知床八景「オロンコ岩」|急な石段を登りきった先に見える絶景
【投稿日】2013年05月16日(木)| 北海道発

ここ知床半島のウトロ港には、青く澄んだオホーツクの海を背景に高さ約60メートルほどの不思議な形をした岩がそびえ立っています。それが知床八景のひとつ「オロンコ岩」。オロンコ岩という名前は、「そこに座っている岩」という意味のアイヌ語から由来しており、この岩について面白い逸話が残っています。
この土地に昔住んでいた先住民族のオロッコ族は、アイヌの船に対して悪さを働いていましたが、アイヌの村長の一計によって、海藻を集めて鯨の姿に模したものを鯨だと思い込み、捕鯨しようと出て来たところを退治されました。彼らが砦として使っていたのがこのオロンコ岩だったという話です。見渡しの良いこの岩の上は、きっと彼らにとっても難攻不落の砦だったことでしょう。
かつては島だったこの岩も、現在では陸続きになり頂上まで歩いて行くことが出来ます。オロンコ岩の側面は石段となっており、その急な階段を登ると石の上部は平坦になっています。そこからの眺めは抜群で、ウトロの町並みや知床連山など360度の風景を一望することができますよ。170段あまりの石段を登るのは大変ですが、登りきった後の達成感は格別! エゾシカの食害によって他の地域では見ることが少なくなった植物も、オロンコ岩では食べられること無く生息しているため、夏には可愛らしい花が咲く様子が見られます。
オロンコ岩の下には、知床観光船乗り場・駐車場まで続くトンネルがあり、トンネルを抜けた駐車場の近くには北海道の名付け親でもある幕末最大の探検家「松浦武四郎」の没後100年記念で建立された「松浦武四郎顕彰碑」と森繁久彌の「知床旅情」の歌碑が立っています。冬季は閉鎖されているのでご注意を。
■オロンコ岩
【住所】北海道斜里郡斜里町ウトロ東
【交通アクセス】車:札幌中心部から約5時間40分(道央自動車道札幌IC→旭川紋別道丸瀬布IC経由)
公共交通:JR知床斜里駅から知床線バスにて約50分→バス停ウトロバスターミナル下車、徒歩5分
【駐車場】夏期のみ有料
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【投稿日】2013年05月16日(木)【投稿者】たびらい編集部