1. 花と動物たちに癒やされるマザー牧場

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

花と動物たちに癒やされるマザー牧場

  斜面を彩る季節ごとの花、かわいい動物たちとのふれあいショー、グルメや体験など大人から子供まで一日たっぷりと楽しめる観光牧場

ペチュニアのピンクの花が青空に映える見頃は5月下旬~9月下旬

  「花と緑と動物、そして人間とのふれあい」をテーマにしたマザー牧場は千葉県南部、標高379メートルの鹿野山(かのうざん)の西斜面に広がる観光牧場。開業は昭和37年(1962)。マザー牧場の名は、亡き母に捧げる牧場という気持ちを込めて創業者が命名。大らかな自然環境の中、創業者のやさしさを受け継ぐ飼育員が世話をする動物は羊や牛、アルパカなど17種1200頭余。敷地は250ヘクタールと広く、動物ふれあいイベント、マザーファームツアー、乗馬、花摘み、イチゴ狩りなど楽しみ方はさまざま。中でも花畑は壮観。マザー牧場を楽しむには、丸一日は必要。ホテルやコテージのほか、夏期にはオートキャンプ場もオープン。宿泊を伴えば楽しみ方は倍増する。ゲージに入れるか、リード(フレキシリードは不可)を付ければ犬の入場も可能。

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ゆるやかな起伏の大地を彩る四季折々の可憐な花々

大斜面を黄一色に染めるまぶしいほどの菜の花畑

  広々とした場内は、四季を通じて花の絶えることはない。年末~2月中旬に見頃を迎えるのは約10万株のスイセン。場内のあちこちで見られるが、群落で咲くのは梅園付近。同じ方向に花を開くその姿は、なんとも愛らしい。花はロウバイ、梅と咲き継ぎ、3月中旬から1か月余は菜の花が主役の座に就く。菜の花畑は花の大斜面・東と同西、その間の1本の木の丘の3か所。約3万ヘクタールを350万本の菜の花が黄一色に染め上げる眺めは、感無量の美しさ。風が花を揺らす菜の花畑の散策路をたどると、まるで黄色い海の中を歩いているようだ。4月上旬には菜の花と桜の春爛漫の共演が見事。年数日の光景を見逃す手はない。
4月下旬~10月上旬は、イングリッシュ系やフレンチ系など約1万株のラベンダーが、ラベンダー園にさわやかな香りを放ち癒しのスポットに。2万株のペチュニアが、2000平方メートルの花の谷をピンクに変えるのは5月下旬~9月下旬。品種は桃色吐息。50歳以上の人なら、かつて高橋真梨子が歌ってヒットした「桃色吐息」を思い出すだろう。ほぼ年間を通じて見られるのがクローバー。ウォーターメロンやライチなど5種類が随所に植わり、それぞれの葉に花のような模様があるハッピークローバーと呼ばれる四葉。マザー牧場は、幸せだらけだ。

イベントとツアーでゆかいな動物たちとふれあう

動物にエサをあたえることもできるマザーファームツアー

  マザー牧場での必見は動物イベントだ。ひつじの大行進は、牧羊犬の誘導で150頭が悠然と姿を現す。羊たちのダイナミックな行進は柵の中へと導かれ、ここで羊とふれあえる(7月と8月は休み)。羊は毛を刈られるシープショーにも出演。世界中からやってきた19種類の羊が登場。1頭が丸裸にされるまで数分。その間、羊は目を細め気持ちよさそう。ショーマンと羊の絡み合いがユニークだ。
お尻を振りながら短い足で全力疾走するアヒルの大行進も笑いを誘う。こぶたのレースは、生後3か月余の大ヨークシャー種が登場。子ブタの投票マスコット(500円)を買い予想が的中すれば、お母さんブタのぬいぐるみがもらえる。子ブタの予想できない動きに参加者も必死。白熱のレースが展開される。
もっとマザー牧場を楽しむなら、マザーファームツアーの参加をおすすめしたい。トラクタートレインで東京ドーム3個分の牧場(まきば)を、ツアーガイドとともに1時間かけてめぐる。ラマやエミュー、アンゴラウサギなどに出会え、途中下車で羊やアルパカともふれあえる。東京湾や三浦半島、晴天ならその向こうに富士山を望む雄大な景色のおまけ付きだ。

味覚狩り、体験、グルメなどマザー牧場の楽しみは尽きない

ジンギスカンには、やっぱりビール。家族やグループで食べよう

  マザー牧場の楽しみは、まだある。味覚狩りは、フルーツトマトが12月上旬~5月下旬ともっとも長い期間楽しめる。品種は、甘くて人気の高い3、4種類のミニトマト。育て方は水に養液を用いた水耕栽培だ。梅狩りは6月中。ブルーベリー摘みは7月下旬から1か月余。約2000株と園内は広々。11月中はキウイフルーツ狩り、紅ほっぺやとちおとめなど、いちご狩りは1月中旬~5月下旬。手作り体験もできる。ジャムやアイスクリーム、オルゴール、羊の人形など内容はさまざま。
さて、ぜひ味わって欲しいのが、毎年20万人以上が注文するシンギスカン(ダブルセット2人~3人前3030円)だ。人気の秘密はタレにある。地元老舗の醤油をベースに30種類の野菜や果物を独自の技法でブレンド。素材にこだわり続ける創業以来の味。まさにこだわりは「旨味なり」だ。花畑を眺めながら食べられ、視覚も味覚も満足、満足。厚めにスライスしたラムチップや自家製ソーセージを加えると、さらに満足度が増す。食後は、濃厚でまろやかな味わいのソフトクリームで締めくくろう。

マザー牧場の施設情報・交通アクセス

車で

  館山道木更津南ICから国道127号、県道163号経由15キロ、30分

電車で

  東京駅から総武線快速で40分、千葉駅乗り換え内房線1時間10分佐貫町駅下車。佐貫町駅から鹿野山行きバス20分、マザー牧場下車すぐ

施設情報

  住所:千葉県富津市田倉940-3
電話番号:0439-37-3211
開園時間:9時30分~16時30分(土・日曜・祝日は9時~17時)、12月と1月は10時~16時(土・日曜・祝日は9時30分~)。春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始は土・日曜・祝日の開園時間
定休日:12月と1月にメンテナンス休園あり
入場料金:1500円。同伴犬600円。体験や味覚狩りなどは別料金

バスツアーでマザー牧場へ行こう

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運転する必要がないので、友達や家族との会話も楽めるし、昼寝も自由。
車窓から栃木の広大な景色を眺めつつ、のんびりお酒を嗜むのもありだろう。

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