1. オロチョンの火祭り|夜空に立ち上る炎のパワーを感じながらオホーツク文化に思いを馳せる

オロチョンの火祭り|夜空に立ち上る炎のパワーを感じながらオホーツク文化に思いを馳せる

【投稿日】2021年06月18日(金)| 北海道発

先住民の慰霊と地元の豊穣を祈願

オロチョンの火祭り

かつて北方から北海道にはオホーツク沿岸に移り住んだ先住民族がいました。その文化は同時期に北海道にあった続縄文文化や擦文文化とは異質なもので、独自のオホーツク文化として古代史に記録されています。オホーツク文化が花開いたのは紀元前3~13世紀。本州ではちょうど弥生時代が終わり卑弥呼が登場した頃から、聖徳太子の飛鳥時代を経て平安時代の時期にあたります。

このオホーツク文化の遺跡といわれているのが、網走市のモヨロ貝塚です。オロチョンの火祭りは、このかつての先住民の慰霊と地元の豊穣を祈願して行われる祭りです。

ちなみにオロチョンとは元来ロシア領内に居住する、ツングース系の民族を指す言葉ですが、日本では「北方民族」を指す言葉として用いられていました。この祭りの前身は1940年頃からモヨロ祭りとして始まり、戦後の1950年に、樺太から引揚げてきたウィルタ民族やニブフ民族の協力を得て、「オロチョンの火祭り」が正式な市の夏祭りとして組み込まれるようになったといわれています。

祭りは、神と語り通じ合えるという司祭(シャーマン)が登場し、採火式を執り行うところから始まります。シャーマンはかがり火を炊きながら、先住の北方民族であるモヨロ貝塚人(オホーツク人)の魂を慰め、豊穣を願い祈りを捧げ、北方の人々に伝わる民族衣装で着飾った人々が、タイマツをかかげながら行進し踊ります。夜空に立ち上る炎のパワーを感じながら、謎のオホーツク文化に思いを馳せる祭りです。

■オロチョンの火祭り
【開催日】7月下旬予定/ 2021年度開催中止
【会場】北海道網走市北1条東2丁目~南3条東4丁目
モヨロ貝塚~道の駅「流水街道網走」駐車場
【料金】入場無料
【駐車場】あり(無料)
【問合せ(TEL)】0152-44-5849/網走市観光協会
【公式サイト】http://www.abakanko.jp/

【投稿日】2021年06月18日(金)【投稿者】たびらい編集部

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