エビに似た風味がたまらない、別名「レイクロブスター」

ウチダザリガニは戦前にアメリカから渡ってきた帰化種だ。在来種のニホンザリガニの成体が7センチなのに対して、ウチダザリガニは20センチに達するものもある。日本の侵略的外来種100にも選定され、阿寒湖の天然記念物マリモを食い荒らすという困った事態も起きている。しかし、そんな厄介者のウチダザリガニには、実は別の顔があった。
ウチダザリガニの別名はレイクロブスター。北アメリカやヨーロッパでは高級食材のヨーロッパザリガニの代用としても使われるほど珍重されている。フランスでは「エクルビス」と呼ばれ、一般的な食材として扱われているのだ。プリプリとした身はシャコに似ており、大きなツメはワタリガニをも凌ぐ甘さ。頭部の味噌と生クリームと合わせたソースはエビのような風味で実に味わい深い。
北海道では阿寒湖と塘路湖で漁業権を得て捕獲、阿寒湖周辺の宿泊施設や飲食店、全国のフランス料理店などに提供している。ボイル済の物であれば通販でも購入可能で、おすすめはレイクロブスターのスープ缶。札幌市内中心部・地下街オーロラタウンの「きたキッチン」でも手に入る。濃厚な味わいで、じゃがいもやパスタとの相性も抜群だ。