1. 知里幸恵・銀のしずく記念館/登別

知里幸恵・銀のしずく記念館/登別

【投稿日】2013年10月10日(木)| 北海道発

「アイヌ神謡集」著者・知里幸恵の生涯と業績について学べる記念館

知里幸恵・銀のしずく記念館

「アイヌ神謡集」の著者、知里幸恵。はじめてアイヌの物語をローマ字表記で表し、わかりやすい和訳で本にした人物だ。執筆の動機は、アイヌ語研究で有名な言語学者の金田一京助に、アイヌ口承文芸の価値を説かれ勧められたからであるが、これは外面的なこと。知里幸恵の内面的な動機は、本書の「序」にかかれている。

アイヌの自由な天地が、明治以降、急速に開発され近代化したことが大正11年(1922)3月1日の「序」からわかる。狩猟・採集生活をしていたアイヌの人々にとっては、自然の破壊だけではなく、生活を追われることでもあった。社会からは滅びゆく民族と言われ、アイヌ語も文化も尊重されず排除されそうになっていることを自覚。文字にしてアイヌの物語などを残そうと、アイヌの文化を守りたいという切々とした思いをこの序で伝えている。その後、金田一京助に勧められ、知里幸恵は17歳の時に幼い頃から祖母と伯母から聞いていた「カムイユカラ」を金田一から送られてきたノートにアイヌ語で記した。上京し、金田一家でアイヌ神謡集の原稿を書き終え、校正も済ませ発行するだけの状態にまで仕上げたが、心臓麻痺により急逝した。

記念館には、知里幸恵の遺品、実際に書いた手紙、日記帳、アイヌ語のノート、そしてアイヌ神謡集が展示されている。今現在で直筆のものが140点程あり、小さいスペースをひとまわりすると登別生まれの知里幸恵の生涯と業績が分かるように展示されている。国内外から多くの人が訪れ、地元市民も愛する場所だ。

【住所】北海道登別市登別本町2丁目34-7
【交通】JR:室蘭本線登別駅から徒歩約15分
車:札幌中心部から約1時間20分(道央自動車道 登別東IC経由)
【電話】0143-83-5666
【開館時間】9時30分~16時30分(入館は16時まで)
【休館日】火曜日(祝・祭日除く)、年末年始(12月28日~1月5日)
【入館料】大人500円、団体(10名以上)450円、登別市在住者250円、高校生200円、小中学生100円
【備考】URL http://www9.plala.or.jp/shirokanipe/index.html

【投稿日】2013年10月10日(木)【投稿者】たびらい編集部

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