1. 伝統を継承し新たな歴史を刻む歌舞伎座

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

伝統を継承し新たな歴史を刻む歌舞伎座

  125年の歴史と伝統を受け継ぎつつ、最新機能も備えて、銀座に平成25年(2013)4月に新開場した歌舞伎座。この歌舞伎座と歌舞伎タワーを併せたGINZA KABUKIZAは、歌舞伎ファンのみならず、観光スポットとしても楽しめる。

銀座のランドマーク的な存在でもある歌舞伎座

  晴海通りと昭和通りが交差する一角、銀座4丁目に立つ歌舞伎座。約3年の歳月をかけて建替えが行われ、平成25年(2013)4月に新たなスタートを切った。初めて歌舞伎座が銀座の地に誕生したのは明治22年。その後、幾度かの改修や建替えが行われ、現在の建物が五代目となる。外観、館内ともに先代の面影を残しているのが大きな特徴で、正面玄関の唐破風と左右対称の破風大屋根の重厚な姿は、以前のイメージそのまま。もちろん、新たな技術も取り入れている。例えば屋根のひさしに並ぶ垂木。以前はコンクリートだったが、今回はアルミを採用することで軽量化し、災害や地震に強い建物に進化している。常に時代の最新の技術を集めて作られるのが歌舞伎座なのだ。

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四代目の面影を残しつつ、おもてなし効果を高めた劇場

劇場1階の大間は、ひと際華やかな空間

  劇場内も伝統を受け継ぎながら、最新技術を導入している。劇場の1階、大間(おおま)と呼ばれるロビーでひときわ目を引くのが緋色の絨毯。ここに描かれている模様は、先代の歌舞伎座の開場当時に施されていたものと同じものを再現。そして、間口や高さ、回り舞台の直径、花道の長さなど舞台の寸法は全て踏襲している。音響も10分の1の模型を作ってシミュレーションを繰り返し、残響時間が変わらないように努めた。客席は前後、左右の間隔を広げて設置しているので、長時間の観劇でも疲れにくいように配慮されている。また、あらすじや見どころを解説するこれまでのイヤホンガイドに加え、字幕ガイドも登場し、ビギナーでもより歌舞伎に親しめるようになった。

気軽に歌舞伎を楽しめるギャラリーが誕生

貴重な品々を展示する歌舞伎座ギャラリー

  観劇の場としてだけでなく、観光スポットとしても楽しめるのが、GINZA KABUKIZAの大きな魅力だ。そのひとつが歌舞伎座ギャラリー。舞台で使用した衣裳や小道具、普段は目にすることができない道具帳(舞台の設計図)などを展示するほか、年数回の企画展を行っている。貴重な展示の数々を見ているだけで自然に歌舞伎に興味がわいてくる。
ビルの5階の屋上にある屋上庭園も見逃せない。庭には今まで歌舞伎を支えてきた先人たちを讃える「先人たちの碑」や、歌舞伎作者の河竹黙阿弥の旧邸にあった石灯籠などが点在。緑の芝も清々しく、銀座の隠れた癒しスポットでもある。

待ち合わせにもぴったり。江戸の風情を感じられる木挽町広場

歌舞伎にちなんだ商品は銀座土産にもおすすめ

  最後に紹介するのは、地下2階木挽町広場。東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅直結というのもうれしい。歌舞伎公演の切符売り場をはじめ、コンビニ、土産物店、食事処などが集まる「木挽町広場」がある。隈取りをモチーフにした手ぬぐいや雑貨など歌舞伎座らしいお土産のほか、銀座の老舗とコラボした限定商品も手に入る。
ちなみに、このスペースは緊急災害時には帰宅困難者の受け入れに使用される予定で、劇場部分と合わせると約3000人が3日ほど待機できるスペースと食糧を提供する準備をしているという。観光名所でありながら、いざという時に頼りになる力強い存在だ。

舞台から見た客席

席数は1~3階まで合わせて1808席

  歌舞伎座で歌舞伎の魅力にふれていたら、実際に見たくなったという人も多いはず。歌舞伎座では、一年を通して毎月公演を行っている。月ごとに異なる演目を昼・夜の二部構成(ときには3部構成になることもあり)で上演し、1カ月約25日間休みなく行われる。切符(チケット)はほかの演劇やコンサートと同じように事前にインターネット(チケットWEB松竹)や電話(チケットホン松竹0570-000-489)、プレイガイド、劇場の切符売場で購入できる。もちろん、当日席があるときは、劇場の切符売り場なら開演ギリギリでも手に入る。
まずは気軽に少しだけ見てみたい…という人におすすめなのが一幕見席。歌舞伎公演は一部が2~3幕で構成されているが、その中で好きな幕だけを見ることができる席で、何度も見たい歌舞伎ファンにも人気。こちらは当日券のみの取り扱いで4階席となる。料金は演目によって異なるが、桟敷席は1万8000円~2万円ほど、間近で俳優陣の迫力ある演技を見られる1等席(1階席、2階席)が1万2000円~1万5000円、舞台全体が見やすくリーズブルな3階3等席で3000円~6000円ぐらい。一幕見席は800円~2000円が目安。

GINZA KABUKIZAへのアクセス情報

  住所:東京都中央区銀座4−12−15
電話:03-3545-6800 歌舞伎座
営業時間:公演により異なる
http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/
http://www.kabuki-bito.jp/ginza_kabukiza/lets_kabuki/

写真協力:松竹株式会社・株式会社歌舞伎座

車で

  首都高速銀座出入口を出て都道316号経由700メートル、3分

電車で

  JR・東京メトロ 東京駅から タクシー10分
東京駅から東京メトロ丸ノ内線銀座駅A7番出口から徒歩5分

バスツアーで

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歌舞伎座ギャラリー

  電話:03-3545-6886
営業時間:10時~18時(入館17時30分)
料金:一般500円(小学生未満無料)

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