京都発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
洛西の人気ドライブコース嵐山-高雄パークウエイを走る。 桜の名所・嵐山の寺社や高雄の寺を拝観後、162号線をひたすら北上。 豊かな自然が残る美山「かやぶきの里」を目指す。 なつかしい茅葺き民家が並び、都会では味わえないゆっくりとした時間が流れている。 文/安田祥子
JR京都駅から徒歩圏内でレンタカーを借りられる店舗は多数あり。 いずれもコンパクトな定員4人前後のレンタカーから、8人定員のグループ旅行向きレンタカーまで幅広く用意。 出発は京都駅だが、帰りは京都駅以外の駅を利用する場合は乗り捨て可能プランもある。
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春は桜、秋は紅葉が全山を覆い、四季の情景が楽しめる嵐山。 おなじみの渡月橋をはじめ、世界遺産の天龍寺など、周辺を散策するコースは嵐山を借景にした見どころが満載。 春秋の限定期間には天龍寺の塔頭寺院の一つ、弘源寺の重要文化財や宝厳院の庭園の特別公開もある。 観光客が比較的少ない午前中なら、じっくりと観賞できる。 寺院独特の厳かな雰囲気に浸ってから、洛北ドライブへ出発する。
弘源寺境内には、嵐山を借景とした枯山水庭園がある。 その中でも代表される「虎嘯(こしょう)の庭」では、四季折々の花や木々を楽しむことができる。 寺宝では竹内栖鳳と京都四条派の日本画を代表する作品を公開中。
宝厳院の中にある「獅子吼(ししく)の庭」は、室町時代に中国に二度渡った禅僧 策彦周良禅師によって作られた庭園であり、嵐山の景観を匠に取り入れた園内を回遊して鑑賞できる。 この獅子吼の庭は長らく非公開であったが、現在では初夏や晩秋に特別公開されるようになった。
高雄と嵐山を結ぶ全長10.7kmのドライブウェイ 。 ゲートは高雄口と嵐山清滝口の2か所あり、嵐山方面からは嵐山・清滝口ゲートを利用。 コース上には4か所の展望台があり、なかでも保津川の渓谷を一望する保津峡展望台は1番人気。 沿線には桜をはじめ、山ツツジが咲き誇り、途中5,000㎡もの広大な花畑が広がるフラワーパークでは春には紫ハナナやチューリップが満開になる。
花畑が広がる入園無料のフラワーパーク。 3月下旬から5月上旬は珍しい「紫ハナナ」を中心に、ポピーやチューリップなどの春の花が競演。 10万本以上の色とりどりのコスモスが満開になる秋も必見。 季節にあったイベントを随時開催しており、これまでは梅狩りやコスモスの摘み取りなどが行われている。
鯉やブラックバスが生息する大きな池がシンボルの菖蒲谷池遊園地(入園料無料)。 ボートほか、ほとりではバーベキューも楽しめる。 バーベキューは要予約。
絶景ポイント 保津峡展望台
嵐山・清滝口ゲートから2.5kmの「保津峡展望台」は、パークウエイの中でも一番人気の見晴らしポイント。 旧山陰線をのんびり走る「トロッコ列車」や保津川下りの舟を一望する。
高雄山の中腹にある寺。 周辺には駐車場が少ないので、パークウエイの高雄大駐車場に車を停めて、約1km歩くのがおすすめ。 山門へ続く石段の先に広がるこの寺は、空海が真言宗の基礎を開いた寺として有名。 境内には国宝の薬師如来立像をはじめ平安、鎌倉時代の仏像、絵画、書跡などが多く残る。 また境内の一番奥、地蔵院前の展望広場から錦雲峡に向かって投げる厄払いの「かわらけ投げ」も楽しい。
春は5月13日~15日頃、秋は10月12~14日頃に多宝塔の特別拝観として、五大虚空蔵菩薩像を御開帳。 カヤの一木造りの各尊は乾漆で彩色され、奈良時代から伝わる木心乾漆像の技法が堪能できる。
