日本一のホタテの養殖産地

北海道にある噴火湾は、東は室蘭からスタートし、洞爺や長万部を通ってぐるりと回った函館の手前、森町までを指す。周囲の山々から流れ込む栄養たっぷりの川の水が、海に流れてしまわずにそこで留まりやすいすり鉢状の地形で、魚や貝のエサになるプランクトンが豊富にあり、ホタテ養殖にぴったり場所だ。
噴火湾のホタテ養殖は「耳吊り式」で行なわれている。稚貝のときに穴を開けて、そこに糸を通してロープに吊り下げるという方法。2年間かけて育ったホタテは、うまみ成分のグリコーゲンや鉄分がたっぷりと含まれて、良いエサで育ったホタテは栄養価も高い。
稚貝は育てるためではなく、それ自体も食べることができる。洞爺湖温泉の飲食店などで稚貝のみそ汁や丼を提供しているところもある。噴火湾のホタテは11月中旬頃から3月までの冬が旬だが、稚貝は3月から6月上旬頃が旬だ。