歴史の深い味わい

古来からの開港地であった函館にはかつて多くの中国からの船が来た。中でもコンブなどの買い付けにくる江南出身の華僑が多かった。当時の函館の人々は華僑を広東さんと呼び交流も深かったようで、華僑が函館に広東の湯麺を伝え塩ラーメンのルーツになったのではないかと言われている。
清らかで澄んだ鳥ガラや豚骨などのダシに塩味をきかせたあっさりスープの中にストレート麺、具はチャーシューやねぎ、メンマにほうれん草、ナルトなど、素朴で気軽に食べられるラーメン。「函館 塩ラーメン」と呼ばれはじめたのはつい最近のことで、函館市民にとっては「ラーメン」だった。しかし、この函館のラーメンが全国各地に紹介されることで、函館 塩ラーメンと知られるようになった。