五稜郭公園/函館
【投稿日】2013年05月21日(火)| 北海道発
1600本のソメイヨシノが咲き乱れる桜の名所

堀の周りに桜が咲き乱れ、水面には花びらが舞う5月初旬の五稜郭公園。現在では北海道屈指の桜の名所として地元民に愛されているこの場所だが、その歴史は幕末の動乱と共に語られる。
五稜郭は北方防備のため、ヨーロッパの城塞を参考に建設された日本初の星形要塞で、7年の歳月を経て元治元年(1864)に完成。明治元年(1868)には箱館戦争の舞台にもなり、土方歳三や榎本武揚らは五稜郭を旧幕府軍の最後の砦として明治新政府軍と激闘を繰り広げ多くの血が流れた。戦争終結後の明治4年(1871)には奉行所や付属の建物が解体されて陸軍省の管理下に置かれ、大正3年(1914)からは「五稜郭公園」として市民のため一般公開された。さらに昭和27年(1952)には「五稜郭跡」の名称で北海道唯一の特別史跡として国の指定を受けて以後、国民的遺産として保護・保存の措置が図られた。このような遍歴をだどる五稜郭は北海道の中でも深い歴史を感じることのできる史跡である。
公園として一般開放された大正3年(1914)に、当時の函館毎日新聞社は発刊1万号を記念し、10年の年月をかけて約1万本のサクラの木を寄贈し公園内に植樹した。平成22年(2010)に復元公開された箱館奉行所の側にある、一万号記念桜樹碑はその功績をたたえて建立されたものである。長い年月によって朽ちてしまった樹も多いが、今でも約1600本の桜が花を咲かせ、5月には多くの花見客で賑わっている。
冬には五稜郭の堀を電球で飾り「五稜星の夢(ほしのゆめ)」としてライトアップされる。雪景色の中浮かび上がる五稜星形の形は美しく、冬の観光の目玉となっている。
【住所】北海道函館市五稜郭町44
【交通】JR:函館本線函館駅から車で約15分
市電:函館駅前駅から約20分 五稜郭公園前下車、徒歩15分
【駐車場】なし(近隣に市営有料観光駐車場あり)
【料金】無料
■五稜星の夢(ほしのゆめ)イルミネーション
【期間】例年11月末~2月末
【点灯時間】17時~20時※五稜郭タワーの営業時間は19時まで
【問い合せ】0138-40-8009/五稜星の夢実行委員会
【投稿日】2013年05月21日(火)【投稿者】たびらい編集部