北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
更新:2021年01月15日
北海道の限定飲料「ソフトカツゲン」は、道民のソウルドリンクといわれるほどの大人気商品。その誕生の地・雪印メグミルク札幌工場は、レトロな展示満載の歴史館を併設する見ごたえ抜群のスポットでした。※新型コロナウィルスの影響を鑑み、2020年10月より工場・酪農と乳の歴史観の見学を一時中止。再開時期は公式サイトをご確認ください。
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発売から60年以上のロングセラー乳酸菌飲料「カツゲン」が作られているのは雪印メグミルク札幌工場。札幌工場には、合わせて「酪農と乳の歴史館」が併設されています。歴史館が併設されているのは、全国の工場の中でも札幌工場だけ。両施設はなんと無料で見学可能です。 「酪農と乳の歴史館」は、昭和52年(1977)、雪印メグミルクの前身である北海道製酪販売組合の創立50周年を記念し、雪印乳業史料館として建てられたもの。日本の酪農や乳業に関わる史料が数多く展示されており、開業以来の見学者は370万人超! 幼稚園児から年配者に至るまで、さまざまな世代が訪れ、中には全国的にも珍しい史料の数々を求めて数日間通い詰める専門家もいる施設です。 見学コースは、工場や機械の様子がわかる施設2階と工場見学がセットになった「Aコース」、歴史が学べる3階が見学できる「Bコース」、そして「A+Bコース」の3コースから選択できます。どのコースも費用は無料ですが、事前の予約が必要です。 玄関ロビーの吹き抜けには、スイスやドイツなど世界各国から集められた74個のカウベルが吊るされています。自由に鳴らしてOKと聞いて手を伸ばして揺らすと、ベルによって音が違うのが分かります。広い牧場では、リーダーの牛にカウベルを装着することにより、その音で群れがどこにいるのか判別できるようにしているのです。楽しみながらも乳業への好奇心がくすぐられる仕掛けとなっています。
階段を上り、「酪農と乳の歴史館」2階へ。このフロアでは、雪印メグミルク工場のミニチュア模型を見ることができます。その大きさは、実際の30分の1。この他、チーズ・バターなどを作るための道具や機械が所狭しと展示されています。かつて使われていたものから現在使われているものまで、その年代もさまざま。機械の進化に注目しながら見てみるのも面白いですよ。 2階では、バターの製造に使われる道具を、年代を追って見られるコーナーにも注目。手動で小さな木の樽を回し製造していた「ハンドチャーン」から、容量がどんどん大きくなり、ステンレス製の「メタルチャーン」になっていく様子には時代の流れを感じます。いつ頃、どの国から持ち込まれたものかも合わせて解説があるので、日本と世界の関わりについても好奇心が湧きます。 また、密かな人気を呼んでいるのが「牛乳瓶のフタ」コレクション。小さいながらもたくさんのデザインが並ぶ様子は可愛らしく、じっくりと眺める見学者も多い展示です。牛乳のキャップを面子のようにして遊んだ昭和世代にも懐かしく感じられるはず。 子どもに評判の展示が、乳製品の製造工程を見学できる工場のミニチュア模型です。バター・チーズが実際にベルトコンベアで運ばれ、出荷に至るまでの工程を電動の模型で見られる展示は、ついつい長居してしまう面白さ。
「酪農と乳の歴史館」3階には、酪農や乳業の歴史を学べる充実の史料が揃っています。大正14年(1925)、雪印メグミルク株式会社の前身である「北海道製酪販売組合」から始まり、どのように現在の会社になっていくのか、商品の変遷、時代の変化までが分かりやすくパネルで紹介されています。 昭和16年(1941)頃、「株式会社北海道興農公社」時代に実際に使われていたソリと牛乳配達に使われていた木箱も、実際に展示。この時代のものが残されているのはとても貴重のようです。また、展示物が白黒からカラーになっていくのを見るのも興味深いポイント。特に、戦前・戦中・戦後のポスターやパッケージを見比べると、その違いに気がつくはず。年代別のポスターやパッケージの展示では、見学者から「懐かしい」という声が聞こえることも。