1. ハート型の幻の湖 えりも町「豊似湖」ヘリコプター遊覧体験記

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ハート型の幻の湖 えりも町「豊似湖」ヘリコプター遊覧体験記

【投稿日】2017年09月06日(水)| 北海道発

今年(2017)9月30日(土)~10月22日(日)の期間中、えりも町の「豊似湖」でJTB北海道とえりも町の共同企画による、ヘリコプター遊覧飛行が実施されます。

たびらい北海道は昨年(2016)7月に行われたヘリコプターによるフライト体験取材に参加。その取材から知り得たえりも町の魅力、そして豊似湖に感じた可能性についてをレポートします。

札幌から4時間の道のりがスタート


▲7月某日、たびらいは豊似湖のあるえりも町へ向かいました。

札幌を出たのは7時。風吹く岬「襟裳岬」までは約4時間の道のりとなります。札幌市とえりも町、同じ道央地方に区分されながらも、都市間距離は約230キロ。しかし都市部から遠く離れているからこそ、えりもには濃密な自然が残されているのです。出発時、札幌は若干の雨模様。果たして豊似湖を目にすることはできるのか。不安を胸に抱きながらのスタートとなりました。

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【豊似湖とは?】
幌泉郡えりも町にある、小さな内陸湖。ハート型をしており、石屋製菓のCMポスターで知名度がアップしました。しかし、湖畔に至る道のりは容易ではなく、空から見る以外は「ハート型の湖」として認識できないため、これまで“幻の湖・秘境の湖”と呼ばれてきました。

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「風の館」で“風吹く岬”を体感


▲日高地方・新冠町(にいかっぷちょう)の道の駅で休憩をはさみ、午前11時にまずは襟裳岬の「風の館」へと到着。

襟裳岬は「風の岬」といわれます。風速10メートル以上の風が吹く日は、なんと年間で290日超。日高山脈の南端が2キロ先の海へと沈んでいく様子と、強い風を体感できるのが「風の館」です。



▲天候の悪い日、また風の強すぎる日にも「風の館」からは襟裳岬の姿を楽しめます。

その施設が「展望 襟裳岬」。岬はゼニガタアザラシの天然の生息地となっており、現在その数は約500頭。潮が引いたタイミングには、ぜひ望遠鏡で岩場を覗いてみてください。悠々と寝っ転がるアザラシたちの姿を見ることができるはず。

たびらいスタッフも、もちろんたっぷりとアザラシ観察を楽しみました。ここは夕日を眺めるのもおすすめです。



▲たくさんの展示がある「風の館」ですが、施設内のもうひとつのイチオシスポットがこちら「えりも風体験」。

岬に吹く(最大)25メートルの風速を体験できます。送風口から直近が風速25メートル体験ゾーン。こ、これは目を開けるのが厳しいレベル! 送風口から離れていくと体感する風の強さは弱まりますが、風速10~15メートルでも女性の髪はかなり……大変なことに。たびらいの他に参加した多くの取材陣が、実際に強風を体験しレポートしていました。

■風の館
【住所】幌泉郡えりも町字東洋366-3
【入館料】大人:300円、小・中・高校生:200円、幼児:無料
【開館時間】9時~18時(5.6.7.8月)、9時~17時(3.4.9.10.11月)
【問い合わせ】01466-3-1133
【公式サイト】http://www.town.erimo.lg.jp/kaze/

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えりも名物「真つぶ」を堪能


▲1時間ほど「風の館」を観光した後、昼食を隣接する「えりも岬観光センター」でいただきました。トキシラズ(春~初夏に獲れるシロザケ)、マツカワと呼ばれる高級カレイ、またタコなど、えりも地方は年間を通じてさまざまな魚介が水揚げされます。そこで、漁師さんたちも出稼ぎに行く必要がないという非常に海の豊かな地方。

この、えりもの貝でぜひ食べてほしいのが「真つぶ」です。

3月~10月まで獲れますが、旬は夏。香り豊かでコリッコリの食感、そしてその大きさにびっくりするはずですよ。この日は、つぶそば・つぶご飯・つぶの刺身など“つぶオンパレードランチ”を楽しみました。完食! ごっつぁんです!

忘れちゃいけない「日高昆布」


▲昆布そのものを現地で食べることはなくとも、お土産にしてみてはいかがでしょう。実は、逸品と名高い「日高昆布」の60%がえりも産。

えりもで獲れる昆布は「三石昆布」という品種で、商品になると「日高昆布」と呼ばれます。羅臼昆布、利尻昆布に並ぶ、北海道三大ブランド昆布の一角。煮物や昆布巻きにしてよし、ダシ昆布にしてもよしの昆布が「日高昆布」。7月~9月の夏から初秋の時期が漁期となります。



▲「えりも岬観光センター」では浜のお母さんが“ワタシのイチオシ昆布”を推薦してくれます。これは……買わずにはいられない。お母さん、いい顔してます。イチオシ昆布と素晴らしい笑顔をありがとう。大事に食べさせていただきます。こういう一期一会が旅の醍醐味ですよね。

お母さんと襟裳岬に別れを告げ、13時、いよいよ豊似湖のフライトへ出発です。

■えりも岬観光センター
【住所】幌泉郡えりも町えりも岬
【問い合わせ】01466-3-1666

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豊似湖遊覧飛行の舞台は「森と湖のふれ愛館」


▲えりも岬観光センターを発った後、30分ほどバスに揺られ、13時30分頃にえりも町の目黒地区に到着しました。

豊似湖へ向かうヘリコプター遊覧飛行の舞台は「森と湖の里ふれ愛館」。15年ほど前に廃校になったえりも町の「旧目黒小学校」を活用した休憩施設です。2015年度は豊似湖のみの遊覧飛行プランでしたが、昨年からは「豊似湖+襟裳岬」の遊覧プランが加わりました。



