日本有数の小麦産地である美瑛町の丘を赤く染める赤麦 タクネ小麦

丘のまち美瑛は日本有数の小麦の生産地。その美瑛で今、新たな試みが始まっている。それが赤麦の復活だ。赤麦とは「タクネ小麦」という品種の小麦で、25年以上前に栽培されていた。熟れた穂や茎の色がやや朱色を帯びているのが特徴で、夕陽が差し込むとその穂が照らされて赤く映えることから、通称「赤麦」と呼ばれていた。赤麦を題材にした風景写真家、故前田真三氏が捉えた代表作「麦秋鮮烈」は、美瑛町の丘が一躍脚光をあびるきっかけとなった。
しかし、次第に収益性の良い他品種に代わり、いつしか赤麦は美瑛から姿を消してしまった。美瑛町開基100年を機に、町内の有志「赤麦を復活させる会」が夕陽のあたる丘に「赤麦」を復活させ、「麦秋鮮烈」の風景を再現した。
そして現在「赤麦を守る会」として、この貴重な赤麦のある風景を守ると同時に、赤麦地ビール、赤麦クッキー&カステラなど地場産品として商品化を図り、赤麦の消費拡大に努めている。町内では赤麦スパゲッティを食べられるお店も登場している。