北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
更新:2020年10月05日
北海道だけに生息する、国内最大の陸上動物・エゾヒグマ。登別温泉街からほど近いこの場所は、常時約100頭ものエゾヒグマを飼育する珍しいスポット! 実に個性豊かなクマたちと、ユニークな施設の魅力を紹介します。
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北海道だけに生息し、日本国内では最大の陸上動物・エゾヒグマ。「のぼりべつクマ牧場」は、常時、約100頭ものエゾヒグマを飼育する珍しい施設であり、ヒグマの多頭集団飼育に成功した世界初の場所でもあります。牧場でのびのびと暮らす個性溢れるクマたちは魅力がたっぷり。 同じエゾヒグマでも、オスとメスでは楽しみ方が違います。エゾヒグマの牧場は3カ所あり、「第1牧場」ではオス、「第2牧場」ではメス、「子グマの牧場」では育ち盛りのエゾヒグマを観察することができます。 オスグマはメスに比べて、体が大きく動きが少なめ。オスの中では、群れ全体をまとめるボスが決まっています。牧場に設置されたパネルでは、それぞれのクマの特徴や、誰がボスなのかが説明されていますよ。じっくり観察して、ボスを探してみるのも楽しいひととき。普段はゆったりと動くオスグマですが、毎年5月~7月頃に繰り広げられる「ボス争い」は大迫力!「ヒグマ博物館」で紹介されている歴代ボスの特徴にもぜひ注目を。 第1牧場には、ヒグマを最も間近で見られるスポットとして「人間のオリ」が設置されています。人間がオリに入るような造りになっており、クマが外からのぞき込んでくるというユニークな仕組み。頑丈なガラスを隔てた先のクマの顔は、驚いてしまうほどの大きさ! ここでは、ガラス越しのツーショット写真を狙ってみて。 第2牧場を訪れれば、すぐに第1牧場との違いに気が付くはず。オスに比べてひと回り小柄なメスのエゾヒグマは、バラエティに富んだポーズや仕草でエサをねだります。前足を大きく振ったり、2本足で立ち上がったり、自分の足を持ち上げてポーズをとったりと、ひょうきんな姿は可愛らしく、つい餌をあげたくなってしまいます。その動きは飼育員が教えたものではなく、なんと、各々のクマが自分で工夫して考えたもの! メスグマの賢さ・器用さが伺えるシーンです。 メスのチャーミングなアピール方法をもっとじっくり見てもらおうと、平成24年(2012)から始まったのが「NKB総選挙」。有名アイドルグループのオマージュとして開催される総選挙の投票は、毎年ゴールデンウィーク頃に始まり、5月いっぱい受け付けています。集計後、上位7位までのクマをアイヌ語で「神7(カムイアラワンペ)」として発表し、それをモチーフに作成するポスターやグッズは大評判。ロープウェイの山麓駅には、平成27年(2015)の「神7」と記念撮影できるパ ネルも⽤意され、実にユニークな楽しみ方があるのです。お気に入りのメスグマを見つけたら、ぜひ清き1票を! 春には、「子グマの牧場」でぬいぐるみのような子グマたちの姿が見られます。生まれて間もない赤ちゃんグマはたまらない愛らしさ!すくすく成長する過程が楽しみですね。
のぼりべつクマ牧場では、クマ用のエサが購入可能です。コントロールよく投げ入れると、クマは前足や口で器用にキャッチします。うまくクマと呼吸を合わせられれば、楽しさも倍増! あまり遠くに投げすぎてしまうと、クマが気づかないこともあるので要注意。 第1牧場「ヒトのオリ」では、専用の筒を使用してのエサやりができます。頑丈なガラス1枚を隔てた距離なので、筒の向こうからオスグマの鼻息も聞こえるほど! クマを立ち上がらせるため、高い位置にもエサやりのための筒は用意されています。立ち上がったオスグマの大きさはさらなる迫力です。 エサは、スタンダードなクッキータイプの他にもう数種類。