網走監獄の五翼放射状平屋舎房
【投稿日】2013年11月11日(月)| 北海道発
ベルギーの監獄をモデルにした歴史的建造物

監獄施設の建築の一番のテーマは、いかに囚人たちが逃げられないような空間にするかということ。そのことを最も表現しているのが、この五翼放射状平屋舎房だ。中心に置かれた中央見張り(監視部屋)を起点に5つの棟が放射状に建てられており、少ない人数ですべての獄舎が監視できるようになっている。これはベルギーのルーヴァン監獄をモデルにしたもので、明治45年(1912)から昭和59年(1984)まで70年以上も現役の獄舎として網走刑務所で使用されていた。現在この形式の木造舎房としては世界最古。
ここには収容定員3~5名の雑居房が126室と独居房100室が置かれていた。雑居房の廊下側の壁は、ブラインド方式が採用され「斜め格子」で等間隔に「スキ間」を置きながらつくられているため、廊下側からは部屋の中は見えるが、囚人たちから廊下をはさんだ向かい側の部屋の中が見えないようにつくられている。これも囚人たちの交流を妨げることで、管理をしやすくするための設計だ。
廊下の下は厚いコンクリートで固められ、その上にレンガが敷き詰められているため穴を掘って逃げることも不可能。壁には、壊して逃げられることがないよう、太い間柱がすき間なく入れられている。さらに天井の明かりとりの天窓は厚さ7ミリの鉄線入りガラスが使われている。堅牢につくられていたため、木造にも関わらず長年の使用に耐えたわけである。
【住所】北海道網走市字呼人1-1
【交通】JR:石北本線網走駅から網走バス刑務所前下車すぐ
車:札幌中心部から約4時間30分(道央自動車道利用 札幌IC→丸瀬布IC経由)
【駐車場】無料
【開館時間】4月~10月:8時~18時、11月~3月:9時~17時
【料金】大人1,100円、大学・高校生770円、小・中学生550円target="_blank">http://www.kangoku.jp/index.html
【投稿日】2013年11月11日(月)【投稿者】たびらい編集部