「あやめの郷」潮来で、水郷情緒を満喫
前川や北利根川にろ舟が往来し、水面に色とりどりな100万株のアヤメが咲く5月と6月が魅力的
![あやめまつり期間中に1日限定で行われるイベント「水郷の燈」 あやめまつり期間中に1日限定で行われるイベント「水郷の燈」]()
潮来(いたこ)は茨城県東南部、千葉県との県境に位置し、三方を霞ヶ浦や北浦、北利根川、外波逆浦(そとなさかうら)の湖沼と河川に囲まれた水郷地帯。江戸時代には奥州から銚子を経て利根川を江戸へ向かう水運の中継地として栄えた。かつては「伊多古」や「伊多久」と称し、常陸風土記には「板来」と記されていた。だが、元禄年間(1688~1704)に徳川光圀(みつくに)が鹿島神宮の潮宮(いたみや)にあやかって「潮来」と改めたという。
潮来といえば「あやめの郷」といわれるほど、アヤメで有名。街が活気づくのは、アヤメが見頃を迎え「水郷潮来あやめまつり」が開催される5月下旬~6月下旬。このアヤメに魅せられて、毎年多くの見物客が押し寄せる。北利根川や市街を流れる前川には、観光客を乗せた何隻ものろ舟が行き交い、風情もひとしお。潮来観光は、この時期がもっとも魅力的だ。
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水郷潮来あやめ園で観賞できるのは、ほとんどがハナショウブ
![毎年、多くの人々を魅了するアヤメ咲く水郷潮来あやめ園 毎年、多くの人々を魅了するアヤメ咲く水郷潮来あやめ園]()
昭和22年、潮来は大火に見舞われる。その3年後、明治神宮菖蒲園からハナショウブを買い求め、念願のあやめ園を復興。それ以降、アヤメが見頃を迎えると年ごとに見物客が増え、今では県内外から多くの人々が訪れる観光名所に成長した。
アヤメが見られるのは、北利根川に注ぐ前川沿いに広がる水郷潮来あやめ園。かつて、周辺には前川、浅間下(せんげんした)、北利根川の三つのあやめ園があったが、一つに統合。1万3000平方メートルの面積を有する。潮来ではアヤメ、ハナショウブ、カキツバタを総称して「あやめ」と呼ぶ。アヤメ科の植物はカキツバタ、アヤメ、ハナショウブ、アイリス、イチハツなど多種。水郷潮来あやめ園で栽培されているのは、ほとんどがハナショウブで、アヤメとカキツバタはほんの僅か。ちなみにアヤメの開花期は4月下旬~5月中旬、カキツバタは5月上旬~中旬、ハナショウブは5月下旬~6月下旬。毎年、梅雨の時期に見頃となる潮来のあやめ。アヤメに、しっとりとした情緒を添えているのが雨だ。
水郷潮来あやめまつりは嫁入り舟、水郷の燈などイベントが豊富
![まつりで再現される仲人とともに嫁ぎ先まで向かう嫁入り舟 まつりで再現される仲人とともに嫁ぎ先まで向かう嫁入り舟]()
可憐なアヤメの花は、5月下旬~6月下旬に水郷潮来あやめ園で行われる「水郷潮来あやめまつり」で、人々の目を楽しませる。1万3000平方メートルの敷地に江戸系、伊勢系、肥後系など約500種100万株が白と紫の清楚な花を咲かせ、見物客を魅了する。必見は園中央に架かる高さ10メートルの水雲橋からの眺め。眼下に咲き競うあやめを一望にする特等席だ。北利根川も見える。
期間中、多彩なイベントを開催。かつての潮来の伝統的な嫁入りを再現したのが嫁入り舟。花嫁は手漕ぎのろ舟に揺られ、花婿の元へと渡っていく厳粛なイベントだ。嫁入り舟に乗るのは、全国から公募で選ばれた実際の花嫁たち。なかには、当日が挙式のカップルもいるという。水郷の燈(あかり)は1日限定(日程は未定。2014年は6月21日)の特別イベント。約1万個のロウソクが、あやめ園を幻想的に灯す。娘船頭が操るろ舟遊覧船は毎日運航。ギッチラギッチラとろを漕ぐ音は、水郷の情緒に似つかわしい響きだ。毎日22時まで、あやめ園ライトアップも行う。
水路を女船頭が操るサッパ舟で行く加藤洲十二橋めぐり
![エンジンを止め竹竿で操りながら水路を行くサッパ舟 エンジンを止め竹竿で操りながら水路を行くサッパ舟]()
水郷潮来あやめまつり以外で水郷の風情を堪能するには、通年運航の加藤洲十二橋めぐりをおすすめしたい。北利根川の対岸、12の橋が架かる水路(新左衛門川)を女船頭が操るサッパ舟で行く。出航は水郷潮来あやめ園近くの遊覧船乗り場だ。
舟は北利根川を横切り、加藤洲十二橋を目指す。十二橋水路入り口の閘門(こうもん)に入り、扉が閉まると5分ほど待機。閘門が開く際に流れる曲は「潮来花嫁さん」。年配者なら、つい口ずさんでしまうだろう。この閘門は北利根川より、これから進む水路の水面の方が約50センチ低いため、その差を調整するための水門。ここからはエンジンを止め、竹竿を操って狭い水路へと入って行く。しばらくすると小振りの売店が見えてくる。団子や船頭傘など舟の上から買い物をする、言うなれば水上ドライブインだ。両岸には民家が並び、どの家でも水路に降りられる階段を目にする。井戸端と呼ばれるもので、その昔、水郷のお嫁さんが嫁ぎ先まで舟で運ばれ、ここから上がって嫁入りをしたという。水路の橋も岸辺も改装されたが、往時の風習の名残を留めるとは、粋な計らいだ。舟は与田浦を経由し、大割閘門で水面を上げ、北利根川に戻って来る。所要1時間10分の舟旅だ。加藤洲十二橋めぐりは、佐原の与田浦からも出ている。
潮来の施設情報・交通アクセス
車で
東関東道潮来ICから県道50・101号経由4キロ、7分
電車で
東京駅から総武線快速エアポート成田で1時間15分、成田駅乗り換え成田・鹿島線45分、潮来駅下車
高速バス
東京駅八重洲南口から鹿島神宮または鹿島セントラルホテル行き高速バス1時間25分、水郷潮来バスターミナル下車
施設情報
■水郷潮来あやめ園
住所:茨城県潮来市あやめ1-5/電話番号:0299-63-1111(潮来市観光商工課)/開園時間:入園自由/定休日:なし/入園料金:無料
■加藤洲十二橋めぐり
住所:茨城県潮来市潮来109-12/電話番号:0299-62-2294(潮来遊覧船組合)/営業時間:8時~日没/定休日:なし
乗船料金:一周コース5人まで7000円、途中引き返しは5人まで5000円と6000円の2コースあり(6月は一周コースのみ運航)
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のんびり車窓を眺めながらお酒を嗜むのもありだろう。
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