1. 津軽藩兵詰合の記念碑/稚内

津軽藩兵詰合の記念碑/稚内

【投稿日】2013年10月08日(火)| 北海道発

ユニークな珈琲豆の形の記念碑の影に薬として使われた珈琲の歴史

津軽藩兵詰合の記念碑

日本最北端の地、宗谷岬に向かう途中にあるのが宗谷公園。このあたりには多くの記念碑があり、「日本最北端の地の碑」や探検家の「間宮林蔵の像」などが有名だ。ここ宗谷公園にも「津軽藩兵詰合の記念碑」という、楕円形で真ん中にスッと切れ込みの入ったコーヒー豆をかたどった記念碑がある。稚内は庶民がコーヒーを最初に口にした地域と言われているのだ。

文化4年(1807年)、北方警備のため派遣された多くの青森県の津軽藩士が宗谷の厳しい寒さのため、水腫病などの病気で命を失った。その後、水腫病の特効薬としてコーヒーが幕府から配給された。記録には「和蘭コーヒー豆、寒気をふせぎ湿邪を払う。黒くなるまでよく煎り、細かくたらりとなるまでつき砕き二さじ程を麻の袋に入れ、熱い湯で番茶のような色にふり出し、土瓶に入れて置き冷めたようならよく温め、砂糖を入れて用いるべし」とあり、これが庶民がコーヒーを口にした始まりだと言われている。

コーヒーは当時水腫病に対して効果があるとして、嗜好品としてではなく薬用として大切に使われていた。この碑は珈琲を飲むことができずに、亡くなっていった藩士たちを悼んで、また宗谷で薬用として珈琲が飲まれていた歴史を記念し、青森県弘前市の有志が中心となって建立したものだ。

【住所】北海道稚内市宗谷村
【交通】JR:宗谷本線稚内駅から車で約30分
【駐車場】あり
【問い合わせ】0162-23-6161/稚内市役所

【投稿日】2013年10月08日(火)【投稿者】たびらい編集部

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