1. ギネスにも載っている世界最大の牛久大仏

達人指南

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ギネスにも載っている世界最大の牛久大仏

  総高120メートルの世界最大の牛久大仏。真下から見上げると、圧倒されるほどの迫力。奈良の大仏も掌に載ってしまうほどの大きさ。

やさしいまなざしで関東平野を見守るように立つ巨大な牛久大仏

  正式名を牛久阿弥陀大仏という牛久大仏は、茨城県南部にその姿を誇示するブロンズ製の立像。立像としては世界で3番目の大きさ。だが、ブロンズ立像としては世界最大。「世界一の大きさのブロンズ製仏像」としてギネスブックに登録されている。20メートルの台座に載った像高は100メートル。台座を含め120メートルと巨大だ。掌は18メートル。両膝の幅が13メートル余という奈良の大仏が乗ってしまうほど。また、像高約46メートルのアメリカの自由の女神のおよそ2倍の高さにあたる。5階に分かれた拝観可能な胎内は、神秘的かつ厳粛な雰囲気。創建は平成4年、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺による。

大空に向かってそびえ立つ牛久大仏の大きさと魅力

写経体験や大仏建立過程のパネルを展示する大仏2階

  総面積約12万坪。その内560坪余を大仏が占める。まず、大仏の個々のサイズを紹介する。顔の長さ20メートル、目の長さ2.5メートル、口の長さ4メートル、鼻の高さ1.2メートル、耳の長さ10メートル、人差し指7メートル、親指の直径1.7メートル、台座の蓮台部の直径30メートル。頭部の丸まった髪の毛〝螺髪(らほつ)〟は480個あり、ひとつ1メートルで重さは200キロにもおよぶ。大仏の総重量はなんと4000トン。製造期間は10年を費やしたという。総高120メートルは、阿弥陀如来の心身から放つ智慧(ちえ)や慈悲(じひ)を象徴する十二の光明に因む。
牛久大仏は眺めるだけではなく、胎内に入ってこそ、その魅力が伝わってくる。胎内は5階に分かれ、各階ごとに幻想的な世界が広がる。1階は多彩な光がうごめく観想(かんそう)の間、2階は写経(しゃきょう)席などを設けた知恩報徳(ちおんほうとく)の世界。3階は3400体の胎内物に囲まれ金色の光に満ちた蓮華蔵(れんげぞう) 世界。4~5階はお釈迦様の仏舎利がある霊鷲山(りょうじゅせん)の間。必見は5階からの眺め。大仏の胸の部分にあたる高さ85メートルの展望窓からは、広々とした霞ヶ浦や双耳峰の筑波山を一望。天気しだいでは東京スカイツリーや富士山も遠望する。しばし大仏の胸を借り、四方の窓から関東平野の遊覧を楽しもう。

花々が大仏を彩り、ライトアップでさらに神秘的

4月上旬には桜と芝桜が見頃を迎え、大仏をやさしく見守る

  大仏は一体で、ぽつんと立っている訳ではない。大仏の足元には、極楽浄土をイメージした2万坪の、のびやかな花畑が広がる。4月中旬~5月下旬はポピー、キンセンカ、ゴテチャ、ライヤエレガンスなどで園内がもっとも華やぐ。6月はアジサイ、8月上旬~10月上旬は真っ赤なサルビアが開花。大仏をピンクに染めるかのように咲き乱れるコスモスは10月上旬~下旬が見頃。大仏は色とりどりの花に見守られ、巨大な姿を誇示。ポピーやかすみ草、コスモスなどは花摘みが楽しめる。
一度は訪れて欲しいのが、お盆追悼法要「万燈会(まんとうえ)」が厳修(ごんしゅ)される8月15日の夜。花畑に吊るされた無数の灯籠にロウソクの明かりが揺れ、さらに大仏をライトアップ。夜空には奉納花火が打ち上げられ、まさに極楽浄土の世界。暗闇に浮かび上がる大仏の姿は神秘的だ。当日はマジックショーやサルの曲芸、牛久かっぱ太鼓などが披露され、露店も並ぶ。

アウトレットでショッピング。シャトーカミヤでディナータイム

休日には多くの人たちで賑わうあみプレミアム・アウトレット

  さて、牛久大仏を見学したら圏央道阿見東ICに隣接するあみプレミアム・アウトレットに寄ろう。世界的に知られるファストファッション(最新の流行を取り入れながら低価格に抑えた衣料品)ストアチェーンのFOREVER21(フォーエバー・トゥエンティーワン)、アメリカ最大の衣料品小売店GAP(ギャップ)など、物販店はファッション関係を中心に約130。アイスクリームの31(サーティワン)や神戸元町ドリアなど飲食店は20余。ヤシの木、横文字で書かれた店名、建物の色など異国ムードたっぷり。林の向こうには横を向いた牛久大仏が見える。
ディナーは通称「牛久シャトー」と呼ばれ、かつて牛久ワインを醸造していたシャトーカミヤで。牛久駅に近い街中にあり、赤レンガ造りのシャトーカミヤ本館は初代神谷伝兵衛によって明治36年(1903)に建てられた国の重要文化財。残念だが、現在、文化財保存修理工事(2016年度中に終了予定)のためワイナリーと資料館は見学不可。ただし、ワイン貯蔵庫を改装した風雅なフレンチレストランキャノンは営業中。グラスを傾けたいのなら創作料理を味わいながら地ビールが飲める別棟のラ・テラス・ドゥ・オエノンをおすすめしたい。

牛久大仏の施設情報・交通アクセス

  住所:茨城県牛久市久野町2083
電話番号:029-889-2931
開園時間:9時30分~17時、土・日曜・祝日は~17時30分(10月~2月は9時30分~16時30分。入園は各30分前)。お盆追悼法要「万燈会」は17時30分~22時
定休日:なし
拝観料金:500円(大仏胎内を含むすべての拝観券800円)、12月~3月は400円(大仏胎内を含むすべての拝観券700円)。お盆追悼法要「万燈会」は無料

車で

  圏央道阿見東ICから県道34・25・34号経由6キロ、10分

電車で

  上野駅から常磐線50分牛久駅下車。牛久駅東口から牛久大仏行きバス35分終点下車すぐ

施設情報

  ■あみプレミアム・アウトレット
住所:茨城県稲敷郡阿見町よしわら4-1-1/電話番号:029-829-5770/営業時間:10時~20時/定休日:2月第3木曜

■シャトーカミヤ
住所:茨城県牛久市中央3-20-1/電話番号:029-873-3151/営業時間:レストランキャノンは11時30分~15時(L.O14時)、17時~21時(L.O20時)。ラ・テラス・ドゥ・オエノンは11時30分~L.O20時30分/定休日:年末年始

バスツアーで牛久大仏へ行こう

  車だと渋滞が気になったり、電車だと座れなかったり…牛久大仏までの移動時間は結構苦労する人が多いようだ。そこでおすすめなのが “バスツアー”。

バスツアーなら席も確保されているので安心。
運転する必要がないので、友達や家族との会話も楽めるし、昼寝も自由。
車窓からの景色を楽しみつつ、お酒を嗜むのもありだろう。

牛久大仏へ行くバスツアー

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