和歌山発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
弘法大師が開いた高野山を訪ね、精進料理のランチに舌つづみ。 午後からは日本屈指の山上ドライブコース高野龍神スカイラインを通って、三大美人の湯で有名な龍神温泉へ。 途中3カ所の休憩スポットでは、地元グルメと買い物を。 文/金森由利香
JR和歌山駅は和歌山の玄関口。 阪和線、きのくに線、和歌山線ターミナルとして多くの人が行き交う。 関西空港からもJRが使えて便利。 駅周辺には数軒のレンタカー営業所があり、どこも徒歩圏内。 営業時間はほとんどが8時~20時で、車種も標準的なものがそろっている。
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奥の院は高野山信仰の中心であり、弘法大師が入定されている聖地。 現在も僧侶の手によって、弘法大師のための食事が毎日運ばれている。 一の橋から御廟まで約2kmの参道には、樹齢何百年もの杉木立がそびえ、徳川家康や伊達政宗などの諸大名の墓石や、祈念碑、慰霊碑が20万基以上立ち並んでいる。 厳かな空気に包まれる参道を歩いて、日本一の霊場・高野山の歴史に思いを馳せる。
山全体が聖地とされる高野山。 金剛峯寺はその中心的存在で、全国3,600余りの高野山真言宗の総本山でもある。 重要文化財の主殿では狩野派の襖絵などで飾られた部屋や、国内最大級の石庭「幡龍庭」などが見られる。
壇上伽藍に立つこの塔は、完成までに約70年もの歳月が費やされた。 弘法大師がこの塔を真言密教の根本道場のシンボルとしたので、根本大塔と呼ばれる。 塔内は堂本印象画伯が描いた十六大菩薩像などで構成される立体曼荼羅となっている。
調理法や味付け、色彩バランスを大切にしている高野山の精進料理。 肉や魚を一切使わずに作られるが、しっかりした味付けと旬の素材、美しい盛り付けで食べる人を飽きさせない。 品数控えめな基本タイプは2,700円相当、 昼食におすすめの3,800円相当の標準タイプ、5,400円相当(写真)の三の膳までついた充実タイプと好みで選べるが、どれもカロリー控えめで女性にも食べやすい。 予約は各宿坊に直接か、宿坊協会でもできる。
精進料理が味わえるのは高野山内の宿坊。 宿坊とは寺院の中にある信者や参拝客のための宿泊施設のことだが、今では誰もが泊まれる宿として人気。 不動院では天麩羅などは客が席に着いてから揚げてくれるなど、細かい心くばりがなされる。
不動院は不動明王を本尊とし、906年に開基された12か院のひとつ。 山階宮家の菩提寺でもある由緒ある寺だ。 精進料理は美しい庭園が見える書院の座敷の他、築450年の県指定文化財の庫裡(いす席)でも食べられる。
絶景ポイント 高野龍神スカイライン
高野龍神スカイライン(国道371号)は、高野山から護摩壇山を経て、龍神温泉まで続く山岳ドライブウェイ。 1000m級の尾根を走り、冬は通行規制されることも。 ごまさんスカイタワー周辺の眺望は特に素晴らしい。
高野龍神スカイライン沿いにあるドライブイン。 標高約1000mの高地に位置し、5月には約1000株のシャクナゲの群生が、7月中旬~8月中旬は3500株のあじさいが咲き競う。 秋には紅葉が周辺の山々を見事に染め上げるなど、四季折々の風景が美しいところ。 季節ごとの山野草や、花園特産の草花の直売も行っている。
売店の建物の向かいにある第2駐車場からは、紀淡海峡や淡路島、空気の澄んだ日には四国を望むこともできる。 さわやかな風が吹き抜ける東屋でのんびり休憩しよう。
田辺市龍神ごまさんスカイタワーは、高野龍神スカイラインのほぼ中間地点にあり、県内最高峰の龍神岳や護摩壇山が望める高地に位置する。 しいたけ節などの名産品が販売されている。 スカイタワーから龍神岳山頂までの登山道も整備されている。
護摩壇山にちなんだ護摩木を積み上げたような形の高さ33mの塔からは、360度のパノラマが楽しめる。 東には大台ヶ原や大峰山、西は紀伊水道の島々が展望でき、天気の良い日には、四国山脈まで見える。
キーホルダーやネームプレート、干支動物の置物など、林業に携わる人が山仕事のできない日に手作りした素朴な木工品を販売。 龍神村の間伐材を使ったまな板、落としぶた、押し寿司の型や、龍神杉の割り箸などが土産に人気。 木工品展示ルームでは、手作りのテーブルや丸太を切ったイスなどの大作も展示販売されている。
「道の駅・龍神」の建物の屋根は、龍のうろこをイメージし、龍神の木材で作られている。 館内のレストランでは、緑の山や清流を眺めながら食事ができる。
ウッディプラザ木族館に立つ樹齢約350年の栂の巨木。 根元の周囲4.72mのこの木は龍神村内に自生していたもの。 館内には木の香りがただよい、かつて林業に使われた古い道具、民具を見ることができる。
龍神村で唯一の源泉掛け流しの湯。 島根県の湯の川温泉、群馬県の川中温泉と並んで、日本三美人の湯とされる。 ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)で、肌がツルツル、しっとりするだけでなく、よく温まるので冷え性、神経痛、肩こりに効果があるといわれる。 元湯の歴史は古く、役の行者によって発見され、その後、弘法大師が夢のお告げによって浴場を開いたと伝えられている。
龍神温泉元湯は、龍神温泉のオーナーたちが作る会社が運営する源泉掛け流しの共同浴場。 湯は毎日入れ替えられ、気持ちよく入浴できる。 21時まで開いているので、観光の帰りに立ち寄ることもできる。
日高川沿いに位置する龍神温泉元湯。 露天風呂では渓流のせせらぎが聞こえ、夜は星空を眺めながら湯浴みを楽しめる。
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東京湾アクアラインで海上を横断。 幻想的な亀岩の洞窟・濃溝の滝を観た後は、「まるはま」で南房総産の新鮮な海鮮浜焼きを堪能する。 そして、石仏のある日本寺を散策し、鋸山の山頂から「地獄」をのぞく。 温泉のあるかぢや旅館に到着後は、鋸山のふもとから湧き出るお湯で心身を癒す。
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