和歌山発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
醤油醸造で栄えた湯浅へ立ち寄り、和歌山の人気観光スポット南紀白浜へ。 日本最大級の海鮮市場や熊楠記念館などを楽しみながら、海岸沿いの絶景をドライブ。 パンダで大人気のテーマパークで遊んだ後は、露天風呂でのんびり。 文/金森由利香
JR和歌山駅は和歌山の玄関口。 阪和線、きのくに線、和歌山線ターミナルとして多くの人が行き交う。 関西空港からもJRが使えて便利。 駅周辺には数軒のレンタカー営業所があり、どこも徒歩圏内。 営業時間はほとんどが8時~20時で、車種も標準的なものがそろっている。
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湯浅は醤油発祥の地と言われている。 約750年前に中国から、湯浅の南に位置する由良の興国寺に金山寺味噌が伝わった。 それを作る過程で捨てていた水分がおいしいことに気付き、やがて始めから醤油を作るために仕込まれるようになった。 湯浅の醤油は濃口でかけてよし、煮物によしのオールマイティ。
湯浅の水は味噌や醤油作りに適していたため、醤油の産地として栄えた。 江戸時代には紀州徳川家の保護を受けて100軒近い醸造元があったが、今では数軒を残すのみ。 天保12年創業の「角長」では、昔ながらの製法を守って醸造を続けている。
古い民家が残るこのあたりは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、醤油と海運で栄えた湯浅の歴史が感じられる。 角長本店の向かいには角長醤油職人蔵(民芸館)と醤油資料館があり、醤油醸造の道具や民具が展示されている。
「とれとれ市場南紀白浜」は、堅田漁協が運営する海鮮マーケット。 西日本最大級の広い店内では、全国の魚貝類や和歌山の特産品を販売。 周辺にはドーム型のコテージ、海鮮寿司、温泉施設と、見る・食べる・泊まるが揃う複合施設だ。
朝、昼、夜と一日中バイキング料理が楽しめる「とれとれ亭」。 漁協直営だからその日の朝、水揚げされた鯛の刺身など新鮮な魚料理が味わえる。 旬の地野菜を使ったサラダや煮物、パスタやグラタン、ハンバーグなど子どもに人気の洋風メニュー、鉄板では熱々の海の幸やソーセージなどが用意されている。 デザートやフルーツまで多彩に揃ったメニューに、思わず目移りしそう。
南紀勝浦港などで水揚げされた、一度も凍らせていない近海物のマグロの解体ショー。 毎回多くの人だかりができる人気イベントで、解体したマグロは短冊に切り分けてその場で販売される。 本当のマグロの味をぜひ試したい。
南方熊楠は和歌山が生んだ世界的な博物学・民俗学者。 少年時代から驚くべき記憶力の持ち主で、19歳で渡米。 粘菌の研究に没頭した。 キューバやイギリスにも滞在し、大英博物館の東洋関係資料の整理を任される。 科学雑誌「ネイチャー」に数多くの論文を発表。 帰国後は和歌山県田辺に住み、新種の粘菌の発見、自然保護運動に熱心に取り組む。柳田國男との交流から民俗学の発展にも寄与した。
展示室では、熊楠が昭和天皇に進講した粘菌(変形菌)を顕微鏡で見ることができる。 他に少年時代に「和漢三才図会」を書き写したものや、さまざまな植物標本、メガネや鞄など熊楠の愛用品が展示されている。
記念館のある番所山は明治維新まで、紀州藩が異国船の見張り番をしていたところ。 屋上からは青い海と田辺市の町並みが見渡せる。 駐車場から記念館までは急な坂道が続くが、足腰に不安のある人は車で上がることもできる(要連絡)。
絶景ポイント 円月島
島の真ん中に円形の穴がぽっかり開いている円月島は白浜のシンボル。 円月島に沈む夕日は「和歌山県の夕日100選」にも選ばれている。
「人間と動物と自然とのふれあい」をテーマにしたテーマパーク。 人気のパンダの他にも、ライオンやゾウなどが間近に見られる「サファリワールド」、海の動物のパフォーマンスや触れあいが楽しい「マリンワールド」、観覧車などに乗れる遊園地「プレイゾーン」と、一日中遊んでも足りないほど。 各エリアでは、エサやりなどのツアーやアトラクションが豊富に用意されている(一部有料)。
日本で最も多い4頭のパンダが見られる。
イルカやクジラのダイナミックな演技が素晴らしい「マリンライブ」が、毎日行われているビッグオーシャン。 マリンウェーブやイルカふれあいプールでは、イルカたちとの記念撮影やふれあい、そしてフィーディング(エサあげ)と、すぐ近くで見ることができる。
絶景ポイント 白良浜
全長約600mの遠浅の浜は、その名の通り真っ白でサラサラの砂。 本州で一番早い海開きが行われ、夏にはカラフルなパラソルが並ぶ。 遊歩道も整備されているが、砂浜を素足で歩いて、細かな砂の心地よさを味わいたい。
景勝地の多い白浜だが、なかでも自然の雄大さを感じさせてくれるのが、この千畳敷。 畳を千枚敷けるほどと例えられる、広さ約4ヘクタールの巨大な岩盤でできている。 白くて柔らかい第3紀層の砂岩が、長い年月の間に太平洋の黒潮に浸食され、海に向けて階段のようにせり出している。 岩の上に腰かけて海を眺めたり、広大な太平洋に沈む夕日の美しさに浸ったりと、壮大な景色を楽しもう。
白浜温泉は古代から「牟婁の温湯」の名で知られ、天智、持統天皇や多くの貴族たちが訪れたところ。 有馬、道後と並んで日本三古湯と呼ばれる。 温泉以外にも釣り、ダイビング、ゴルフなどが楽しめる関西屈指のリゾート地だ。
青い海と白い波が作り出すダイナミックな光景。 漁師たちが沖の船や魚の群れを見張った「見壇」が変化して、「三段」と呼ばれるようになったという。 荒々しい波が岩肌に激しくたたき付けられる様は迫力満点。
万葉の昔から知られた「湯崎七湯」のひとつに数えられる崎の湯。 無色澄明のナトリウム塩化物炭酸水素塩泉で、舐めると少ししょっぱい。 リウマチ性疾患、運動器障害に効能があるという。 車を降りると硫黄と潮の香り、波の音が出迎えてくれる。
湯舟は3つあり、すべて露天。 一番上は屋根のある木製、真ん中は一番温度が高い。 一番下の湯舟は海までわずか10mで、波の音がすぐ近くに聞こえる。 大自然の中で開放感たっぷりの湯浴みが楽しめる。
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中央自動車道を八王子で降りると、その先には奥多摩の深き山々が待っている。 そこは都心とは違った東京の別の顔が見られる自然の世界。 「氷川小橋」で川のせせらぎと戯れた後は、「丹三郎」で絶品のそばを堪能。 奥多摩湖周辺を散策し、日原鍾乳洞で自然の神秘に触れよう。
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