、明治30年(1897)代には一大温泉保養地となり、富裕層の別荘が建ち並ぶようになった。しかし、津軽海峡から吹きつける強い潮風のため砂丘海岸の砂が舞い上がるのが難点だった。その難点を克服するため、金森倉庫の創業者・渡辺熊四郎氏が私財を投じ造林したのが湯川黒松林だ。明治22年(1889)から10年以上の歳月かけ、渡辺氏の故郷の沼津から約20万本のクロマツの苗を取り寄せてさまざまな困難と工夫を重ねて生育させた北海道最初の防風砂防林。その時の渡辺熊四郎氏の心境は、「老松のいわれ」の碑に刻まれている。

渡辺熊四郎氏が手がけた湯川黒松林は、この思いを引継ぎ後世に伝え残すため、函館市民共有の財産として、造成から百有余年を経た平成14年(2002)から15年度(2003)に、900本以上のクロマツが林立する市民公園として整備された。敷地内の林の中に入ると、あたりは空も見えないくらい松の木が大きく育っている。海からの風の影響のため生えている黒松はほとんどが同じ方向に大きく傾いている。夏には木陰を作り、ハマナスの花が目を楽しませてくれる。冬には風を防ぐクロマツの間をゆっくりと散策ができる。

【住所】北海道函館市湯川町1-7-55
【交通】市電:湯の川温泉電停下車、徒歩約10分
    バス:函館バス湯の川プリンスホテル渚亭前(老人福祉センター前)下車、徒歩すぐ 
    飛行機:函館空港から車で約10分
【問い合わせ】0138-21-3431 /函館市土木部緑化推進課

【投稿日】2013年11月22日(金)【投稿者】たびらい編集部

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