熊本発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
JR熊本駅から天草の入り口「1号橋」まで車で約1時間。 海岸や港に寄り道しながら、天草ならではの海鮮料理を楽しませてくれるグルメスポットへ。 海を望むカフェやクルーズを満喫したら、最後は美しい海を眼下に望む露天風呂で癒されよう。 文/寺脇あゆ子
九州新幹線をはじめ、さまざまな特急列車が停車し、毎年多くの旅行者が訪れる駅。 徒歩5分圏内にレンタカー会社各社の営業所がある。 営業所で手続をして借り出し、返却は同じ営業所または別の営業所で行う。 軽自動車からワゴン、エコカーまであらゆる車種が揃う。
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国道3号線から国道57号線に入り天草方面へ。 海岸線をしばらく走っていると御輿来海岸が見えてくる。 宇土半島の北側、網田周辺の約5kmにわたって続く穏やかな海岸で、「日本の渚百選」「日本の夕陽百選」に選定される景勝地だ。 4世紀中頃、景行天皇が九州遠征の際に美しい海岸線を目にし、御輿(みこし)をしばらくとめて休んだという伝説から、その名が付いたといわれている。
有明海は干満の差が日本一で、潮が引いた御輿来海岸の砂地には、風と波による三日月型の美しい砂紋(砂干潟)があらわれる。 日中の景色もいいが、干潮と夕景が重なる時間帯もみごと!
空気が澄んだ晴れの日には、有明海を挟んだ対岸の島原半島や雲仙普賢岳を望むことができる。 海岸線は、波の浸食によって岩が重なり合った「千枚岩」で、その形から別名「ふとん岩」とも呼ばれる。
御輿来海岸から国道57号線をさらに進むと、右手に現れる「三角西港」。 明治政府の殖産興業の政策に基づき、オランダ人水理工師であるローエンホルスト・ムルドルの設計によって、明治17(1884)年から20(1887)年にかけて建設された港である。 全長730mに及ぶ石積の埠頭や水路、建築物など、明治の築港施設がほぼ当時のまま残っているのは全国的にもめずらしく、貴重な文化財として保護されている。
明治20(1887)年に建てられたコロニアル様式のホテル「浦島屋」。 明治32(1899)年に廃業、同38(1905)年に解体されたが、平成4(1992)年に復元。 小泉八雲がこのホテルを舞台に紀行文を書いたことでも知られる。
三角西港には当時の面影を残す建築物が点在。 「髙田回漕店」もその一つで、4隻の汽船を所有していた廻船問屋が、三角西港の開港とほぼ同時に建築した。 平成10(1998)年に復元され、現在は宇城市有形文化財に指定されている。
絶景ポイント 天草五橋
国道57号線から国道266号線に入る交差点を右折すると、天草五橋の1号橋(天門橋)が見える。 ここから2号橋(大矢野橋)、3号橋(中の橋)、4号橋(前島橋)、5号橋(松島橋)を経て、天草上島に上陸。 五橋がつなぐ道路は、「天草パールライン」と呼ばれる。
天草五橋の5号橋を渡ってすぐ、左手にある「海鮮家 福伸」。 店内から真っ赤な5号橋が見える絶好のロケーションで、天草ならではの海鮮料理を楽しむことができる。 うに丼やあわび丼、車海老天丼など丼メニューが充実。 たこ刺、たこステーキ、たこまぶし丼など「天草といえば、必食!」のタコ料理も各種そろう。 週末や連休を中心にランチどきは行列になることも多いので、少し時間をずらして訪れるのが無難。
天草の地魚をはじめ、ウニやイクラ、穴子など、新鮮な魚介をふんだんに使い、贅沢に盛り付けた「特上海鮮丼」。 そのほか、10種類以上の丼メニューが楽しめる。
目の前に真っ赤な5号橋や海を望む小上がりのほか、カウンターや個室もあり、さまざまなシチュエーションで利用できる。 店内には天草名物のみやげものを購入できるコーナーがある。
天草の海鮮グルメを堪能したあとは、車で15分ほどの隠れ家カフェへ。 かつて鮮魚店だった建物を改装した店で、「高野鮮魚」という看板が目印。 自家焙煎のスペシャルティコーヒーや地元の素材でつくるドリンクやスイーツ、フードメニューが楽しめるほか、店主夫妻がセレクトした雑貨の販売、各種ワークショップの開催など、さまざまな角度からステキな「モノ・コト・ヒト」を発信している。
木製や陶器の器、革製品、リネンなど、一つ一つ手に取ってその肌触りを感じたくなるようなアイテムがセンスよく並べられている。 つくり手によるワークショップも不定期で開催。
「シークルーズ」では、天草松島周辺のクルージングが楽しめる。 もっとも人気が高い野生のバンドウイルカに出合える「イルカウォッチング」は約2時間、天草五橋の2号橋から5号橋をめぐる「天草五橋クルージング」は約30分。 荒天時は運休。
天草には大小120余の島があり、なかでも、天草パールラインはとても美しい景勝地として知られる。 「天草五橋クルージング」では、2号橋から5号橋までの絶景を爽快にめぐる。
天草松島の島々をオレンジ色に染める夕日は、「日本の夕日百選」に選定されるほど美しい。
天草五橋の5号橋を渡ってすぐ、松島有料道路に入って約10分。 有料道路の終点のすぐ近くにある「リップルランド」は、物産館やカフェ、アスレチックなどがある複合施設。 なかでも、大浴場や貸切風呂をそなえる有明温泉「さざ波の湯」は人気が高い。 有明海に面した露天風呂があり、水平線に沈む夕日が眺められる。 館内のレストランでは天草名物のタコ料理も楽しめる。
物産館「道の駅 有明」には、有明町の特産「タコ」を使った名物「タコすてーき(真空パック)」や、ご飯に混ぜるだけの「タコめしgoo」など、タコを使った商品が目白押し。 タコめしの素などの食品のほか、五多幸ストラップや多多幸絵馬などユニークなタコグッズが並び、みやげ選びに訪れたいスポット。
「リップルランド」の前の海岸沿いにのびる国道324号線、通称「天草ありあけタコ街道」のシンボルオブジェは巨大な「ありあけタコ入道」。 タコの足に巻き付けられて、はいチーズ! ユニークな撮影スポットとして人気だ。
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湯けむりが立ち上る温泉街からスタートし、足湯に浸かりながら絶景を眺める。 温泉の蒸気を利用した蒸し釜料理を堪能した後は、クルーズ船に乗り定住する野生のイルカを鑑賞。 最後は谷水棚田や鮎帰りの滝から自然のパワーをもらう。
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