ピアソン記念館/北見
【投稿日】2013年11月13日(水)| 北海道発
北海道遺産として歴史に残る洋館建築

大正時代、誕生して間もない北見の町と開拓者の人々を支えたのが、ピアソン夫妻が説いたキリスト教の精神である。ピアソン記念館は夫妻の功績をたたえ、後世に伝えるために夫妻の旧私邸を資料館として保存公開する施設だ。
ジョージ・ペック・ピアソンはニュージャージー州エリザベスに生まれ、明治21年(1888)宣教師として日本に赴任する。東京の明治学院中学、千葉の県立中学で英語教師を勤めるかたわら地方でキリスト教の伝道を行う。明治27年(1894)に小樽に居住し、北海道の伝道にあたった。翌明治28年(1895)にアイダ・ゲップと結婚し、大正3年(1914)夫婦で現在の北見である野付牛に移り住む。以来14年間夫妻は北見で精力的に活動。大きな業績は、訳注付きの旧・新約聖書の出版と遊郭設置の阻止など。
夫妻は洋館を建てた高台を三本の柏の木を意味する「みかしわの森」(スリー・オークス)と呼び、聖書の教えを説き町民たちと交流したという。現在の建物は、夫妻が暮らした後、多くの人や団体が使用し手を加えられたため、昭和45年(1970)に当時の設計図面をもとに復元工事が行われた。設計者は当時の洋館設計の第一人者ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。彼の設計による日本最北の建築物で、歴史的価値が認められ北海道遺産にも指定されている。またヴォーリズは、近江兄弟社の前身となる会社を興し、日本にメンソレータム(メンターム)を普及させた実業家でもある。
【住所】北海道北見市幸町7丁目4-28
【交通】JR:石北本線北見駅から徒歩約15分
【駐車場】あり
【開館時間】9時30分~16時30分
【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日(土・日を除く)、年末年始(12月30日~1月6日)
【入館料】無料
【問い合わせ】0157-23-2546
【備考】URL http://www.npo-pierson.org/
【投稿日】2013年11月13日(水)【投稿者】たびらい編集部