厄除けなどの願いを掛けて、高い場所から素焼きの皿を投げる遊びを「かわらけ投げ」といい、ここ神護寺がその発祥の地ともいわれている。 ここでは実際に地蔵院前の展望広場から錦雲渓に向かってかわらけ投げを行うことができる。
高雄から北上し、緑濃い北山杉の美林を抜けて到着するのが美山町にある道の駅「美山ふれあい広場」。 今なお豊かな自然が残る山里の中心部、平屋大橋を渡ってすぐの道の駅には、観光案内所や名産品を販売する「ふらっと美山」、美山牛乳の直売所「美山のめぐみ 牛乳工房」がある。 春・夏・秋のふれあい祭ほか、毎月第3日曜には「ふらっとふれあいの日」も開催。
「ふらっと美山」では地域の特産品である美山の新鮮な旬野菜や地鶏・産みたて新鮮な地玉子、乳製品、美山牛乳サブレを販売。 美山牛乳サブレは美山牛乳をたっぷりと使ったサクサクのサブレで、ここでしか販売していないので美山観光の際に立ち寄ってみよう。
美山牛乳の直売所「美山のめぐみ 牛乳工房」では美山牛乳を使った商品を製造から販売まで行っている。 おすすめは工房で出来たてを販売しているソフトクリームやジェラート。 ジェラートは、美山産の食材を中心に、季節や日替わりで毎日10種類程度お店に並んでおり、地元産ブルーベリーや丹波産黒豆、季節により栗やイチゴもある。 そのほか、美山の平飼い卵も使った人気のシュークリームや2種類のプリンなども好評。
お楽しみのランチは「かやぶきの里」にある「お食事処きたむら」へ。 石臼挽きした美山産そば粉100%を使った手打ちそばで評判の店。 美山のおいしい水を使って打ったそばは喉越し抜群。 何もつけずに食べるとそばの実のほんのりした甘みと香りが口中に広がる。 一番人気はシンプルなもりそば。 とろろ、大根おろし、梅しその三種のそばを楽しめるそば三昧も人気。
茅葺き屋根の趣ある店。 秋には店の前の一面に広がる畑のそばが真っ白な花をつける景色を愛でながら、自慢の手打ちそばが堪能できる。
職人が当日の温度や湿度を見極めて丹精込めて打つ。 かなり細めながらコシがあるそばは、売り切れ次第終了。 そばの取り置きもできるので来店前に予約をしておくのがいい。
絶景ポイント かやぶきの里
美山町の由良川沿いの北集落は「かやぶきの里」と呼ばれる。 昔ながらの茅葺き屋根の民家が40軒弱残り、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定。 あぜ道に咲く野草、清流に泳ぐ魚など、日本の農村の原風景に、心癒やされる。
「かやぶきの里」から車ですぐ、芦生の森のトレッキング(要予約)など、多彩な体験ができる。 レストランの鹿肉を使ったジビエ料理や、5月下旬~6月中旬に見頃のバラ園が楽しめる。 また河鹿荘には美山の山林の間伐材を燃料にした風呂があり、香り高いバラ風呂(土曜のみ)や薬草風呂の日帰り入浴が可能。
毎週土曜日はバラの花びらを浮かべたバラ風呂が楽しめる。 クレオパトラも愛用したというバラは収斂(しゅうれん)作用があり、肌にハリが出ると評判。 優雅な香りの風呂にゆったり浸かり、疲れた体をリフレッシュ。
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東京湾アクアラインで海上を横断。 幻想的な亀岩の洞窟・濃溝の滝を観た後は、「まるはま」で南房総産の新鮮な海鮮浜焼きを堪能する。 そして、石仏のある日本寺を散策し、鋸山の山頂から「地獄」をのぞく。 温泉のあるかぢや旅館に到着後は、鋸山のふもとから湧き出るお湯で心身を癒す。
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