1. 東京のシンボル・東京タワー

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

東京のシンボル・東京タワー

  都心を一望する展望台からの眺め、夜空に幻想的に浮かび上がるライトアップなど、その美しいフォルムは今も昔も変わらないシンボルとして人気の東京タワー。その足元には徳川歴代将軍が眠る名刹・増上寺が江戸の歴史を伝えている。

東京の摩天楼にそびえるライトアップ姿が美しい

  公共放送における電波塔の一本化という使命を担い、また高度経済成長のシンボルとして昭和33年、港区の芝公園に完成した東京タワー。東京スカイツリーのオープンによって電波塔としての役割は終えたが、都心にそびえるその美しいフォルムは今も東京のシンボルとして愛され続けている。関東平野を一望できる展望台からの絶景、900種5万匹と世界一の規模を誇る外国産熱帯魚専門の水族館、そして日時によってさまざまに変化するライトアップと、訪れる人を飽きさせない魅力が満載だ。タワーの周辺には、徳川家歴代将軍が眠る増上寺など歴史スポットが多く、1日楽しめるエリアとして観光客が押し寄せている。

都心ならではの圧倒的な絶景が楽しめる東京タワー展望台へ

豆電球を一面に散らしたような夜景が眼下に広がる特別展望台

  では、さっそく東京タワーの展望台に登ってみよう。1階からシースルーエレベーターに乗るとわずか1分ほどで地上150メートルにある大展望台2階に到着する。2層構造になっている大展望台は、都心に林立する高層ビルを横から眺めるアングル。ここでのおすすめは大展望台1階にあるルックダウンウィンドウだ。床の一部がガラス張りになっていて、145メートル直下を覗きながら歩ける仕掛け。安全とわかっていても思わず足がすくむ。大展望台にはこのほかにも眺望を見ながら過ごせるカフェ、毎週ジャズやポップスのライブが行われるclub333特設ステージ、恋愛や合格祈願にご利益があるというタワー大神宮があり、楽しみはいろいろ。
大展望台を満喫したら、次はさらに高い223・55メートルの特別展望台へ。富士山や丹沢、房総半島まで広大な関東平野を一望するその眺めは、まるで飛行機の離着陸時のようだ。高さ30階以上の高層ビルがすぐ真下に見えるのは都心ならではで、まわりに高い建物が少ない東京スカイツリーでは味わえない高度感が魅力。

穴場的な癒やしスポットの東京タワー水族館

希少な古代魚や珍しい淡水魚に会える穴場スポット

  東京タワーの中に水族館があることは、意外に知られていない。1階の展望台直通エレベーター乗り場の右奥にエントランスがあり、825平方メートルの広いフロアに世界の珍しい熱帯魚を始め、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア・オセアニア、そして日本と生息地域別に分類された海水・淡水魚類が900種5万匹も飼育され、このジャンルでは世界一の規模を誇っている。アマゾンに生息するシルバーアロワナやアリゲーター・ガー、インドネシアのコブラ・スネークヘッド、アフリカのビッグマウスキャットなど、ほかの水族館ではめったにお目にかかれない希少な外国産淡水魚が充実。しかも、展示されている魚類のほとんどをその場で購入することができるとあって、マニアにはそれと知られた水族館なのである。イルカやアシカはいないけど、大型の淡水魚がゆったり泳ぐ姿はのんびりとして、どこか愛らしい。一味違った癒やしスポットとしておすすめだ。

東京の夜空を幻想的に演出するライトアップ

17段の階層にライトが灯るダイヤモンドヴェール

  東京タワーで一番の見どころといえば、東京の夜空を幻想的に演出するライトアップ。180個のライトがタワー全体を浮かび上がらせるランドマークライトが定番で、夏は涼し気な白、冬は温かみのあるオレンジを基調にライトアップされている。また、土曜日や祝日を中心に行われているダイヤモンドヴェールというライティングも見逃せない。全部で17段ある光の階層が赤や緑、青、赤紫など7色に変化して、より幻想的でロマンティックな姿を見せる。
このほか、年末年始には大展望台の窓ガラスの外側に西暦の数字を映しだしたり、FIFAワールドカップブラジル大会の際には応援の意味を込めて侍ブルーのライトが輝いたり、時期やイベントによってさまざまな東京タワーを見ることができる。ライトアップ時間は日没~24時(ダイヤモンドヴェールは20~22時限定で、その他の時間はランドマークライトを点灯)。ライトアップスケジュールは東京タワーの公式ホームページで確認できる。

東京タワーの足元に大伽藍を並べる増上寺へ

東京タワーをバックに建つ増上寺大殿

  東京タワーと並ぶこの界隈きっての見どころ増上寺へもぜひ足を延ばしてみよう。増上寺は明徳4年(1393)に現在の麹町付近に創建されたのが始まりで、江戸時代に徳川将軍家の菩提寺として厚く庇護されるようになってから現在の芝へ移された。豪壮な三解脱門(重要文化財)をくぐると、広大な境内に昭和49年再建の壮大な大殿が建ち、その向こうに東京タワーがそびえる風景は東京の新旧を象徴する構図といえる。
徳川家康の持仏だった秘仏黒本尊(阿弥陀如来像)を安置する安国殿の裏には、葵の紋をつけた青銅の鋳抜門があり、その中には徳川家2・6・7・9・12・14代の将軍と正室・側室を合葬した宝塔がズラリとたたずんでいる。かつては増上寺南側に壮麗な霊廟が並んでいたが、これは戦災で焼失。江戸時代の最高の技術が駆使された旧霊廟は、全体を緻密な螺鈿細工で覆われた絢爛豪華な造りで、現存すれば国宝はもちろん世界遺産クラスの遺構だっただけに焼失は残念だ。徳川家霊所は土・日曜・祝日を中心に特別公開(10~16時、500円)されている。

東京タワーへのアクセス

  住所:東京都港区芝公園4-2-8
電話番号:03-3433-5111
入場時間(メインデッキ ): 9:00~23:00 (最終入場 22:30)
定休日:なし

車で

  首都高速都心環状線芝公園出口から国道319号線経由2キロメートル、7分

電車で

  東京駅から山手線で浜松町駅下車、徒歩15分

増上寺

  住所:東京都港区芝公園4-7-35
電話番号:03-3432-1431
入場時間:
定休日:なし
入場時間:9時~17時

バスツアーで東京タワーへ行こう

  車だと渋滞が気になったり、電車だと座れなかったり…東京タワーまでの移動時間は結構苦労する人が多いようだ。特に東京タワーの場合は、展望台へのチケットの手配が必要になる。そこでおすすめなのが “バスツアー”。

バスツアーならチケットも含めて、席も確保されているので安心。
運転する必要がないので、友達や家族との会話も楽めるし、昼寝も自由。
車窓から東京の街並みを楽しみつつ、お酒を飲むのもありだろう。

≪東京発≫東京タワーへ行くバスツアー

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