1. ロマネスクイルミネーション/札幌

ロマネスクイルミネーション/札幌

【投稿日】2013年07月17日(水)| 北海道発

歴史的建造物を彩るイルミネーション

街全体が輝く夜景

北海道経済中心都市だった小樽は、漁業と海運の衰退とともに廃れていった。役目を失った小樽運河を埋め立てて道路化する計画がたてられる。この計画は埋め立て派と反対派に分かれ、全国を巻き込み論争となった。長年にわたる議論の中、昭和29年(1954)運河を含めた都市景観が真剣に語られた。行政にも影響を及ぼし景観を保全する条例の策定などに発展し、小樽は観光都市としての道を歩むこととなる。

昭和61年(1986)に、「サマーフェスティバル」というイベントが、小樽の若者たちによって企画・運営された。従来の神社の祭りや港祭りから誕生した「潮まつり」とは異なるもので、このイベントが初めて歴史的建造物のライトアップを試みた。サマーフェスティバル実行委員会スタッフはライトアップの技術を学ぶために、横浜の街並み研修にでかけた。市役所など担当者からさまざまなことを学び、照明器具をレンタル、壊されないための手づくりの枠を用意。これを受け、昭和63年(1988)行政が継続実施に乗り出し「ロマネスクイルミネーション事業」と名付けられた。この計画は策定にあたりイベントに携わる若者たちの意見を取り入れる工夫をしている。

ライトアップのポイントには観光客が多く訪れる運河と、繁栄の歴史を物語る「北のウォール街」周辺の銀行建築、そして公共の歴史的建造物が選ばれた。運河の散策路には全国的にも珍しい「ガス灯」が灯されており好評を博していたが、これに加えて運河沿いに立ち並ぶ倉庫群の壁面がライトアップされた。昼間の運河とは趣の異なる風景は、小樽の代表的な観光資源としてさらに注目されるようになった。

【住所】北海道小樽市色内 小樽運河、日本銀行旧小樽支店(現金融資料館)ほか
【交通】JR:函館本線小樽駅から徒歩約15分
【駐車場】なし
【料金】無料

【投稿日】2013年07月17日(水)【投稿者】たびらい編集部

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