中でも取り合いになることもあるのは、クマの大好物「サケとば」です。この「サケとば」は、クマ牧場の完全オリジナルアイテム。「北海道らしいエサを作ってみよう」という試みから作られました。 「サケとば」を作るために、のぼりべつクマ牧場には冬の期間だけ特別なゴンドラリフトが登場します。その名も「さけとばゴンドラ」。たくさんのサケを吊したゴンドラが、通常のゴンドラと一緒にロープウェイを周回します。山の上にただ吊しておくよりも、ゴンドラで寒風にさらした方が出来がいいことからこの方法が採用されました。現在では、冬の風物詩として観光客からの人気も抜群。冬に訪れた際には、この「サケとばゴンドラ」を探してみましょう。 参加型のイベントとしては「アヒル競争」も評判。色違いのリボンをつけたアヒルたちが、ゴールを目がけて競争します。走る姿は可愛らしく、目は釘付けです。ゲームの開始前には色のついたチケットを購入でき、その色のアヒルが1位になったら記念品がもらえるというシステム。応援にもついつい力が入ります。 その他、小型犬による「わんわんステージ」も楽しめます。芸達者なわんちゃんたちが、二足歩行や縄跳び、カート押し、フォークダンス、樽乗りなど、さまざまなパフォーマンスを披露してくれますよ。
のぼりべつクマ牧場には、「ヒグマ博物館」があります。ヒグマを専門とした博物館は世界的にも珍しく、剥製や骨格標本のほか、クマの起源や歴史を紹介する貴重な史料の数はなんと500点以上。精密に作られた剥製は、どれも⽬の前にすると思わず緊張してしまうほど。 ここは生後1日目から成獣までの世代別剥製が揃っており、クマの一生をつぶさに感じることができます。クマの起源と歴史、世界の分布状況や人畜の被害状況、ヒグマの習性と生態など、興味深い資料がずらり。 また、エゾヒグマとゆかりの深いアイヌ民族の歴史も学ぶことができます。クマと人との関わりを示す史料は学術的な価値がとても高いもの。時間をかけて、じっくり見て回るのがおすすめです。 月に2度、ここで飼育員による「ヒグマのレクチャー」が行われることも。ヒグマやリスの生態、飼育に関する裏話、ここでしか聞けない最先端の研究の話など、毎回違うテーマの話を、実物や動画、写真をまじえて楽しめます。聴講すると、聴講記念証として飼育員お手製のオリジナルカードをプレゼント。実施日などは、施設に問い合わせてみましょう。 ヒグマ博物館には「展望台」という一面も。博物館の屋上には「クッタラ湖展望台」があり、晴れた日には日本屈指の透明度を誇る倶多楽湖(くったらこ)や支笏洞爺湖国立公園の原生林を眺めることができます。 クッタラ湖は、周囲8km、湖面高257m、深さ146.5mの真円形のカルデラ湖。湖岸には流れ込む川も流れ出す川もない湖であり、登別温泉の源泉とも言われています。エゾサンショウウオやヒメマス、ニジマス、エビなどが生息する静かな湖です。 のぼりべつクマ牧場は、実は展望台を中心とした事業からスタートしました。湖・原生林の向こうには、太平洋、オロフレ峠、来馬岳、渡島半島、下北半島まで、遠くは本州までの大パノラマが広がっています。季節ごとに異なる魅力がありますが、春には時折雲海が見られるので要チェック。特に早朝と夕方がおすすめです。
ヒグマ博物館の施設内には、豊富なメニューをとり揃えた「クマ山食堂」があります。北海道名物にもなっているジンギスカンをはじめ、ラーメンやうどんなどの麺類、カレーライス等ご飯類、各種飲物が揃えられています。 中でも1番の人気メニューは、ジンギスカン鍋を使った本格派のジンギスカン(1300円/税込)。ジンギスカンは定食(1000円/税込)でも味わえます。メニューが豊富なので、世代を問わず食事が楽しめますよ。 また、お土産として人気のグッズを紹介。特に人気が高いのは、「拝みグマ」のクリアファイル(200円/税込)。