1. すべての人に開かれた寺、国宝・善光寺

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

すべての人に開かれた寺、国宝・善光寺

  宗派を問わずすべての人に開かれた善光寺は、長野を代表する名刹。厳かな雰囲気が漂う境内には国宝や重要文化財の貴重な建造物などが点在する。まんじゅうや土産物店が軒を連ねる仲見世通りの賑いも楽しみ。

一生に一度お参りすれば極楽往生できるとされる善光寺

  東京から長野新幹線で約1時間25分。長野県の北部に位置する長野市を代表する名刹といえば、善光寺だ。善光寺縁起によると、その始まりは古く、皇極天皇3年(644)と伝わる。日本に仏教の宗派が生まれる以前に創建されたことから、宗派を問わずすべての人に開かれた寺として歴史を積み重ね、今でも全国各地から参拝者が訪れている。約5万9000平方メートルと広大な境内には、国宝の本堂をはじめ、重要文化財の山門や経蔵など、見どころが数多い。時間をたっぷりとってゆっくりと見てまわりたい。

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江戸中期仏教建築の傑作の本堂

風格あるたたずまいの本堂は国宝

  現在の本堂が完成したのは、宝永4年(1707)。元禄13年(1700)の火災で焼失したため、7年の歳月を費やして建てられた。間口約24メートル、高さ約26メートル、奥行き約56メートル。仏堂の前に長大な礼堂を配した撞木造と呼ばれる独特の構造を持つ。江戸時代中期仏教建築を代表する大伽藍で、明治28年には国宝に指定されている。国宝建造物のなかでは、東大寺大仏殿、三十三間堂、知恩院に次いで4番目の大きさを誇る。
 善光寺は幾度となく火災に遭遇してきた。その数は記録に残っているだけでも十数回にものぼり、『平家物語』にも善光寺炎上は描かれている。しかしそのたびに善光寺は再建されてきたことからも、信仰の厚さがうかがえる。
「お戒壇巡り」も有名で、真っ暗な本堂の床下の回廊を進むとご本尊の真下に通じており、そこで「極楽の錠前」にふれると、ご本尊と縁が結ばれ極楽往生が約束されるという。

国の重要文化財の山門。額に隠された鳩を探せ!

創建時と同じ橡葺き屋根に復元された山門

  二層入母屋造りの堂々としたたたずまいが印象的な山門は、国の重要文化財。建立は寛延三年(1750)。平成14年から19年にかけて行われた平成大修理で、屋根は建立当時と同じサワラの板を用いた栩葺き(とちぶき)に復原された。
二階部分の内部には、四天王に囲まれた木像文殊菩薩騎獅像、四国八十八ヶ所の札所本尊の分身仏が祀られている。正面に掲げられた「善光寺」の額は、善光寺の文字に鳩が五羽隠されているので、別名「鳩字の額」とも。どこに隠れているのか探してみよう。

歴史好きにはたまらない!見どころが盛りだくさん!

経蔵

  宝暦九年(1759)に建立された経蔵も国の重要文化財。宝形造りのお堂で、内部中央には八角の輪蔵があり、その中には仏教経典を網羅した『一切経』が収められている。輪蔵の腕木を押して回すと『一切経』を全て読んだことと同じ功徳が得られるといわれている。現在は保存修理の工事中のため屋内に入ることはできないが、平成29年から再開を予定している。梵鐘は長野オリンピックの開会を告げた鐘として有名。寛文七年(1667)鋳造の名鐘であり、重要美術品に指定。
 参道にある駒返橋は、源頼朝の乗った馬の蹄が石橋の穴に挟まったため駒を返し、そこから歩いて参拝した伝わる場所。善光寺の外護職を務めていた松代藩真田家の、寛永・寛文年間の供養塔などもあり、見どころが尽きない。

7年に一度行われる「御開帳」

御開帳最大の盛儀「中日庭儀大法要」

  善光寺で最も有名なのが数え年で7年に一度行われる御開帳だ。4月上旬から5月下旬ごろまで、約2か月わたって開催される。この期間は、普段は善光寺御宝庫に安置されている「前立本尊」(重要文化財)を本堂にお迎えし、参拝ができる。「前立本尊」は、御本尊の前に立たれる分身の仏さまのこと。善光寺のご本尊の「一光三尊阿弥陀如来」は秘仏なので誰も見ることができない。そのため、身代わりとして鎌倉時代に造られた。
 御開帳の期間中は本堂前には回向柱が立つ。45センチ角、高さ約10メートルで、重さは約3トンと巨大だ。回向柱に触れるとご本尊に触れるのと同じ功徳を得られるとされているため、参拝者が長い行列路を作る。約2か月感触わられていた回向柱は、御開帳を終える頃には木肌が黒くなるともいわれる。

活気あふれる仲見世通りを散策

土産物店や飲食店が軒を連ねる仲見世通りには参拝客でにぎわう

  善光寺では入り口から本堂まで石畳が敷き詰められている。境内入り口から山門までは約400メートルで、全部で7777枚あるという。その途中の仁王門から山門までは仲見世通りとも呼ばれ、石畳の両側に仏具店や旅館、土産物店が60軒ほど立ち並び、活気にあふれる。野沢菜や味噌味のソフトクリームなどユニークな商品などがあり、信州の味を堪能しよう。お土産には八幡屋磯五郎の七味唐辛子がおすすめ。江戸中期から境内で七味唐辛子を販売していたというから歴史も古い。

善光寺へのアクセス情報

  住所:長野県長野市大字長野元善町491-イ
電話:026-234-3591
営業時間:5時30分~16時30分(季節によって異なる)
料金:境内参拝自由(内陣、お戒壇巡り、善光寺史料館共通諸堂参拝券大人500円、高校生200円 小・中学生50円)
山門特別拝観 大人500円、高校生200円、小中学生50円

車で

  上信越道須坂長野東ICから国道406号経由11キロ、27分

電車で

  JR東京駅から長野新幹線で約1時間30分、長野駅下車。善光寺方面行きバス15分、善光寺大門下車。

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