歴史を学べるだけでなく、暮らしに寄り添う製品を生み出し続ける雪印メグミルクならではの、懐かしさや思い出に浸ることもできるフロアとなっています。 雪印メグミルク札幌工場の見学では、実際に商品が作られている現場を窓越しに見学することができます。ツアーのほとんどが撮影禁止のエリアですが、その分実際に足を運んで見る価値があるというもの。壮大でシステマチックな機械と、人の手によって商品が生み出される様子は、「酪農と乳の歴史館」を見学した後であればなおさら感動を覚えます。徹底した品質管理や衛生管理を体感することもでき、普段お店に並ぶ商品を見る目も変わりそう。 見学終了後には、工場で作られた牛乳の試飲やチーズなどの試食が可能です。商品が作られる過程や歴史を知った後では、いつもよりさらにおいしく感じるかもしれませんね。
「酪農と乳の歴史館」の1階には、実は神社があるのです。入口から少し歩いたPR室に足を踏み入れて、すぐに目に飛び込んでくるのは、なんと真っ赤な鳥居。その名も「勝源(かつげん)神社」。まるで狛犬のように、過去販売されていた瓶のカツゲンと、現在の紙パックのカツゲンが鎮座しています。 「カツゲン」のルーツは、昭和初期、海外に駐屯する兵士に向けた「乳酸飲料」として開発された「活素(かつもと)」です。昭和31年(1956)、当時、雪印乳業株式会社と提携関係にあった札幌酪農牛乳株式会社が『雪印カツゲン』の製造販売を開始し、昭和36年(1961)に2社が合併した頃には、「カツゲン」に「活素(かつもと)」の乳酸菌が使用されるようになりました。その後、「カツゲン」は昭和54年(1979)から、さっぱりと飲みやすい現在の「ソフトカツゲン」に変更されました。 「カツゲン」は、いつからか受験生やスポーツ選手の間で縁起を担いで飲まれるように。それを受けて勝源神社は平成17年(2005)12月に必勝祈願、合格祈願の守り神として完成。当時の場所は工場内の一角でしたが、今はより多くの人が参拝できるよう、酪農と乳の歴史館1階に移設されました。 勝源神社の守り神は「活力の給源」という印字が入っている、貴重な発売当初のデザイン。施設2階で目にできる過去の商品デザイン同様に、やっぱりこちらもレトロかわいいアイテム。また、実際に購入可能なおみくじは、工場近くの苗穂神社のもの。絵馬も用意されており本格的です。施設見学同様に事前予約が必要ですが、酪農と乳の歴史館では、勝源神社参拝のみの来場者も受け入れています。
雪印メグミルク札幌工場/酪農と乳の歴史館 【住所】北海道札幌市東区苗穂町6丁目1番1号 【受付時間】9時~11時30分、13時~15時30分(要予約) 【休館日】土日祝日・年末年始 【料金】無料 【駐車場】あり 【問い合わせ・予約(TEL)】011-704-2329 【公式サイト】 https://www.meg-snow.com/fun/factory/
車(レンタカー)で
札幌中心部から北8条通を経由し約3.2キロ、約10分
JRで
JR函館本線「苗穂駅」で下車。駅から約1.2キロ、徒歩約15分
バスで
北海道中央バス ・札幌北口から「東63東営業所行き」に乗り「北6条東19丁目」で下車、徒歩約8分 ・大通(北1条西1丁目、札幌商工会議所付近)から「循環3苗穂線」に乗り「北6条東17丁目」で下車、徒歩約3分 ・バスセンターから「東3番東営業所行き」に乗り「北6条東19丁目」で下車、徒歩約8分
車椅子・歩行器でも施設の見学はできますか?
介助者の同行があれば可能です。詳しくは問い合わせください。
工場見学の空き状況が知りたいのですが?
公式ホームページに工場見学カレンダーがあり、そちらで確認できます。ただし、こちらの空き状況は目安。最新の状況は電話(011-704-2329)で確認しましょう。
近隣に楽しめる施設はありますか?
近くには工場や記念館が集まっており、「サッポロビール博物館」、「北海道鉄道技術館」、「福山醸造」、「千歳鶴酒ミュージアム」があります。この4施設と合わせ、「酪農と乳の歴史館」は北海道遺産にも登録されています。
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