茶臼岳麓の高原リゾート・那須高原
栃木県北部に広がる那須高原は、大自然に抱かれて温泉、史跡、レジャー施設が充実。子どもから大人まで楽しみ方に事欠かないリゾートスポットだ。
![紅葉の名所でもある那須。ひょうたん池から茶臼岳を見上げる 紅葉の名所でもある那須。ひょうたん池から茶臼岳を見上げる]()
栃木県北部、那須連峰の主峰・茶臼岳の南東側に広がる那須高原は、標高千数百㍍から標高300~400メートルまで、扇型に続く。飛鳥時代の開湯と伝わる那須温泉郷があり、古くから観光地や別荘地として開けた。皇室の御用邸もあることから“ロイヤルリゾート那須”ともよばれる一大高原リゾートだ。那須岳をはじめとする登山やハイキングコースが整備され、山腹には観光牧場や遊園地、美術館、動物園、ゴルフ場、スキー場などのレジャー施設が数多く並ぶ。宿泊施設も、一軒宿の温泉や静かなペンション、リゾートホテルなど多彩。最近はアウトレットも人気だ。カップルやファミリー、グループ旅行も、さまざまな楽しみ方ができる。
花も紅葉も、大自然のスケールは圧巻
![那須高原有数の名所、八幡ツツジ群生 那須高原有数の名所、八幡ツツジ群生]()
那須高原の大きな魅力は、四季ごとの自然の美しさだ。高低差がある山腹に広範囲に広がるため、花の種類が豊富で、しかも景観のスケールが大きい。有名なのが八幡ツツジ群落だ。標高約1000メートルの23ヘクタールにわたる斜面に、20万本のヤマツツジ、レンゲツツジが咲く。例年5月下旬には見頃を迎え、一帯が真っ赤に染まる。見晴らし台から望むツツジの波と眼下のパノラマがみごとだ。環境省選定の“かおり風景100選”や“栃木県景勝100選”にも選ばれている。
ほかにも高原北部の那須ゴンドラ山頂駅から那須登山道にかけては、国内最大級のゴヨウツツジの群生地が広がり、例年、5月下旬~6月上旬にかけて約3万本が純白の花を咲かせる。6月~7月はアカマツ林の中に続く那須街道に3キロにわたって約2000本のアジサイが咲き、アジサイの終わるころには清楚なヤマユリが花を開く。花だけでなく、新緑に包まれる滝や紅葉の山麓など、四季ごとにダイナミックな風景が見られる。
那須野が原を一望する茶臼岳は、50分で登れる百名山
![茶臼岳の山頂付近。流れる雲に手が届きそう 茶臼岳の山頂付近。流れる雲の手が届きそう]()
那須を訪れたら、ぜひ登ってみたいのが標高1915メートルの茶臼岳だ。百名山に数えられるこの名峰は、那須ロープウェイに乗ってわずか4分で9合目に着く。ロープウェイの山頂駅に到着すると、すでに雲は目の下。そこから山頂までは約50分だ。
茶臼岳は火山なので、山頂付近は噴火による砂礫に覆われている。高い樹木が育たないため、登山道ルートは見晴らしがいい。途中、砂と小石が混じってザラザラと滑りやすい斜面や、大きな岩石が折り重なるガレ場もあるが、それも本格登山の気分が味わえて心が弾む。山頂では360度視界が開け、関東平野に続く那須野が原を一望する。
山頂付近の姥が平やひょうたん池は紅葉の名所として知られる。茶臼岳付近の紅葉は、ドウダンなどの赤、ダケカンバの黄、クマザサの緑が小さな塊で交じり合い、“陸のサンゴ礁”と称される美しさ。例年、10月上旬に見頃となる。
栃木県内一の湯量を誇る那須十一湯
![大丸温泉旅館の混浴露天風呂「白樺の湯」。野趣あふれる 大丸温泉旅館の混浴露天風呂「白樺の湯」。野趣あふれる]()
那須高原には、那須十一湯とよばれ、県内一の湯量を誇る温泉郷が広がっている。歴史は古く、今から約1380年前の舒明2年(630)に「鹿の湯」が発見され、正倉院文書にすでに那須の温泉の記述があるという。その後、板室、三斗小屋、大丸、北、弁天、高雄など次々に温泉が発見され、地理的にやや離れた板室を除いて、現在は那須十一湯と呼ばれる。
白濁の硫黄泉である「鹿の湯」は、熱い湯を100~300回、後頭部からかぶる「かぶり湯」をし、その後浸かって休むことを繰り返す「時間湯」をするという独特の入浴方法が伝わっている。単純泉の大丸温泉は、黒羽藩主大関氏や乃木希典将軍が好んだ温泉として知られている。秘湯の趣を湛えた一軒宿、大丸温泉旅館が立つ。昔ながらのたたずまいを残し、映画『テルマエ・ロマエ』のロケ地にもなった北温泉、“仕上げの湯”ともいわれる弁天温泉、白濁の含硫酸塩硫化水素泉である高雄温泉、眺望のよい山腹に湧く八幡温泉、御用邸近くに開けた新那須温泉、標高1500メートルに湧く三斗小屋温泉など、それぞれに泉質やロケーションが異なり、個性的だ。
グルメもショッピングも美術館めぐりも、過ごし方は思いのまま
![子どもたちも大喜びの「那須りんどう湖 LAKE VIEW」 子どもたちも大喜びの「那須りんどう湖 LAKE VIEW」]()
高原の爽やかな風景に囲まれて、レジャー施設が充実している。女子旅なら、那須ステンドグラス美術館や那須オルゴール美術館、影絵が美しい藤城清治美術館などの美術館めぐりをして、那須ガーデンアウトレットでお買い物というコースもおすすめ。
ファミリーには、動物とのふれあいや乗り物が楽しめる自然いっぱいのレジャーランドが人気だ。その一つ「那須りんどう湖 LAKE VIEW」では、りんどう湖を中心に牧場やアトラクションが広がリ、乳搾りや仔牛へのミルクあげ、湖上に張られたワイヤーを滑車で空中滑空する爽快なアトラクション・ジップライン~KAKKU~などが人気をよんでいる。アトラクションが充実した那須ハイランドパーク、約150種の動物が見られる那須どうぶつ王国、乗馬やパラグライダーの体験施設もある。
名産のそばや地元野菜を使った和食店、新鮮な牛乳から作られるチーズを使ったイタリアン、那須ラーメンなど、食事処も充実し、アイスクリームやチーズケーキなどスイーツもおいしい。
那須高原の施設情報・交通アクセス
車で
川口JCTから東北道経由154キロ、2時間2分で那須IC、那須ロープウェイまでは19キロ、37分。
那須ロープウェイ普通車190台(無料)、県営八幡駐車場普通車98台(無料)など。
電車で
東京駅から新幹線やまびこで那須塩原駅まで1時間9分。那須高原方面へは、那須ロープウェイ山麓駅まで東野バスで1時間15分など。
高速バスで
新宿駅南口から高速バス「那須・塩原号」で那須温泉まで3時間32分。
バスツアーで那須高原へ行こう
車だと渋滞が気になったり、電車だと座れなかったり…那須高原までの移動時間は結構苦労する人が多いようだ。そこでおすすめなのが “バスツアー”。
バスツアーなら席も確保されているので安心。
運転する必要がないので、友達や家族との会話も楽めるし、昼寝も自由。
車窓から大自然を眺めながら、のんびりお酒を嗜むのもありだろう。
≪東京発≫那須高原へ行くバスツアー