▲フライトタイムを待つ間、えりも地方と豊似湖の魅力について語ってくれた、えりも町の大西正紀副町長。

大西副町長は、遊覧ツアーを行う際、まずヘリコプターを確保するためのスケジュール調整が難しい、と教えてくれました。

えりもを飛ぶヘリコプターは、初夏~夏の富良野のラベンダーフライト、秋は青森県・おいらせ渓谷の紅葉撮影、冬場は道東・オホーツクの流氷観光とフライトスケジュールが非常にタイトに組まれています。

その合間を縫う形で初の「豊似湖フライト」が実現しました。2015年度は130人ほどの申し込みがあり、実現したのは約90人ほど。空の遊覧飛行の実現可否が天候・風に大きく左右されることを物語っています。

9月30日(土)~10月22日(日)の豊似湖フライトが設定されたのには、理由があります。えりも地方の9月、10月は天候が安定した時期であり、ヘリが発着する目黒地区は強風の影響を受けにくいこと。つまり、日本屈指の強風地帯のえりもエリアで、最もフライトの成功率が高いのが、秋の時期なのです。



▲豊似湖の生態と見どころについて教えてくれた、えりも町役場・産業振興課の石川慎也さん。

豊似湖にはニホンザリガニのほか、ワカサギ・アメマス・トゲウオなどが生息。時にはナキウサギの声も聞くことができるようです。また、10月初旬から中旬には湖周辺の木々が黄色~赤色系の紅葉に彩られ、視覚的にも非常に美しいと語るえりも町役場の石川慎也さん。

冬場は結氷し、アクセスルートも雪で閉ざされるために“秘境の湖”と呼ばれる豊似湖。その魅力を多くの人に知ってもらうため、駐車場とトイレを改めて完備し、ドライブ旅行を楽しむ人にも訪れやすい湖周辺の環境づくりが始まっています。

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ついに豊似湖の遊覧フライト開始!


▲さぁ、いよいよ豊似湖へのフライト開始。機体は4人乗りとかなりコンパクトです。

たびらいスタッフは豊似湖フライトがヘリコプター搭乗初体験。今回はなんと助手席に乗せてもらうことができました。湖を見るにはここがベストシートなのだとか(後になって知ったのですが)。



▲フワリとヘリコプターが地上を離れます。手を振ってくれる皆さん。行ってきます!



▲目黒地区を流れる猿留川(さるるがわ)水系を眼下に望みながらのフライト。どの方角に豊似湖が現れるのか、ドキドキします。

ヘリコプター内部はかなりコンパクトで、パイロットさんの操縦を邪魔することのないよう動作を小さめにしなければなりません。今回は一眼レフカメラを持ち込みましたが、コンパクトデジカメなど小さいカメラの方が撮影は楽です。

また、スマートフォンで動画も撮影しましたが、スチール撮影と両立するのは楽ではありませんでした。実際にフライトを楽しむ際は、動画かスチール、どちらかに集中するのがおすすめです。また、写真を撮るならば、広角仕様のカメラがよいですよ!



▲パイロットさんが「左手をご覧ください。あれが豊似湖です」とアナウンスしてくれました。ややっ、あれこそは!!!

空からのみ、その全景を望める幻の湖「豊似湖」


▲見事なハート形。「白い恋人」で有名な石屋製菓のポスターでは何度も目にしてきましたが、自分の目で見られる日が来るとは感激です。

この日、ヘリコプターは左に1旋回。存分に“秘境の湖”の姿を見ることができました。

実際のツアーでは左1旋回だけでなく、時計まわりにもう一度豊似湖上空を旋回します。これにより、助手席・後部左側の人だけでなく、皆がまんべんなく湖を見られるとのこと。フライト時間は約8分となっています。



▲湖周辺は豊かな森。豊似湖の周辺に人工構造物はほぼありません。「もし、冬の湖周辺にキャンドルを並べたなら。そして、その模様を空から眺められたなら、“北海道らしい”特別なロマンチック体験ができるのでは」。今回のフライトは、冬の豊似湖の可能性も考える機会となりました。

風の強いこの地方では、必ずヘリコプターが飛ぶ、とは断言できません。しかし、だからこそフライトが実現した時の喜びはひとしお。森の中の小さな“秘境の湖”を見た、その体験を同乗者同士で分かち合うのは特別な思い出となることでしょう。

この折に、ぜひえりも地方を訪れ、風を、グルメを、また秘境の湖を感じ、楽しんでみてください。


■えりも町・豊似湖ヘリコプター遊覧飛行
【期間】平成29年(2017)9月30日(土)~10月22日(日)/23日間限定
【時間】9時~16時
【場所】幌泉郡えりも町目黒214-6(森と湖の里ふれ愛館)

【料金】
・豊似湖遊覧コース(約8分) 大人1万3000円(12歳以上)、子ども1万円
・豊似湖&襟裳岬周遊コース(約20分) 大人3万3000円(12歳以上)、子ども3万円

【資料請求・問い合わせ】
0570-000-644(アミューズメント北海道/9時30分~17時30分 土日祝日休)
080-4105-5266(9/30~10/22限定の特別電話)

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風吹く岬を楽しもう。

「襟裳岬」の楽しみ方ガイド はこちら

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