タイ駐日大使がクマ牧場の視察した際、手を合わせて餌をねだる熊の姿が同国の伝統的なあいさつ「ワイ」に似てることに気付き、「親近感を覚える」と語ったことから商品化されたもの。「お願い」をしているかのように見えるのが面白いと人気のポーズで、海外からの旅行者にも人気の商品でもあります。 本物のヒグマの毛が中に入ったキーホルダー「クマッた時の神(髪?)だのみ!」(500円/税込)も人気。アイヌ文化において神として扱われたヒグマの毛を身につけることにより、お守りの意味があると言われています。見た目にも可愛らしく、持ち歩きたくなるデザインです。 さらに、人気のクリアファイルがもう1種。「NKB総選挙」で上位を獲得したメスグマ7頭「神7(カムイアラワンペ)」をモチーフに作られたデザインです(200円/税込)。過去の総選挙の分までまとめて購入する来場者も多いそうですよ。あの餌おねだりシーンを目の当たりにすると、つい「推しメン」の姿を探してしまいます。 施設内では、至るところでサングラスをかけたクマのキャラクターを目にします。これはオリジナルのCMキャラクター、その名も「なまらかっこいいくま」。売店ではグッズも並んでいるので、チェックしてみてくださいね。
クマ牧場のもうひとつの顔として注目したいのが、「ユーカラの里」です。ここでは、アイヌの貴重な文化遺産を保存し、有形無形文化財を後世に伝えるため、明治初期の彼らの生活様式を忠実に再現。4月下旬~10月下旬の開村期間中には、平取町二風谷から文化保存として伝承者が常駐し、木彫りや工芸品の製作などを通して直接アイヌの文化を教えています。また、アイヌ民族の貴重な生活用具を約300点展示する「アイヌ生活資料館」も、開村期間中は開放されています。 近頃では、この「ユーカラの里」を目当てに訪れる来場者もいるのだとか。歴史を文化を伝える、とても貴重なスポットなのです。 また、ユーカラの里の奥には隠れた癒しスポット「リス村」があります。ここでは、北海道に生息しているエゾリスを飼育展示しています。 エゾリスはとても臆病な動物。巣箱に隠れてしまい姿が見えないこともありますが、会えることを願って足を運んでみましょう。なお、冬期間は積雪により見学できない場合もあるので注意。
のぼりべつクマ牧場 【住所】北海道登別市登別温泉町224番地 【営業時間】9時~16時(最終入場15時20分) ※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から当面の間は上記の通り変更となります ※2022年3月7日(月)~3月18日(金)の期間は施設保守のため休園 【入場料金】大人2650円、子ども1350円(ロープウェイ料金込) 【駐車場】あり。普通車520円 【問い合わせ(TEL)】0143-84-2225 【公式サイト】 http://bearpark.jp/
車で(レンタカーで)
札幌駅から道央自動車道 札幌北IC~登別東IC経由で約70分
電車で
JR登別駅より道南バス乗車し約15分で登別温泉バスターミナル着、ターミナルから徒歩約5分
公共交通機関(バス)で
札幌駅より道南バスで約100分、登別温泉ターミナルで下車。そこから徒歩5分
何か割引はありますか?
10月中旬~11月下旬にかけて、「どんぐり割引」というものがあります。クマのエサとなるどんぐりを来場者に持ち込んでもらい、その量に応じて値引きになるというもの。ユニークなこの割引の存在は少しずつ広まり、今では直接の来場が難しい遠方の人や、離れた土地に る小学校からどんぐりが届くこともあるそうです。詳しくは公式ホームページをチェックしてみてください。
ロープウェイの所要時間はどれくらいですか?
片道約7分です。風の強い日は約10分かかることもあります。
来場におすすめの季節はありますか?
どの季節も楽しめますが、春先は1年に1度の子グマのお披露目がありますので、子グマが見たい場合は春の来場をおすすめします。