くしろザンギ/釧路市
【投稿日】2013年07月22日(月)| 北海道発
下味のつけかたや調味、食材に至るまでレパートリーは無限大

北海道民のソウルフード「ザンギ」は、生姜やニンニクを効かせた醤油で鶏肉を長時間漬け込み、小麦粉等をつけて揚げた料理を指すのが一般的。ポピュラーな「鶏の唐揚げ風」とは一風変わったザンギを味わえる釧路でザンギが誕生したのは昭和35年(1960)。釧路市の末広歓楽街にある鶏料理店が、鶏の骨付き肉を唐揚げにし、ソースを添えて提供したのが始まり。そこは今「ザンギ発祥の店」として、一風変わった昔ながらの骨付きザンギを今もなお作り続けている。
現在、釧路市内の居酒屋や炉端でザンギを提供しない店はほとんどない。地元・釧路市民の『ネンギ』は、2010年に開催された釧路のうまいものを決める市民投票「フードバトルin釧路」で、くしろザンギがグランプリに選ばれた事からも窺い知れる。「くしろザンギ」は名実ともに釧路のご当地グルメになり、現在、市内の店は挙ってオリジナリティを追求した様々なザンギを提供。独自のタレをかけて仕上げる「ザンタレ」、そのザンタレに大根おろしを添えた「おろしザンタレ」、下味が薄めでソースをつけて食べるザンギ、下味がしっかりついたスタンダードなザンギなど、店によって食べられるザンギが違うのが面白い。
味付けの違いだけではなく、地元の食材を使った「鮭ザンギ」「くじらザンギ」「鹿ザンギ」や、ホルモンを揚げた「ホルモンザンギ」などレパートリーは無限大。釧路のザンギは名前であると同時に、「唐揚げにしたもの」という広い意味を持っていて、今も進化の真っ最中である。
【投稿日】2013年07月22日(月)【投稿者】たびらい編集部