ガラスの街小樽より 老舗ガラスメーカー
「深川硝子工芸」の工場と支える人々
伝統的なガラスの街として知られる小樽。この地で、クリスタルガラスを使った特徴的な製品を製造している工房が「深川硝子工芸」です。1906年(明治36年)に東京の深川で創業し、2003年に小樽に移転した老舗のガラスメーカー。この工房には、ガラスを使った作品に命を吹き込み続け、100年以上引き継いできた想いと歴史があります。そんな「深川硝子工芸」では職人たちが日々行っているガラス作りを垣間見ることができる工場見学を実施中。今回は「深川硝子工芸」の工場におじゃまして、職人たちの粋な姿と心意気に触れてきました。
工場を案内してくださったのは出口 健太さん。
2018年に、父であり先代の社長である新一郎さんから会社を引き継いだ30才の若手の代表です。
昔からの家業が「ガラス工場」であることから、幼い時からガラス製品が身近にある環境で育ちました。国内でも数少ないガラス工場の技術や文化を、後世に繋げたいという想いを強く持ち続け、今日もガラスの町 小樽で緻密な作業に勤しんでいます。
深川硝子工芸で作られる製品は、クリスタルガラスが使われていることが特徴。
ガラスを扱った工房は数あれど、クリスタルガラスは生産が難しく、国内で生産しているのはたった数社しかないのだそうです。
クリスタルガラスが持つ特徴は、一般的にガラス製品よりも重みがあり、輝きが良く、打音が高くてよく伸びる音を出すこと。
深川硝子工芸の製品はその性質を生かし、氷がグラスの中で転がるときの音の響きが良く、手に持った時に重厚感があり高級感を感じられるように設計されています。
これは、単に"きれいなモノ“を作るだけではなく、その製品がどう使われるのか、使う人の体験(コト)にまで着目した、いわば“コト作り”。
深川硝子工芸の製品に強く込められているのは、如何ようにも形を変えるガラス制作だからこそ職人の皆さんに大切に受け継がれてきた、製品への並々ならぬ「工夫」と「気遣い」です。
1906年、現在の東京都江東区にて深川硝子工芸(旧:井田製壜)創業。それ以来、手づくりにこだわり続けたガラス製品の生産を行っています。2003年に小樽に移転。先人より伝承してきた技術を守り後世に伝えていくこと、そして新しい創造への挑戦を続けていくことを使命として、現在は主に工芸用ガラス製品を製造しています。
株式会社深川硝子工芸
【営業時間】8時〜17時15分
【定休日】土曜日、日曜日
【料金】
・3階の見学用通路からの見学は無料。予約不要。
・現場内の案内付き見学は要予約(有料:1人につき1000円)
【住所】北海道小樽市有幌町2-3
【交通アクセス】JR南小樽駅より徒歩10分
【駐車場】無料(約2台分あり)
【問い合わせ(TEL)】 0134-31-3002
【公式サイト】
https://fukagawaglass.co.jp/