若い鮭ならではの美味しさ 「トキシラズ」

トキシラズはロシアのアムール川やその支流に戻る鮭のうち、晩春から夏にかけて北海道沿岸で水揚げされる鮭のことを言う。一般的に秋に水揚げされるはずの鮭が、晩春から夏にかけて獲れることから、「帰って来る時を知らない」という意味で名づけられた。他には時鮭(ときさけ)や時不知(ときしらず)という名で表されることがある。一般的に「鮭」とは秋に獲れる秋鮭のことで、白鮭のことを獲れる季節によって呼び名を変えて区別している。
トキシラズは獲れる時期が短く、漁獲量も多くない。そしてこの時期に獲れるこの魚がもつ体の特徴による味への影響がブランドとして有名にしている。秋鮭は産卵のため産卵に戻ってくるため、卵に栄養を取られてしまう。しかしトキシラズは日本近海を回遊中に獲られた若い固体で、成長途中なので卵や白子も未成熟だが、そのぶん身全体に栄養や脂がたっぷりと蓄えているのが特徴だ。