可能性がいっぱいの十勝が生んだ超強力粉「ゆめちから」

超強力粉麦「ゆめちから」は北海道農業研究センター芽室研究拠点で作られ、平成24年(2012)から本格栽培が始まった。本格的に流通するとパン業界に革命をもたらすかもしれない期待の小麦だ。
もともと十勝は日本最大の小麦産地である。十勝の作付面積は全国の22%、日本の食料基地と言われる北海道の40%に当たる。離農する人が増えた中、十勝では残った農家は離農跡地を取得して1戸当たりの経営面積を拡大していった。規模拡大に合わせて必要な労働時間が少なく、農家収入の安定化に大きな役割を果たす小麦の面積が増えた。今では最も作付面積の多い作物になっている。
十勝の小麦は「秋まき」が中心で、うどんなどに向く「きたほなみ」や「ホクシン」が主に作付けされている。ホクシンなどに比べると少ないがパン作りに適した「春よ恋」などの小麦も生産。以前からある十勝の小麦と超強力粉のゆめちからがブレンドされれば、十勝小麦100%のパンやラーメンを楽に作ることが可能になる。地元のパン業界も期待を寄せている。また、新ご当地グルメとしてゆめちからを使った十勝ボロネーゼも誕生した。