美しい青の洞窟、そして過去の栄華…遊覧船でオタモイ海岸の全てを知ろう

イタリア南部カプリ島にある海食洞、有名な観光名所「青の洞窟」。小樽のオタモイ海岸所にも、青の洞窟を思わせる美しい洞窟が存在する。観光船「オタモイ」という奇妙な響きのこの名前は「砂の入り江」を意味するアイヌ語が語源。澄んだ青い海に断崖絶壁の続く光景は圧巻だ。
オタモイには、知られざる歴史がある。昭和初期この地にはオタモイ遊園地という一大リゾートが存在していた。遊園地内のメインになっていたのは、切り立った崖の中腹に建てられた三階建ての巨大な旅館「竜宮閣」。崖の上に何本もの支柱を立て、建物のほとんどが海に張り出している。当時は清水寺よりも迫力があるとまで言われていた。
しかし戦争で遊園地は閉園し、終戦後の再開を目前に火事で焼け落ちてしまった竜宮閣。見晴らし台となった竜宮閣の礎石や遊園地跡に続く遊歩道トンネルは残っているが、崖崩れの危険があるため閉鎖されている。今では遊園地跡を見られる手段は船のみとなっている。